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【人気のボルボにPHEV版登場】ボルボXC40 リチャージに試乗 良いモノを更に良く

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【人気のボルボにPHEV版登場】ボルボXC40 リチャージに試乗 良いモノを更に良く

1.5Lガソリンターボとツインモーター

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)

【画像】XC40リチャージとライバルSUV 全111枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


2018年に日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞し、各国でヒット作となったXC40。次のフェイズへと進むことになった。

今回試乗するのはボルボXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5。すべてのモデルラインナップに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)を用意するという、ボルボの目標を達成する1台となる。

2019年に発表されたXC40の純EV版と同時に明らかとなった、「リチャージ」というサブブランド名が与えられる、初めてのモデルでもある。このリチャージという呼び名は、今後のボルボ製PHEVと純EV、ケーブルで充電できるすべてのモデルに用いられる。

通常のXC40と同様、基本骨格とするのはSPAアーキテクチャ。リアモーターが後輪を駆動し、3気筒1.5Lガソリン・ターボエンジンとフロントモーターが協働して、前輪を駆動する。前輪側には、7速デュアルクラッチATがタイヤとの間に入る。

このPHEV版XC40リチャージは、間もなく英国にも上陸予定。今回は、短時間ながらスウェーデン・ヨーテボリでの試乗機会が用意された。

フロントフェンダー横に配置された充電ポートを除き、通常のエンジンモデルのXC40との見分けはほとんどつかない。とても美しく賢くデザインされたSUVだから、これで問題ないのだろう。

インテリアも同様。XC40に共通する高い質感を備え、仕上がりも良い。リアハッチを開けて荷室を眺めても、PHEVだとは気づかないほど。一部のモデルと異なり、XC40の荷室容量は、通常のエンジンモデルと変わらないのだ。

すでに洗練されたXC40を引き上げた

荷室容量に影響がなかった理由は、PHEVに関するものも含めて、パワートレインがボンネット内に収まっているから。だが、XC40を走り出せば、うっとりするような電動モーターの滑らかさで加速を始めるから、パワートレインにハイブリッドが採用されていることは瞭然だ。

3気筒ターボエンジンは180psを発生し、そこへ電動モーターが81psを加算する。リチウムイオン・バッテリーは車両中央のトランスミッション・トンネルと呼ばれるところに搭載され、容量は10.7kWh。とても知的にパッケージングされている。

電気だけで走行可能な距離は、49kmだという。ドライブモードにはEVモード優先のピュアを含めて4種類が設けられ、タッチモニターから選ぶことが可能だ。

標準ではハイブリッド・モードとなるが、電気モーターとガソリンエンジンの切り替えはシームレス。注意しなければ、いつ3気筒エンジンが始動し、停止したのかわからないだろう。

レブカウンターには、エンジンと電気モーターの稼働状態も表示される。力強い加速と、燃費を稼ぐ運転とを両立させるのに役に立つ。NEDC値をWLTP値に換算したものだが、燃費は49.9km/Lとうたわれている。

最もスポーティなパワー・モードを選んでも、XC40が、突出してダイナミックな走行性能を味わわせてくれるわけではない。だが、この手のクルマとして不満を感じることはないと思う。むしろ、すでに洗練されたXC40が、磨き込まれた印象だ。

理想的なクロスオーバー

今回の試乗はボルボの試乗コース内に限られていた。PHEVとしての性能を試すのに充分な距離を走行することはできなかった。具体的な評価は後日となる。

それでも第一印象としては、既に優れたXC40の魅力を、PHEVが一層引き立てていると感じた。エンジンモデルが得ていた優れたコンパクトSUVとしての評価を、一切傷つけていない。訴求力の高いパワートレインが、XC40の魅力をさらに高めている。

経済性でも競争力は高い。試乗したPHEVのRデザインの英国価格は4万905ポンド(584万円)だが、247psを発生するガソリンエンジン版は、同じRデザインで3万6585ポンド(523万円)となる。

CO2の排出量も、スペック上では大幅に少ない。同じ1.5Lの3気筒エンジンを搭載するXC40 T3は、127g/kmとなるのに対し、PHEV版のリチャージが41g/kmに留まる。

純EV版のXC40がお望みなら、間もなくXC40リチャージ・フルエレクトリックも登場する予定。1つのモデルに複数の電動化パワートレインを用意するというボルボの決定に、悩まされる人もいるかもしれない。

純EVやPHEVのメリットを享受するには、ユーザーの求めるものや運転環境などが影響してくる。だが、充電したバッテリーでのEVモードを最大限に活かしつつ、長距離も都市部での利用も楽に対応できるのが、ボルボXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5。理想的なコンパクト・クロスオーバーが登場したといえるだろう。

ボルボXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5のスペック

価格:4万905ポンド(584万円)
全長:4425mm
全幅:1851mm
全高:1652mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:7.3秒
燃費:-
CO2排出量:41g/km
乾燥重量:1741kg(予想)
パワートレイン:直列3気筒1477cc+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:261ps/5800rpm(システム総合)
最大トルク:43.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

3件
  • ついに来たT5の電動化。
    SPAベースじゃなくCMAベースでFF電動1モーターと予測があったが、誤報じゃなければ良いが。
    本当にSPAベースでツインモーターAWDでこの値段なら美味しい商品に間違いない贅沢なもの。
    唯一は7速DCTがどこのサプライヤーかが気になる。
  • リプロが多発しそう
    欧州のPHEVってエンジンに頼った加速性能は高いけど電気自動車としての性能は低いよね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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