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【落札率63.6%の好結果】BH初の試みを分析 スーパーGTオークション 東京オートサロン

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【落札率63.6%の好結果】BH初の試みを分析 スーパーGTオークション 東京オートサロン

東京オートサロン2020で開催

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】スーパーGTオークション 東京オートサロン【出品車を撮影】 全17枚

コレクタズーカー・オークションを日本のクルマ愛好家に広めてきた「BH」の2020年最初の開催が、「スーパーGTオークション」として東京オートサロンで行われた。

今回はスーパーGTを主催するGTアソシエーション(GTA)とオフィシャル・パートナーシップを結び、レーシングカーのみを題材に「スーパーGTオークション-TAS」と銘打って開催されたもの。

オープニングではGTAの坂東正明代表が「今年はスーパーGTのシリーズ・パートナーに加わっていただき、両社で協力したオークションの開催を計画しています。今後はスーパーGTに関わりのある車両が出品されることを期待しております」と述べた。

チャリティ・オークションも

最初に姿を現したのは、事前に予告のなかった1990年ラルトRT34 F3マシンだった。

これはスーパーGTに参戦するトムスが所有するマシンで、チャリティ・オークション用に提供されたもの。トムスの舘信秀会長も姿を見せ、最低落札額なしでスタート。

アマチュアでも楽しめるフォーミュラ・マシンだけに競り合いが続き222万円で舘会長による落札を決めるハンマー音が響き渡った。

なお落札金額は全額が交通遺児育英会に寄付される。

ポルシェ935 1億6650万円

今回のスーパーGTオークションの主役となったのがポルシェ935 K3/80クレマーだ。

1970年代半ばから始ったグループ5シルエット・フォーミュラ時代の王者だっただけに今も高い人気を誇る。

出品された935 K3/80は、ポルシェのセカンドチームであるクレマー・レーシングが930ターボから製作したもの。エンジンは3Lのル・マン・スペックが搭載され、当時ヨーロッパのレースで活躍したヒストリーを持つ。

近年はル・マン・クラシックを始めとする国際格式のクラシック・レースに参加できることから再び人気に。

この935 K3/80は前オーナーがレースに参加していたこともありFIA HTPペーパーも取得し、即参戦可能なコンディションを保つだけに注目を集めていた。

オークションは1億円からスタートすると熱い入札、応札が続き、1億5000万円で決着が付いた。オークションの通例で落札額には10%の落札手数料とその分の消費税が加算されるため、入札者の支払金額は1億6650万円となる。

なお記事中の落札額はこれらを含んだ総額で表記する。

ストラトス 大健闘

935 K3/80とともに注目を集めていたのがランチア・ストラトス・ストラダーレ・グループ4コンバージョン仕様だった。

ストラダーレはオークションでそれなりに出てくるが、グループ4仕様となると世界的に見てもほとんど姿を見せないことから高額落札が予想された。

このストラトスはストラダーレ(ロードカー)として製作されたものを、後年イタリアのスペシャリストがグループ4仕様にコンバートしたもので、完成度は極めて高い。

その後ボディの手直しの際に現在のアリタリア・カラーにされたという。

前々オーナー時代にヒストリックカー・ラリーに参戦していたことからFIAのHTPペーパー(認定証)が備わることに加え、ランチア社の製造証明書も付いていることから7881万円まで値を上げて決着がついた。

ハコスカGT-Rレーシング 3219万円

今回唯一の国産旧車レーシング・マシンとして出品されたのが1972年日産スカイライン2000GT-Rだ。

このハコスカGT-Rレーシングは当時東京の大森にあった日産スポーツコーナーが用意したレース用ホワイト・ボディから製作された由緒ある1台。

GT-Rサービス・ワタナベを主宰するGT-Rの神様と称えられた渡辺茂氏が新車から所有していたワンオーナーカーなのである。

現存するGT-Rレーシング・バージョンはロードカーから改造されたものがほとんどである。

当初からレース用に作られた貴重な1台だけに、GT-Rファンにとっては究極の1台といえる存在。熱い入札が続き、最終的に3219万円で新たなオーナーの元へ嫁ぐことになった。

BMW Z4GT3 驚きの額で

大いに盛り上がったスーパーGTオークションだが、意外な額で落札されたのがTWS LMコルサが2014年シーズンを闘ったBMW Z4GT3だ。

ファクトリー・ビルドのGT3マシンで、第6戦の鈴鹿1000kmでGT300クラス優勝を飾ったそのものである。

オークションにはマーキングが全てはがされカーボン地むきだしのワイルドな姿で出品された。

会場には当時このマシンで参戦していた吉本大樹選手が運転してステージに登場。「お金があれば僕が買いたいくらいに、優勝の想い出が詰まったマシンです」と本心を語った。

完成度が高くNAで乗りやすくメンテナンスも楽なこともあり、アマチュア・ドライバーがサーキット走行を楽しむには最適な1台といえる。注目度に加え、最低落札額の設定が無かったことから724.5万円という破格ともいえる安さで終えてしまった。

レーシング・マシンという特殊なクルマのオークションということからその結果が心配されたBHスーパーGTオークション。しかし、終えてみれば落札率は63.6%と好調だった。

これは日本のクルマ趣味の層が厚くなってきたことを物語るもので、今後のスーパーGTオークションに注目していきたい。

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