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バランスの良さではRSの100 ルノー・クリオ(ルーテシア)RSライン 130に試乗

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バランスの良さではRSの100 ルノー・クリオ(ルーテシア)RSライン 130に試乗

現在のクリオで最もスポーティなモデル

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】ルーテシアとフィエスタ、スイフト 全92枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


第5世代へと新しくなったルノー・クリオ(ルーテシア)で最もスポーティなクルマとなるのが、130psを発生させるRSライン 130。この他にもさらにパワーを高められたフォード・フィエスタSTに対抗するスポーツ仕様も追って登場するはず。ルノーはまだ肯定も否定もしていないけれど。

スッキリと動的な雰囲気を漂わせるデザインのボディの内側には、まったく新しいプラットフォームと、1.3Lの4気筒エンジンが収まっている。ルーテシアは、ルノー・日産・三菱アライアンスによる最新のCMF-Bを採用した初めてのモデルだ。

エンジンはルノー・キャプチャーやメガーヌ、セニックなどに搭載されるものと同じターボガソリン。最高出力130psを発生し、最大トルクは1600rpmという低回転域から24.4kg-mを発生させるたくましさ。7速デュアルクラッチATを介してフロントタイヤを駆動する。

英国では、1.3LエンジンのグレードにはMTは用意されていないが、1.0LエンジンのルーテシアRSラインではMTも選択できる。そちらの最高出力は100psで、5速マニュアルかCVTかが組み合わされる。

サスペンション構造はほかのグレードのルーテシアと同じ。フロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式。スポーティな見た目だが、スズキ・スイフト・スポーツやフォード・フィエスタSTの下位グレードのライバルとはいいにくいだろう。

追加費用はパワーアップと装備の充実に

英国の価格は2万295ポンド(282万円)。価格の上昇分はエクストラパワーに加えて、標準装備の充実に当てられた。目を引くスタイリッシュなエクステリアと相まって、仕上りはかなり良いと思う。

ふんだんなアクティブセーフティ機能は、すべてのルーテシアで共通する強み。さらにRSラインでは、9.3インチのタッチモニターによるインフォテインメント・システムを装備。LEDヘッドライトにオートハイビーム、リアビューカメラ、フロント・パーキングセンサーなどが付いてくる。

インテリアの雰囲気自体も、気持ちを上げてくれるスポーティなテイストにまとめられている。このインテリアデザインもルーテシアの特徴。無駄のないモダンな造形なだけでなく、ソフトタッチ加工が幅広く施され、先代モデルよりも遥かに質感は高い。

シートポジションなどの調整幅も大きく、操作性も良い。ただしモニターの応答性は少し劣るようだ。後部座席の空間は頭上周りで余裕がない。荷室容量は391Lもあり、クラスでもトップの広さを誇る。

操縦性もフィエスタと同じくらい良い。ステアリングを切るとごく僅かな間の後に、シャープに向きを変えていく。サスペンションも良く仕事をし、ボディロールを適度に抑え込んでいる。不要にタイヤのスキール音が立つこともない。

フロントタイヤのグリップ力も高く、アクセルペダルの操作に素早く反応する。だがステアリングホイールに伝わってくる触感は薄い。操舵感にもっと重みを感じた方が安心感を生むと思う。

どうしてもマニュアルが欲しくなる

一般道での乗り心地は、このコンパクトカークラスとしては平均的なもの。つぎはぎ舗装の郊外の道をスピードを上げて通過すると、ほかのモデルと同様に大きな上下動が伝わってくる。不快なものではないにしろ、フォルクスワーゲン・ポロは鋭い入力でもしっかり抑え込む足回りを持っている。

エンジンは2000rpm以下でも充分に力強く、レブリミットまでエネルギッシュさを保ち続ける。ルノーによれば0-100km/h加速は9.0秒だというが、数字に間違いはないだろう。

一方でフラットトルクな4気筒エンジンは、同等のパワーを発揮するフォード製1.0Lエコブーストほどの個性がない。デュアルクラッチATはオートモードで機敏に反応するものの、なぜかシフトパドルで変速させた時のレスポンスが鈍いようだ。

新しいルーテシア全般にいえることだが、このクルマの魅力を引き出すにはマニュアル・トランスミッションが欲しい。低パワーグレードに用意されているトランスミッションが、130では選べないのが惜しいところ。

もちろん1.0L 3気筒エンジンはそれほど速いわけではないが、充分に良く働いてくれる。RSライン 130よりもRSライン 100の方が、英国では2500ポンド(34万円)も安い点も見逃せない。筆者には、ルーテシアRSライン 100のパッケージングの方が魅力的に映るのだった。

ルノー・クリオ(ルーテシア)RSライン TCe130のスペック

価格:2万295ポンド(282万円)
全長:4050mm
全幅:1798mm
全高:1440mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:9.0秒
燃費:17.5km/L
CO2排出量:-
乾燥重量:-
パワートレイン:直列4気筒1330ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5000rpm
最大トルク:24.4kg-m/1600rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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