長納期化のいま各メーカーの状況は? 受注停止の裏に「半導体不足」以外の要因も
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 71
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 71
目次
トヨタ「クラウンクロスオーバー」や日産「エクストレイル」など、話題の新型車が多く登場した2022年の自動車業界ですが、それと同時に、あらゆるモデルで新車の長納期化が問題となりました。
>>クラウンクロスオーバーの価格・スペック詳細はこちら
>>エクストレイルの価格・スペック詳細はこちら
これまでは、よほど特殊なモデルや仕様でない限りは、注文から1~2か月程度で納車されることが一般的でした。また、そもそも在庫車も多く存在していたため、ボディカラーなどを少し妥協すれば、2週間程度で新車を手に入れることも決して不可能ではありませんでした。
しかし、昨今では2週間程度で納車されるケースはほとんどなく、人気のモデルであれば、半年から1年以上の納期を覚悟しなければならないことも珍しくないという状況です。
それどころか「ランドクルーザー300」や「シビックタイプR」など、一部のモデルでは受注停止という事態も発生しています。希少な限定車などを除けば「お金を出しても買えない」というケースがこれまでに起こったことはほとんどなく、まさに異例の状況となっています。
>>ランドクルーザー300の価格・スペック詳細はこちら
>>シビックタイプRの価格・スペック詳細はこちら
半導体不足が和らいできたという話も聞こえてきますが、主要なモデルの納期はどのようになっているのでしょうか?
トヨタではハイブリッド車のほとんどが、6か月以上の納期となっています。
また、2023年1月に発売した新型「プリウス」の2.0Lハイブリッドがすでに受注停止となっているほか、「アルファード」、「カローラクロス」、「ハリアー」、「RAV4」などが全グレードもしくは一部グレードで受注停止となっています。
>>プリウスの価格・スペック詳細はこちら
>>カローラクロスの価格・スペック詳細はこちら
>>ハリアーの価格・スペック詳細はこちら
>>RAV4の価格・スペック詳細はこちら
現在、トヨタのラインナップで6か月以内に納車される可能性が高いモデルとしては、「カローラ」、「アクア」、「グランエース」、「コペン GR SPORT」、「MIRAI」などとなっており、選択肢がかなり狭まっています。
>>カローラの価格・スペック詳細はこちら
>>アクアの価格・スペック詳細はこちら
>>グランエースの価格・スペック詳細はこちら
>>コペン GR SPORTの価格・スペック詳細はこちら
>>MIRAIの価格・スペック詳細はこちら
ガソリンモデルは納車が早くなる傾向がありますが、それでも人気モデルのほとんどが、6か月以上の納期となる見込みです。
日産では、「エクストレイル」や「アリア」、「フェアレディZ」が受注停止となっています。一方、人気モデルの「ノート」や「オーラ」、「セレナ」は2~3か月程度で納車が可能となっており、トヨタと比べると比較的納期は早そうです。
>>エクストレイルの価格・スペック詳細はこちら
>>アリアの価格・スペック詳細はこちら
>>フェアレディZの価格・スペック詳細はこちら
>>ノートの価格・スペック詳細はこちら
>>オーラの価格・スペック詳細はこちら
>>セレナの価格・スペック詳細はこちら
ホンダの場合、受注停止となっているのはシビックタイプRのみのようです。しかし、「シビック」、「ステップワゴン」、「ZR-V」と「ヴェゼル」のハイブリッド車が1年程度の納期となっており、軽自動車を含むそのほかのモデルもほとんどが6か月程度の納期を見込む必要があるようです。
アコードやHonda eであれば、1か月程度で納車される見込みです。
>>シビックタイプRの価格・スペック詳細はこちら
>>シビックの価格・スペック詳細はこちら
>>ステップワゴンの価格・スペック詳細はこちら
>>ZR-Vの価格・スペック詳細はこちら
>>ヴェゼルハイブリッドの価格・スペック詳細はこちら
>>アコードの価格・スペック詳細はこちら
>>Honda eの価格・スペック詳細はこちら
2022年に登場した話題のモデルでは、マツダ「CX-60」が6か月以上、スバル「クロストレック」が3か月程度となっているようです。
>>CX-60の価格・スペック詳細はこちら
>>クロストレックの価格・スペック詳細はこちら
ダイハツやスズキ、三菱は2~3ヶ月程度の納期ですが、一部の人気車種では遅れが生じたり、アクセサリーの生産遅れが発生しています。
なおスズキの「ジムニー」と「ジムニーシエラ」は、引き続き長納期が解消されていないのが現状です。
>>ジムニーの価格・スペック詳細はこちら
>>ジムニーシエラの価格・スペック詳細はこちら
そもそも、なぜ新車の長納期化が発生しているのでしょうか?
実際にはさまざまな事情が深く重なり合っていますが、「部品不足」と「日本市場の優先度低下」という2つの要因に大別することができます。
まず「部品不足」ですが、最も代表的な例は、すでに多くの場所で指摘されている半導体不足が挙げられています。クルマはもちろん、「産業の米」とも呼ばれあらゆる電子機器にとって必要不可欠な半導体ですが、製造には高度な技術と設備を要するため、自動車用半導体を生産できる企業は世界でも数えるほどしかありません。
一方、半導体メーカーとしては、高い品質基準が求められる自動車よりも、コロナ禍で需要が増しているPCやゲーム機、家電製品向けの利幅の大きい半導体に生産能力を割り振る方がメリットが大きいため、自動車用半導体が不足してしまっています。
加えて、ウクライナ危機やコロナ禍によって世界各国の自動車部品工場の稼働が制限されたことで、クルマの生産に必要な部品も供給がとどこおり、予定通りの生産ができていないことも長納期化の一因となっていました。
ただ、こうした事情による部品不足については回復の兆しを見せていることから、各メーカーの生産状況にも改善が見られます。
トヨタ自動車の生産計画を見ると、1月の国内生産台数が20万台であるのに対し、2月は30万台を予定しています。またホンダも、1月は約8割となっていた寄居完成車工場の稼働率を2月は通常稼働にまで引き上げると発表しています。
トヨタはスマートキーの付属個数を減らしたり、ダイハツは「アイドリングストップレス仕様」をラインアップするなど、メーカーも半導体不足解消のために様々な手段を講じており、一刻も早い納期遅延の解消が望まれています。
>>ダイハツ、3万3000円安い「アイドリングストップレス」仕様を設定。部品不足に対応
一方、生産状況が改善しても、新車の納期が大きく短縮するとも言えないのが実情です。その理由が「日本市場の優先度低下」です。
これには短期的な要因と長期的な要因の2つがあります。
短期的な要因でいえば、昨今の円安の影響が挙げられます。意地悪な見方をすると、自動車メーカーの多くは輸出企業であるため円安時には海外輸出を行う方が利益を得やすくなります。その結果、工場の生産計画における海外向けモデルの割合が増え、相対的に国内向けの割合が減ることになりかねません。
ただ、より根深い問題となっているのが、少子高齢化による日本市場の縮小です。これまで、中国、アメリカに次ぐ世界3位の新車販売市場となっていた日本ですが、2022年にはインドが日本を上回ったため4位へと転落してしまいました。
そうしたなかで、日本市場専用に開発されたモデルは年々減少し、グローバルモデルを各国市場と分け合う形へと変化しつつあります。シビックが世代ごとに大型化していったのも、北米マーケットの要求が高かったからと言われています。
>>シビックの価格・スペック詳細はこちら
>>シビックタイプRの価格・スペック詳細はこちら
「日本の企業なのだから日本市場を優先してほしい」という声も多く聞こえてきますが、シビアなビジネスの世界では、そうした浪花節が通用しないのも事実です。
ランドクルーザーは、主要マーケットである中東への輸出のために、日本への割り当て台数が少なく受注停止となったと言われています。
短期的な改善が見込まれる部品不足や為替の変動と異なり、この点は日本の社会構造が大きく変化しない限り、改善の見込みがないのが難点です。
目まぐるしく変化する現代では、昨日の常識が今日は通用しないということも珍しくありません。新車の納期問題については各自動車メーカーもさまざまな対策をしていますが、われわれユーザー自身のアップデートも必要なのかもしれません。
写真:トヨタ自動車、日産、マツダ、ダイハツ工業、本田技研工業、スズキ複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
高速の超大渋滞… 結局「左・中・右」どの車線が早い? 長く続く激論…答えは? NEXCOに聞いてみた
音だけじゃない!マフラーを変えると何が変わるのか?
アストンマーティン初の住宅プロジェクト、66階建ての豪華タワマンが米国に完成
「なぜだかトップで終わることができた」フェルスタッペン、“ひどい”ポールラップに驚き隠せず|F1マイアミGPスプリント予選
年間“42時間”も無駄無駄無駄ァーッ! 交通渋滞は貴重な「時間」「お金」を捨てる行為だ
「一目惚れした!」 アバルトが新型EV「600e」の写真を公開 アバルト史上最強ホットハッチに対するSNSでの反響とは
ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジ。e:HEV Xにアウトドア志向の「HuNTパッケージ」を、e:HEV Zにスタイリッシュな「PLaYパッケージ」を新設定
ホンダが新型「個性派 軽バン」発売! “高質感内装”採用の「車中泊仕様」 「STYLE+ NATURE」どんな人が買う?
安全性と快適性をさらに向上!スズキが軽トラック「キャリイ」シリーズの新型モデルを発売
防災×車中泊、『240 SURVIVAL』発表! ボルボをベースにドクターVが提案
アロンソ、鬼才ニューウェイ離脱も“レッドブル帝国”崩壊の兆候とは捉えず「彼らは2021年からF1を支配している」
まるでハマーの「Hot Wheels」を1/1スケール化したみたい! トイチックに変身したジムニーが凄い【大阪オートメッセ2024】
【くらべてみた!】人気沸騰中の本格オフローダー「ランクル250」と「ディフェンダー」 どちらがお好み?
【セダン好き集合】北米新型「カムリ」本国価格発表 かっこよすぎ…日本でも売って欲しいぞ!
【実車を見てきた!】アウトドアなクラウン「ランドスケープ」新型展示イベントに登場!
【目からウロコ!】ランクル250が注文できなかった人へ、次の一手は何をするのがベスト?
【日本人は知らない】超高級車に超実用車! 成功が見えてきた新顔「アメリカンEV」の世界を紹介
【ついに乗ったぞ!】「ランクル250」オフロード試乗 プラドからの進化、300との違いを実感!
欧州高級ブランドより200万円は安そう! 夏発売「クラウンエステート」の絶妙な商品力に注目
高級ミニバン「LM」が苦戦!? “大本命”6人乗り1500万円“バージョンL”が5月に登場か
【ホットハッチは好きですか?】ポロGTI生誕25周年モデル登場 227台限定で486万円