アウディ RS 5に試乗! 新世代クワトロのキレ
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
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ハイパフォーマンスカー。そこに課せられた最も大事な役目は、他を圧倒する高性能を魅力として人を惹きつけ、オーナーを虜にすること。しかし、役目はそれだけに留まらない。例えばブランドイメージを牽引するフラッグシップとしての役割も持っている。だからこそプレミアムメーカーはハイパフォーマンスカーを継続して登場させるのだ。
また、さらに大事な役目として挙げられるのが、高性能を求めて研究開発することによる技術の進化。そこで得られた技術は、あらゆるモデルへフィードバックされる。言うなれば、そのメーカー全てのクルマの性能を底上げする、“技術面でのフラッグシップ”の役目も担う。今回アウディが新たに国内導入させた「RS 5」に触れると、まさにそのことを痛切に感じる。なぜなら他のアウディにも順次採用されていくだろう新技術が、多数存在していたからだ。
そもそもRS 5とはどのようなクルマか。今のアウディラインナップは、Aの頭文字で始まるノーマルモデルがまずあり、そのスポーツ性を強めたモデルとしてSモデルがある。Sモデルもハイパフォーマンスカーといえる実力を持っているが、その性能にさらに磨きをかけたのがRSモデル。その上には究極のモデルとしてRモデルも存在するが、今は「R8」しか存在していないうえにミッドシップパッケージなど作りが特殊なので、日常の足として積極的に使えるハイパフォーマンスカーとしてはRSモデルが最強と捉えていい。
そのRSモデルのなかでもRS 5は、08年にアウディが久々に登場させた2ドア4シータークーペの「A5」をベースにしている。すでにスポーツ性に磨きをかけた「S5」があるが、そのさらに上を行く最強モデル。見た目上の特徴は、フォグランプを廃止して大型化されたエアインテークグリルや大きく張り出したブリスターフェンダー、さらにはフューザーの張り出しが強調されたデザインなどだ。エレガントなボディフォルムにそれら存在感や力強さが高められた特徴が加わり、少々古い表現になるが“ちょいワル”風な一種独特のカッコよさを滲ませている。だが真に注目すべきは、やはりその中身にある。
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