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【理想的なガレージの3台】マクラーレン720S(5) ゲレンデと2CV 長期テスト

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【理想的なガレージの3台】マクラーレン720S(5) ゲレンデと2CV 長期テスト

積算 8074km マクラーレンP1との性能差

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

【画像】マクラーレン720S 全67枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ハイパーカーのマクラーレンP1に対し、マクラーレン720Sはどんな戦いを披露するのだろう。わたしの予想は5年前のハイパーカーと現代のスーパーカーとは、ほぼ同じ性能だろう、というもの。

予想通り、加速はほぼ同じ。マクラーレンP1の方がコーナリングスピードは高く、エキサイティングだったが、より軽量な720Sのフィーリングの方が好きだと思った。

積算 9039km 夢のガレージに納める3台

クルマ好きなら、1度は想像したことがあると思う。ガレージに納めたい理想の3台。実際の暮らしを念頭に置いたのなら、決して選べないようなクルマが思いつくだろう。

高速道路を自由に走れる世界があって、しがらみもなく、ガソリン代もガレージの広さも気にする必要がないほどのお金持ちだったとしたら。手に追えるクルマではなく、本当に欲しいクルマと一緒に暮らせるとしたら。

きっとそんな条件で選んだクルマは、コストとは無縁の、人生に最適なクルマとなるはず。少なくとも40年ほど、このテーマであれこれ理論を立てて考えてきた。

実はわたしが幼い頃から、父と兄弟3人で理想のクルマについて、毎朝話をしていた。その間、母は天井を見ながら、どこかに助けを求めているようだった。その時には、1つの法則があった。必ず選ぶのは3台。2台でも4台以上でもなかったのだ。

ベンツGクラスとシトロエン2CV

読者は理想的なガレージに納める3台として、何を選ぶだろうか。選ぶ時のルールは、現実世界で実際に乗れるクルマ。F1マシンやルマンの優勝モデルだけを選ぶことはできない。一度手に入れたら売却はできず、生涯一緒に暮らさなければいけない。

これまで筆者は、何千という3台の組み合わせを考えてきたと思う。しかしその組み合わせの1つとして、現実世界での実際の暮らしに加わったことはなかった。

ところが偶然にも、あえて集めようと努力したわけでもないのに、自宅の外に3台が並ぶ機会がやってきた。長年仕事をしてきたが、こんなことは初めてだ。やっとその景色を目にすることができた。

マクラーレン720Sは理想の1台だが、以前から長期テストで乗っている。連載が終わればいなくなってしまうが。理想の1台として最後に加わったのが、メルセデス・ベンツG350d。日本では通称ゲレンデと呼ばれているSUVモデルだ。

メルセデス・ベンツは、もちろん日常の足。何でもできるし、どこへでも行ける。短くてありふれた自動車旅行でも、素晴らしい体験に変えてくれるだろう。場違いなシーンもないし、到達できない目的地もない。

もう1台は、シトロエン2CV。この3台のなかで、筆者が実際に所有している唯一のクルマだ。現代の自動車に対するアンチテーゼ。不滅の、運転する楽しさを味わわせてくれるクルマ。

燃費も良いからガソリンが少しでも手に入れば走れる。限界値は低いし、路面にも激しく影響を受ける。しかし、クルマを運転する楽しさは濃い。

エンスージァストなら選びたい720S

そしてこのマクラーレン720S。真の自動車エンスージァストなら選んでおきたい、モンスター・マシンだ。見た目はまったく異なるが、加わる理由は奇妙なことにシトロエン2CVと共通する。単純にクルマの運転を味わうため。願ったとおりに走ってくれる。

もし外が熱波に包まれた夏でも、スーパーカーとして運転を楽しめる。最も扱いやすい本当のスーパーカーだとわかり、とても嬉しく感じている。もし逆の立場でクルマがオーナーを選べるのなら、サーキットに連れていき、誰が相応しいか判断されるのだろうか。

そんな理想の光景もつかの間。間もなくマクラーレン720Sは長期テストの終りを迎えてしまう。わたしの人生から、この理想の3台組は消えてしまう。

もっとも、マクラーレン720Sもメルセデス・ベンツGクラスも、わたしのクルマではない。楽観的な妄想だった。自宅の前に3台を並べることができたのは、幸せだった。これを実現できるのは限られた少数の人。筆者がそんな収入を得られるはずがない。

少なくともマクラーレン720Sとの残りの長期テストを楽しみたいと思う。世界最速のクルマの1台でありながら、優れた信頼性も裏付けられそうだ。

テストデータ

テスト車について

モデル名:マクラーレン720S ラグジュアリー(英国仕様)
新車価格:22万4990ポンド(3149万円)
テスト車の価格:24万6450ポンド(3452万円)

テストの記録

燃費:9.1km/L
故障:コーナーを曲がる途中でヘッドライトが一度消えた
出費:なし

気に入っているトコロ

使いやすいディテール:ボンネットキャッチも給油キャップも、普通のクルマと同じ構造。マクラーレンが日常的な扱いやすさを強く意識したことを示している。

気に入らないトコロ

隠れたエンジン:エンジンが隠れていて見えないし、触ることもできない。フェラーリの一部のモデルのように、鏡に反射させて見えるようにしても良いと思う。

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みんなのコメント

1件
  • 長期テストで もっと詳しく 憧れる文章にしてほしい。
    いい車なのに 残念な内容 
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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