現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【1200kmでも疲れ知らず】マクラーレン720S(3) ジュネーブへ小旅行 長期テスト

ここから本文です

【1200kmでも疲れ知らず】マクラーレン720S(3) ジュネーブへ小旅行 長期テスト

掲載 更新
【1200kmでも疲れ知らず】マクラーレン720S(3) ジュネーブへ小旅行 長期テスト

積算4483km ランボルギーニ・アヴェンタドール

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

【画像】マクラーレン720S 全66枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


マクラーレン720Sを穏やかなクルマに感じさせるモデルは数少ない。ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJはそんな1台だった。720Sを超える濃密な感覚に、遥かに魅力的なサウンドが楽しめる。

それでも運転のしやすさや居心地の良さ、目的地への移動スピードで考えれば、わたしの運転の場合はマクラーレンの方が速い。しかも10万ポンド(1400万円)以上安価だ。

積算6910km ジュネーブに720Sで向う

筆者はスイス・ジュネーブから1200kmほど離れた英国の町に住んでいる。マクラーレン720Sのようなクルマなら、これくらいの移動は丁度いいランニングになる。

ほとんど毎年のように、ジュネーブで開かれるモーターショーへ向う時は飛行機を利用する。しかし今回は陸路を選んだ。合計2日間を掛けて往復移動することに疑問もなかった。一緒に移動する同乗者も誘わなかった。

筆者にとって、1人での長距離ドライブほど楽しいものはない。クルマが良いほどその楽しみは大きくなり、自己中心的になる。

もし定員4名のクルマなら、タダでスイスへ移動できるわけだから、誰も誘わないという選択はしにくい。しかし2シーターのマクラーレンなら、1人分の荷物を乗せるだけで車内はいっぱいだという言い訳ができる。午前3時に出発するとなれば、逆に誘いにくい。

1人なら好きな音楽を好みのボリュームで聞ける。「次のサービスエリアに寄ってコーヒー休憩しません?」 という厄介な誘いをされることもない。

高速道路では快適 山道では夢中

というわけでマクラーレン720Sに乗って午前3時に出発し、午後3時にジュネーブに着いた。その12時間はとても素晴らしいものだった。

最も印象強く感じたのが、マクラーレンの過ごしやすさ。乗り心地は美しいと呼べるほど滑らかで、エンジンは充分に静か。周囲の視界も驚くほどに良い。

細かいことだが、ブルートゥースやエアコン、シートヒーターやタッチモニターなど、使い心地が良いことも重要だ。ナビゲーションのグラフィックが時代遅れだが、案内はしてくれる。

計器モニターも素晴らしいが、通常はメイン画面を倒して、バータイプのレブカウンターとスピードメーターのみが表示される状態にして運転している。長距離移動をする場合、不要な情報を隠した方がリラックスできるし、目の疲れも少ない。

1人で走る楽しみとして、山にへばりつく道を選べるということもある。フランスのディジョンからスイスのジュネーブに向かうには、南回りでなだらかなマコン経由の道も選べるが、ドール方面に走り、山を超えるというルートもある。もちろんわたしはドールへ向かった。

移動したのは日曜日だったから、道路はサンデードライバーで荒れ模様。山道を走った方が、720Sにとっても安全だったと思う。

小旅行で他のスーパーカーでは得られないであろう、素晴らしい走りを確かめることができた。長距離の高速移動をたやすくこなせる高性能なクルマはいくつかあるし、カーブの続く山道で夢中になれるクルマも少数ながら存在する。だが両方を叶えているクルマは、そう多くはない。

1200kmの後でも、もっと運転したいと思える

6000kmほどの距離を重ね、エンジンの慣らしもほぼ終わり、上限としていた回転数を上げる初めての機会ともなった。やはり、エンジンの本領を発揮できるようなストレートは存在しない。

直線が見え、少し深くアクセルを踏む。パドルを弾く。アクセルを戻すとマフラーがぐずり、コーナーでブレーキを踏む。それ以上は難しい。

数年前に同じような自動車旅行をマクラーレン650Sで行った。とても楽しめたが、終わりが悲しいとも感じなかった。そこそこ疲れたし、長時間シートに座っていると身体が痛くなった。しかし720Sは違う。

1200kmの距離を走っても、まだ運転したいと思えたクルマは、マクラーレン720S以外にない。仕事が終わった3日後に、もう一度、帰路の1200kmを喜んで運転した。

スイスへの往復以外にも、深夜に山道を走らせる機会もあった。記憶に残る体験となった。冬が明けた時に備えて、そろそろ夏タイヤをどれにしようか考え始めている。次はもっと走り込みたい。

テストデータ

テスト車について

モデル名:マクラーレン720S ラグジュアリー
新車価格:22万4990ポンド(3149万円)
テスト車の価格:24万6450ポンド(3452万円)

テストの記録

燃費:9.6km/L
故障:コーナーを曲がる途中でヘッドライトが一度消えた。
出費:なし

気に入っているトコロ

オールラウンドな使い勝手:山道、高速道路、都市部。昼も夜も、どんな環境であっても快適。

気に入らないトコロ

ショートギア:ギア比が短く、もし8速目があれば燃費にも有利だと思う。航続距離も伸びるし、上質感も高まるだろう。

こんな記事も読まれています

GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
モーサイ
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
バイクブロス
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
月刊自家用車WEB
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
バイクブロス
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
日刊自動車新聞
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
くるまのニュース
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
VAGUE
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
motorsport.com 日本版
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
@DIME

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3530.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2380.03580.0万円

中古車を検索
720Sの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3530.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2380.03580.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村