新型スペーシア&スペーシアカスタム試乗 車内で過ごす時間が増えた時代に合わせたクルマ作り
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹 10
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:小林 俊樹 10
エクステリアデザインはキープコンセプト。スペーシア、スペーシアカスタムともに前後デザインはひと目でスズキ車とわかるスズキ顔だが、新しさはない。コンテナをイメージしたというボディサイドのビード形状は、実物を見ると画像で見るよりも立体感が感じられた。規格によって全長、全幅を拡げられないなか、いかに車内空間を犠牲にすることなく凹凸をつけ、ただの箱ではなく抑揚あるデザインにするかが軽ハイトワゴンの勝負なのだが、新型はうまくいっている。
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インテリアで目につくのは立体的なダッシュボードデザインだ。ディスプレイが収まる中央部分が飛び出すように配置され、その他は機能ごとにブロック分けされたようなレイアウトになっている。初めてでも直感的に使える。助手席前のビッグオープントレーは、コロナ禍をきっかけに車内で過ごす時間が長くなっている傾向を踏まえ、食事や作業をしやすくするためのものだ。
ボックスティッシュ収納に最適の引き出しやメーター上のトレーなど、あらゆるところに小物を収めるスペースが確保されている。フロントドアオープナーの上にわずかなスペースがあり、開発陣に何用か尋ねると、リップスティック用だという。へぇー。
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リアシートの座面前端がフラップ形状となっていて、立てれば荷物を置いた場合のストッパーになり、斜め下に傾けるとふくらはぎを支えるサポーターとして使える。停車時にゆったりと過ごす場合には、そのフラップを前へ飛び出させ、投げ出した足を支えるオットマンとしても使える。新型の目玉機能だ。シートバックテーブルの一部が波打った形状となっていて、スマホやタブレットを好きな角度で立てかけられるようになっているのには感心した。YouTubeおよびNetflix対策だ。
車内のこうした便利機能は、例えば塾から出てくる子供を待つちょっとした時間を快適に過ごしたいといった、市場調査によって得られた具体的な要望をかたちにしたものだという。プロダクトアウトではなく完全にマーケットインのクルマづくりだ。
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