ヴィッツ ハイブリッド試乗。導入理由やアクアとの違いはどこに?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
日本では初出となる「ヴィッツ ハイブリッド」だが、知っている人も多いように、ハイブリッド版のヴィッツ(=ヤリス)は欧州で以前から販売されている。プラットフォームやパワートレーンなどの基本ハードウェアはアクアとほぼ同じで、両車はいわば兄弟車だ。
以前からヴィッツ ハイブリッドが販売されている欧州ではアクアは売られない。逆に、アクア(海外名は「プリウス c」)が売られている北米、台湾、豪州などでは、これまでの日本と同じくヴィッツのハイブリッドは売られていない。つまり、アクアとヴィッツ ハイブリッドが併売される主要市場は日本だけだ。
日本でのアクアはプリウスと同じく、もともとトヨタの象徴的な商品という位置づけだったので、トヨタの販売ネットワークの全チャンネルで扱われている。そういうこともあって「アクアと中身がほぼ同じヴィッツ ハイブリッドは日本に不要」との判断だったことは想像にかたくない。
ただ、昨今のヴィッツの販売台数は、たとえば昨年の国内販売ランキングで10位(アクアはプリウスに続く2位)だった。ハイブリッドの用意がなく、ネッツ店専売でもあることからアクアの台数におよばないのは想定内でも、「ホンダ フィット」(昨年は4位)や、まだe-POWERがなかった「日産 ノート」(同5位)にまで大きく水を開けられたとあれば、ヴィッツの商品企画担当者の身になると穏やかではいられない。
今の日本市場でもっとも分かりやすい販売テコ入れ策がハイブリッドなのは事実。前記のようにクルマ自体はすでに存在するし、現在のトヨタは「全車種にハイブリッドを置く」を商品戦略の大目標に掲げている。昨年には「オーリス」にも欧州に遅れてハイブリッドが追加されたことを思い出すと、ヴィッツにも遅かれ早かれ登場することは容易に予想できたことではある。
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