スバル クロストレックってどんなクルマ? 装備とグレードを徹底解説!
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:SUBARU 39
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:SUBARU 39
スバル「クロストレック」は、これまで国内ではスバル「XV」と名乗っていた全長4.5m級のクロスオーバーSUV。モデルチェンジを機に、グローバル市場での車名であった「クロストレック」と国内でも名乗るようになりました。なおクロストレックの価格とグレード等はすでに発表されており、予約注文も可能ですが、正式な発売日はまだ発表されていません。
ボディサイズは全長4480mm×全幅1800mm×全高1580mm。「モデルチェンジのたびに大きくなる」というのが最近の車のお約束ですが、クロストレックは従来型XVより全長が5mm延びただけで、全幅と全高、そしてホイールベースは従来型とまったく同じです。
これについてスバルは「従来型XVは“適度なサイズ感”であることも人気の理由であったため、新型も、無駄に大きくするつもりはいっさいなかった」という旨の説明をしています。確かに「小さすぎず、大きすぎず」なXV/クロストレックのボディサイズは、日本という環境で使うには非常に便利で好ましいものであるため、無駄に大きくならなかったのは朗報といえるでしょう。
エクステリアデザインは、ボンネットフードの位置を高めにすることで「たくましさ」を表現し、同時に、従来型以上にアグレッシブな形状のプロテクター類を採用することで「躍動感」も強調。今どきのSUVらしいニュアンス=ややワイルドで屈強な感じが程よく追加されたのが、クロストレックのエクステリアデザインだといえます。
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
一方のインテリアは、基本的には従来型からのキープコンセプトですが、現行型のレヴォーグやWRX S4にも採用された縦型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを採用。そして従来型XVでは有線接続だったApple CarPlayのワイヤレス接続が可能になり(※Android Autoは有線接続)、スマホにインストールされているアプリ類が大画面で使用できるようにもなっています。また「医学的な知見を採り入れて設計した、頭部が揺れにくいシート」も、クロストレックの地味ですが重要な進化ポイントです。
クロストレックは「アイサイト」の性能も大幅に向上しました。ステレオカメラの画角を従来型の約2倍としたうえで、画像認識ソフトや制御ソフトも改良。より広く遠くまで認識できるようにしたほか、低速走行時に二輪車や歩行者の飛び出しを認識できる「単眼カメラ」も新たに追加したことで、歴代アイサイトのなかでも最高レベルの性能を実現しています。
そのほか、4つのカメラ映像を合成して車両周囲360度を映し出せる機能も搭載し、右左折時などに進行方向を照らす「LEDコーナリングランプ」もスバル車として初採用。夜間の視認性が大幅に向上しています。
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
プラットフォームはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の最新版である「インナーフレーム構造化したSGP」に変わり、構造用接着剤の塗布長も従来型の5倍以上に延長。さらには「高減衰マスチック」という弾性接着剤も採用したことで、振動の吸収性と内音の収束性も大きく向上しているといいます。
このほか、現行型レヴォーグやレガシィ アウトバックなどの上級モデルに採用されて大好評を博した「2ピニオン式電動パワステ」や「電動ブレーキブースター」などが、比較的廉価なモデルであるクロストレックにも今回から採用されています。
クロストレックのパワートレインは、2L水平対向4気筒エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」に、スバルが「リニアトロニック」と呼ぶCVTという組み合わせ。この組み合わせ自体は従来型同様ですが、ハードウェアおよびソフトウェアは細部までスバルらしいこだわりでもって徹底的に改良されたため、従来型よりも体感で1割ほど、パワー感やスムーズさなどが向上しているように感じられます。
また従来型XVでは駆動方式はAWDのみでしたが、クロストレックでは「FF」も選択できるようになったというのも大きなトピックでしょう。雪道などを走る機会が多いユーザーはさておき、主には都会の舗装路のみを走るというユーザーであれば、走りに軽快さがあって燃費も若干良く、そして車両価格が安めで済む「FFのクロストレック」にも注目する価値は大いにあります。
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
2023年の、おそらくはそう遅くない時期に発売されるクロストレックのグレードと価格は下記のとおりです。
●Touring(FF)|266万2000円
●Touring(AWD)|288万2000円
●Limited(FF)|306万9000円
●Limited(AWD)|328万9000円
見てのとおり「お安いのがTouringで、若干お高いのがLimited」ということですが、両者の主な違いは下記のとおりです。
●Touringのホイールは17インチで、Limitedは18インチの切削光輝
●Limitedはステアリング連動ヘッドランプ+コーナリングランプが標準
●Limitedは11.6インチセンターインフォメーションディスプレイが標準
●Touringはルーフアンテナで、Limitedはシャークフィンアンテナ
●シート表皮はTouringがトリコットで、Limitedはファブリック
●Limitedの運転席・助手席はパワーシートが標準
●Limitedは視界拡張テクノロジー等が標準
●その他
上記を踏まえて「おすすめグレード」を考えますと、当然ながら、何かと充実しているLimitedのほうが客観的なおすすめにはなります。
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
とはいえクロストレックの場合、「Touringには装着できないオプション装備」というのはそう多くありません。そのため「比較的シンプルな仕様が好き」という人や「できれば安価に購入したい」と考える人は、「Touringに好みのオプション装備を足した場合の見積もり総額を出してみてから考える」という決め方が良いかと思います。
「AWDかFFか?」という問題も、これに少しだけ似ています。どんな状況下でもおおむね安心して走ることができるAWDのほうが客観的にはおすすめですが、「雪道はほとんど走らない(たまには走るかもしれないけど……)」というような人には、軽快でお安いFFも大いにおすすめできます。ここについては、ご自身の使用環境とご予算に応じて決めていただくほかありません。
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
「CセグメントSUV」というのは激戦区だけに、クロストレックのライバルはさまざま考えられますが、主には以下の3モデルになるでしょうか。
●サイズも価格もクロストレックに近いトヨタ 「カローラクロス」
●クロストレックより少し小さく、少し安いホンダ「ヴェゼル」
●クロストレックより少し大きく、けっこう高いホンダ「ZR-V」
上記のうちでカローラクロスとヴェゼルのハイブリッドモデルは、燃費性能においてクロストレックよりも圧倒的に有利です。なにせクロストレックのWLTCモード燃費はFF車の場合でも16.4km/Lでしかありませんが、カローラクロスのFFハイブリッド車は26.2km/L、ヴェゼルのFF e:HEV車は24.8km/L。その差は歴然ですし、両モデルとも決して走りがイマイチなSUVではないため、「日々の燃費性能を重視したい」と考える人は、クロストレックではなくカローラクロスまたはヴェゼルを選ぶべきでしょう。
>>トヨタ カローラクロスハイブリッドの詳細情報
>>トヨタ カローラクロスハイブリッドのユーザーレビュー
>>トヨタ カローラクロスハイブリッドの専門家レビュー
しかし「燃費はもちろん重要だけど、“日々の走りの質”みたいなものも大切だ」と考えるのであれば、選ぶべきは間違いなくクロストレックです。このあたりは優劣の問題というよりも哲学と美意識の問題ですので、各位の価値観に応じてお考えいただければと思います。
>>ホンダ ヴェゼルハイブリッドの詳細情報
>>ホンダ ヴェゼルハイブリッドのユーザーレビュー
>>ホンダ ヴェゼルハイブリッドの専門家レビュー
一方、こちらもクロストレックと同様に「発表済みではあるが、まだ発売はされていない」というホンダ ZR-Vは、“日々の走りの質”においてもクロストレックの強力なライバルになり得る存在です。
そしてホンダ ZR-Vは、クロストレックと甲乙つけがたい走りの良さを備えていながら、クロストレックを大きく上回る「22.1km/L」というWLTCモード燃費をマークするSUVでもあります(※e:HEV X 2WD)。
となれば「おすすめは圧倒的にホンダ ZR-V!」ということにもなりそうですが、ホンダ ZR-Vには「車両価格がそこそこ高い」という欠点(?)があります。具体的にはクロストレックの上級グレードFF車が306万9000円であるのに対し、ホンダ ZR-Vの「e:HEV Z(2WD)」は389万9500円。その差は実に83万円以上ですので、これはもうちょっと考えてしまう部分も大なわけです。
>>ホンダ ZR-Vの詳細情報
>>ホンダ ZR-Vのユーザーレビュー
>>ホンダ ZR-Vの専門家レビュー
……ってことはつまり、クロストレックとは「上級グレードであっても車両価格は300万円ちょい」というある種の安価さを保ったなかで、クラス最高レベルの走行性能と安全性能を発揮できているSUVである――ということです。
燃費性能に物足りなさがあるのは事実ですが、もしも「比較的お安い予算で、クラスを超えた走りの質感を手に入れたい」と考えるのであれば、選ぶべきは絶対にコレでしょう。
もしもクロストレックの予約注文をご検討中なのであれば、そのままご注文していただいて何ら問題ないかと存じます。いい車です。
<終わり>
>>スバル クロストレックの詳細情報
>>スバル クロストレックのユーザーレビュー
>>スバル クロストレックの専門家レビュー
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
近畿南部~北陸の新ルート「名神名阪連絡道路」計画に反響多数!?「絶対に必要」「がんばって」いよいよ概略ルート検討へ!? 夢の南北軸のスゴさとは
三菱自動車、新型電動SUVを2車種投入へ 2025年に欧州で
「スーツにネクタイ」よりも「カジュアル」なほうが新車が売れる!? ちょっと特殊な新車ディーラーの営業マンというお仕事
1充電で120kmも走る特定原付「Fiido L3 PRO」 SWALLOWがジャパンモビリティショー2024でお披露目!
トヨタの凄い「クラウン “リミテッド”」登場! 斬新「黒すぎデザイン」ד匠”の手仕上げボディ採用! 300馬力超えの爆速「マットメタル」どんなモデル?
BMW『M2クーペ』改良新型、480馬力にパワーアップ…998万円から
『冬こそ注目!』普通? 撥水? 初心者でも失敗しないウォッシャー液の完全ガイド ~Weeklyメンテナンス~
フィアット600e【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
スズキはBEVでも一歩リード!? インド工場で生産予定の新型BEVのトヨタOEM供給が決定
スバル新型「SUV」に反響多数! 水平対向エンジン搭載の“黒”感高め仕様に「カッコイイ」の声! 全長4.7m級の「フォレスターSTI S」豪州に登場で話題に!
“最強”のND型「ロードスター」待望の市販化か!? ニュルで鍛えた注目の「マツダスピリットレーシングRS」は2リッターで200馬力を発生か?
トヨタ新「RAV4」発表! “2.5リッター”エンジン搭載! オシャグリーン仕様アリ&燃費向上! どんなモデル? 大人気の「クロスオーバーSUV」米で改良
白熱の王座争い!! 国内二大レースのSUPER GTとSF、最終盤の見どころと観戦時のポイントを解説
【最安グレード追加】レクサス最小SUV「LBX」に“エレガント”新設定 価格は420万円から
【まだお先は真っ暗?】もはや日本じゃ売れる気がしないBEV…やはり初心者のボクらには無理ゲーなのか
新型「1シリーズ」は未来的な内装や質感高めの外装で“映え度”アップ。攻めの日本価格も注目
レクサスの小型SUV「UX」にクール系とエレガント系、2台の豪華仕様車。次期型UXも気になる
BMW「2シリーズクーペ」が微妙に化粧直し。新旧モデルの違いをチェック
なぜトヨタの人気モデルは“納期問題”が長引くのか? アルヴェルやランクルの今後の見通しは?
BMW「3シリーズ」がマイチェン。大幅進化したのは航続距離アップ&豪華装備になった330e
200万円台でも見栄え! 「フロンクス」と「WR-V」買うならどっち? 装備や走りでコスパ比較
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!