新型イヴォークは走りと質感もレンジローバーらしくなった。オススメはディーゼル、日本では車幅に注意
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
今回試乗したのは「P250」と呼ばれる2.0Lガソリン直噴ターボと「D240」と呼ばれる2.0Lディーゼルターボの2種類。ともに48Vのマイルドハイブリッドで、11kWのベルト式インテグレーテッドスタータージェネレーターが組み合わせられるタイプだ。
最初に試乗したのはP250。最高出力は249ps、最大トルクは365Nmを発生する。実際に乗ってみると、エンジンそのものには大きな感動はない。いかにも実直な2.0Lガソリンターボという印象で、官能性よりは真面目に仕事をこなすタイプ。ベルト式ISGは11kWを発生して発進などをアシストする仕組みだが、「メルセデス・ベンツ Cクラス」のBSGのように明確にモーターの力が加わっているという感覚は少ない。これは車両重量が1818kgと軽くないことも影響しているだろう。これまでのガソリンターボと比べて違和感のないパワー&トルクのフィーリングがそこにある、とも言えるが、個人的にはもう少しパワフルな感覚が欲しいと思った。
一方で魅力的だったのはD240。最高出力は240psと驚くほどではないが、最大トルクは実に500Nmと圧倒的なトルク感で頼もしい加速が味わえる。巡航等では1500rpmを下回るエンジン回転で十分以上のトルクがあるため、1880kgとガソリンモデルよりさらに重いのにもかかわらず、アクセルを少し踏むだけでゆとりあるドライブが楽しめたのだった。もっとも日本に導入されるのはもう少し出力の低い「D180」となるが、それでも最大トルクは430Nmを発生するから余裕ある走りをすることは間違いないだろう。
エンジンの違いは乗り味走り味にも表れている。端的にいってガソリンモデルが軽快で、ディーゼルモデルは重厚だ。そうした違いも含めて、よりレンジローバーらしい味わいを感じるのはディーゼルモデルの方だ。新型は以前より遥かにストローク感の増した濃厚なサスの動きが“らしさ”を生んでいて、重厚な走りが合うからだ。
先代のイヴォークはフラットな乗り味走り味が特徴だったが、それゆえに路面の凹凸に対してストロークが途中で止まるようなツンツンとした感触が出ることがあった。新型イヴォークでオンロードを走って印象的だったのは、コーナリングにおいて他のレンジローバーのモデルと同様のフィーリングを感じさせてくれたこと。レンジローバーのコーナリングは、ハンドルを切っていくと豊かなロールが生まれ、最後にアウト側の後輪がしっとりと深いストロークを伴って、決して踏ん張りすぎることなく沈み込んで気持ちよくコーナーを駆け抜けていく。
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