日本市場では圧倒的に走行維持費が下げられるディーゼルPHEV
メルセデス・ベンツが大変なことになっている。世界中の自動車メーカーがコストの「選択と集中」に躍起となり効率的な新車開発に取り組んでいるなかで、メルセデス・ベンツに限っては何でもありの乱れ撃ちともいえるような状況なのだ。それはそれでユーザーにとっては選択肢が広がりありがたいことなのだが、反面開発費が嵩み、販売価格が上がってしまっては受け入れられない。
これだけクルマの技術が進歩してもディーゼルエンジンの「ガラガラ音」が消えないワケ
今回メルセデス・ベンツが新規投入モデルの多くを同時に試乗させる大規模試乗会が開かれ、AクラスからGクラスまでが揃えられていてその数40台以上! それでもまだ全モデルには及ばないというのだ。現行のカタログモデルだけでも100台以上に及ぶバリエーションとラインアップの多さはトヨタ/レクサスをも凌ぎ、もはや販売店側もすべて把握しきれないと思われるほどなのだ。
今回はそのなかで、とくに注目のモデルを選んでご紹介したいと思う。最初に試乗したのはE350deだ。現行Eクラスにはなんと1.5リッターから4リッターのAMGまで含め計8タイプものパワートレインが用意されている。そのなかでもっとも注目されているのが350deに搭載された2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンにハイブリッドモーターを組み合わせプラグインハイブリッド(PHV)として構成している350deのパワートレインなのだ。
ディーゼルエンジン+ハイブリッドの組み合わせは以前S300hとして設定されていたことがあり、僕が試乗したなかで最も実用燃費に優れたクルマとして記憶に残っていた。だがS300hはクリーンディーゼル化されず廃止され、現在は3リッター直6クリーンディーゼルを搭載するS400dに引き継がれている。
国内ではハイオク燃料に比べ軽油はリッター当たり価格が圧倒的に安く、ディーゼル+ハイブリッドがあれば走行維持費はかなり安く抑えられる。しかし国産メーカーにディーゼル+ハイブリッドの可能性を打診すると「コストがかかりすぎて無理」という返事が返ってくる。だがメルセデス・ベンツはあえて新型クリーンディーゼルエンジンを開発しハイブリッド化。さらに13.5kwhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせてPHVとして市場投入してきたのだから恐れ入る。
しかも、ディーゼルを忌み嫌うユーザーもなかにはいるので2リッターガソリン直噴ターボエンジンでPHV化した350eも同時に投入。価格差は23万円に抑えているのだ。
350に搭載されるリチウムイオンバッテリーはダイムラー社の完全子会社である「Deutsche ACCUMOTIV」社製でリアアクスルの上に配置されている。これによりトランクスペースがやや狭まってしまったのが唯一の難点だが、それでもトランクスルーは可能としていて利便性を確保している。
給電ジャックはリアバンパー右端に設けられ一般家庭に設置できる200Vの専用充電器なら1.5時間でフル充電できる。100Vの家庭用コンセントでも5時間で充電可能で、それでも十分だろう。あえてコストのかかる急速充電機能を持たせなかったことも歓迎できる。PHV車が街中に設置された急速充電器を使用していたらBEV(完全EV)車が待たされる時間が長くなるだけでEV普及の足かせになりかねないからだ。350deは満充電で50kmのEV走行が可能で、一般的な日常の走行範囲ならEVとして使用できるだろう。
じつに700N・mのシステム最大トルクで圧倒的な加速力を誇る!
実際に走らせて見ると、EVモーターによる発進でスムーズかつトルクフルで、法定最高速度内ならエンジンを始動させずに加速、走行できる。インテリジェントアクセルペダルが採用されていてエンジン始動手前になるとアクセルの踏み込み抵抗が増す「プレッシャポイント」が設定されていてエンジンの始動をドライバーがコントロールできるのだ。
2リッター直4ディーゼルターボは最高出力194馬力/最大トルク400N・mを発揮し、電動モーターは122馬力、440N・mを瞬時に引き出せる。システム総合出力としては306馬力/700N・mとなり圧倒的な動力性能を誇ってもいるのだ。
走行中にエンジンが始動しても4気筒特有の振動はほとんど感じられず、エンジン音も雰囲気を壊さない品のいいサウンドだ。モード燃費はまだ未発表だが60リットルの燃料タンクを満タンにすれば1000km以上の走行は楽勝だろう。
日本にユーザーにとって待望のディーゼル+ハイブリッド(しかもプラグイン)の登場を心から歓迎したい。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
スズキの「4.4リッター“V6”搭載モデル」登場! 最高出力350馬力の“最強”仕様! スズキ最大エンジン搭載の「DF350AT」とは
まだまだ現役だけどいつかくる「終車活」はどうする? 一生消えない「車欲」を満たす「庶民の終のクルマ」を真剣に考えてみた
クルマに隠された「謎の鏡」は何のため? “後方確認”には使えない… 気になる「正しい使い方」とは!
違和感なさすぎ!? “レクサス顔“のトヨタ「クラウン」実車展示! レッド内装&鮮烈パープル外装がカッコイイ! ド迫力のカスタムマシン来名
4人乗りならドアも4枚あったほうがよくない? 2ドア4シーターのクーペの存在意義とは
みんなのコメント