話題のSUVロッキー/ライズは出来の良さでNやタントなど最新軽自動車をしのぐ
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:菊池 貴之 28
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:菊池 貴之 28
車内を見回すと、しつらえはプラスティッキーなのだが、無理に高級に見せようとしていなくて好ましい。例えばATセレクター周りに異なる意匠の加飾パネルを用いる代わりにディンプル処理を施して変化をつけている。200万円未満で買える新車としては不満なし。欲を言えば、常時握るステアリングホイールについては現状のウレタンのまんまでも我慢できないわけではないけれど、フェイクレザーでもよいから何か巻いてもう少ししっとりした触感にしてほしい。
後席も頭上、足元ともに広々していて満足できるが、後席は軽自動車も広い。軽自動車と異なるのは広々した荷室スペースだ。容量369リッターと十分確保されていて、開口部も大きく、荷物を出し入れしやすい。デッキボードを上下2段に設定でき、上段にすれば開口部下端と同じ高さになって荷物を滑らせるように出し入れすることができ、下段にすれば125mm低くなってその分容量を稼ぐことができる。
さらにデッキボードを取り外すと床下に80リッター(4WD車の場合は38リッター)のアンダーラゲージが現れる。観葉植物などの寝かせたくない荷物を載せられるほか、洗車道具などの見せたくないモノや使用頻度は低いものの車載しておきたいモノ(例えばチェーンの類いとか)を入れておくのに便利そう。リアサス形式を3リンクリジッドからトーションビームに変更したことで、スペースに余裕ができたためにアンダーラゲージを確保できたという。トーションビーム(梁)があるからスペースを取るのではないかと思いきや、デフが上下に動くスペースを確保するよりもスペース確保の面では有利なのだそうだ。そりゃそうか。
2019年は「日産 デイズ/三菱 eKワゴン」、「ホンダ N-WGN」、そして「ダイハツ タント」と軽自動車が相次いでモデルチェンジし、どれも大幅に性能を向上させて話題になった。ここ数年の間に登場した軽自動車は総じて出来が良く、もはやリッターカー不要とすら思わせたが、今回、ロッキー/ライズに乗って、その出来の良い軽自動車のプラットフォームを用い、軽自動車の忌まわしい制限(サイズやエンジン排気量)を取っ払ってリッターカーをつくれば、もっとよくなるという自然な事実を確認できた。
ロッキー/ライズ170.5万円~という価格は、ターボエンジンのタントの158.95万円~に対し10万円あまり高いが、価格差以上の価値があるように思えた。安全装備は同等。軽自動車のサイズが購入の条件でない限りはロッキー/ライズをオススメしたい。
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