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ニューモデル 2019.11.5

試乗 トヨタ新型カローラ/ツーリング セダンとワゴン 価格/サイズ/内装を評価

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どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

    【画像】新型カローラ試乗 全84枚

photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

各社各様に命名されているが、新世代プラットフォームの大まかな狙いは共通している。

設計や生産行程、部品の互換性を高めるのが目的であり、具体的にはコストダウン。と記すと利益率優先にも思えるが、ユーザー側にはコスパの向上というメリットがあり、理想論なら「ウィン・ウィン」の関係になる。

とは言え仕向け地によって事情が異なるわけで、国際市場向けの共通化は弊害も予想される。例えば日本のユーザーにとって日本市場に特化して開発されたほうがユーザーメリットは大きい。そこで重要なのがローカライズだ。

新型に生まれ変わったカローラシリーズの見所の1つは日本市場向けのローカライズにある。最も分かりやすい違いはホイールベースである。

ベースとなるプラットフォームはTNGA-Cだが、欧米仕様のセダン/ワゴン(ツーリング)に比べるとホイールベースは60mm短い2640mmとなっている。ショートホイールベースの5ドアHB(スポーツ)をベースに開発された日本専用のセダン/ワゴン車体なのである。

因みにTNGA-C車をホイールベース別にまとめると、2640mm仕様が国内向けカローラシリーズとC-HR、2700mm仕様がプリウスと欧米向けカローラセダン/ワゴンとなる。

言い方を換えるならTNGAがあればこそ日本市場に特化した新型カローラが誕生したわけだ。

サイズの話 全幅1745mm

ショートホイールベースの採用は言うまでもなく、短全長化による駐車場や狭路の取り回しへの配慮。セダンは全長4495mm、全幅1745mm、全高1435mm。

そこで気になるのが全幅だが、5ドアHBより45mm狭い1745mmとなっている。

ドア厚の変更によるものだが、側面衝突やウインドウ収納性を維持するため、小径肉厚サイドインパクトビームなどの薄型化を図っている。結果、プリウスよりも一回りコンパクトな車体寸法を実現している。

それでもなお大きく感じるなら、従来型(アクシオ/フィールダー)も継続生産されているが、グレード設定からしてもこれはフリートユーザー向けと考えるべきだろう。

嗜好的な要素や時代性も含めてユーザーの実情を汲み取った車両開発は正にカローラの伝統そのもの! なのだが少々深読みが過ぎるような印象も……。

どんな感じ? 後席の使い勝手

外寸は従来型(EXシリーズ)より一回り大きいが、キャビンは一回りコンパクト。

ラインナップの多様化とユーティリティ系の充実を背景にセダン/ワゴンが居住性や積載性を重視して選ぶモデルではなくなり、居住性の優先順位が下がったこともあるだろうが、衝突安全性の強化により衝撃吸収構造に寸法を取られるのも大きく影響している。

個人的な印象になってしまうが、ショートデッキでまとまったセダンの後ろ姿は可愛らしさがあってカローラ(花冠)の名に相応に思えた。

このデザインならフロントオーバーハングを詰めたほうがバランスがよさそうだが、前突安全の点から長くなってしまったとのこと。この辺りのデザイナーの苦労はフロントバンパー周りに見て取れる。

ただし、寸法的なゆとりはともかくとして、後席乗員の配慮はトヨタの伝統を継承。サイドウインドウからの見晴らしや乗降時の頭抜けなど使い勝手や居心地の要点を押さえた設計。ゆったりとした座り心地のシートもあって、長距離走行にも不足はない。

セダンの矜恃と言っては大袈裟だが、セオリーを守った設計は好感が持てる。

新型の走り こう理解しよう

走りの実力だが、まずは新型カローラの走りのキャラ付けを理解するのが肝要である。

ざっくり分類すればセダンがコンフォート、5ドアHBがスポーティ、ワゴンがその中間設定。グレード展開ではW×B(セダン/ワゴン)とZ(5ドアHB)がスポーティ設定となる。

スポーツ度で言えば5ドアHB・Z、ワゴンW×B、セダンW×B、5ドアHB標準系サスの順番。

この違いは車体形状や車重などの問題ではなくサスチューンの差である。また、フレーム剛性面で不利になるワゴンはW×Bのみリアサス近くにブレースを追加し、捻り剛性をセダン相応とした。5ドアHBのサスチューンも変更が加えられ、全車とも改良型サス仕様である。

そこにパワートレインの違いが乗り味にも影響し、「カローラの走り」と一言でまとめるのが難しいほど多彩な走りを揃えていた。

試乗 セダンのS

ガソリン1.8Lを搭載したセダンS(写真赤)は最もコンフォート寄りの設定だ。

パッチ路あるいは波状路での突き上げ感も少なく、細かくよく動くフットワーク。ただし、よく言えば軽やかだが、どっしりとした落ち着きに少々欠いている。

アクシオやプレミオに似せた味付けとも思え、こういったフットワークで気になるのが高速安定。

ところが街乗りで得た印象とは異なり高速操安が存外にいい。

高速コーナリングではロールが深くなるほど前輪の接地感が高まり、加減速や路面のうねりで方向性が乱れることもない。高速コーナリングからの急制動も躊躇なくできる安心感のある操縦性である。

高速直進性も良好だが、注目点の1つが操舵感だ。

ハンドリングの作り込み

中立付近のSAT(セルフアライニングトルク)が適切であり、中立を維持しやすく、路面反力も適度だった。

とてもいい感じなので、その旨を開発者に聞いたところ電動パワステのセルフセンタリング制御を行っているとのこと。こういった運転感覚の芸の細かさも新型カローラである。

パワーフィールは正直なことを言えばちょっと古臭い。スロットル大開制御などで巡航回転数を下げる、いわゆる今風の制御特性。ほかの1.8L車と比較してもドライバビリティも余力感も水準以上なのだが、RAV4などに搭載されるダイナミックフォースエンジンに比べれば踏み込み直後の反応が鈍く、回転も上昇しやすい。

あくまでもトヨタ車相対だが、そのため半世代前の印象を受けてしまう。好意的に捉えるなら慣れ親しんだドライブフィールと今風の制御のウェルバランス、先進感を求めるならハイブリッドをということだろう。

なお、セダン/ワゴンにも1.2Lダウンサイジング・ターボが設定されているが、6速MTのみの設定となり、グレードもW×Bに限定されている。

試乗 WxB スポーティモデル

前述したとおりW×Bはセダン/ワゴンに設定されたスポーティモデル。専用のサスチューンに215/45R17を履いている。

ワゴンのハイブリッド車でW×Bと標準系サスのSを乗り比べてみたが、予想以上にW×Bの乗り心地がいい。215/45サイズと言えばタイヤのハイトは100mmを下回る。当然、タイヤの縦バネは硬くなり、ふつうならガツガツと路面感覚が強くなる。そういった荒さが少ないのだ。

入力に対するストローク量では明らかにW×Bが硬く、基本操縦特性は共通しているものの操舵初期から前輪に荷重を掛けて回り込む感覚がスポーティモデルらしい。

セダンと比較すれば前輪の接地感が高まっているが、やはりSは標準系らしくよく言えば穏やかだが、ちょっと緩い操縦感覚。W×Bは高速ツアラーらしい硬さを持ったアシなのだ。

新サス 劇的な効果

ところがこういったサスやタイヤが苦手なパッチ路でも角張った突き上げが少ない。

5ドアHBのZで新旧サスを乗り比べてみたが、面取りされた突き上げ感とでも言うか、上下動の量は同じでも頭部を揺するような衝撃のピークが新型は大幅減。

曰く、ごく速いピストンスピードでの減衰力の低減と伸び側と同等まで高められた縮み側減衰力によるもの。たった、それだけで? と思えるほど差は劇的だった。

この乗り心地向上手法は全モデルに採用されているのだが、元々のサスチューンや装着タイヤの違いからハードサス仕様になるほど効果的。

W×Bのフットワークは原則的には高速ツーリングやハイアベ山岳路走行での操安を重視するドライバー向けだが、同乗者視点でも内外装仕様を気に入って選んだユーザーでも我慢を強いるほど厳しい乗り心地ではない。

ハイブリッドのメリット

パワートレインはプリウスやC-HRと同型のハイブリッド。高速や登坂の加速ではシリーズ式の側面が出てエンジン回転数が上がり気味だが、低速から高速までゆとりある動力性能を発揮。

浅いペダルストロークでの細かなコントロールにも力強く反応し、街中から高速等々で網羅的に扱いやすく、ドライブフィールからも上級設定らしいパワートレインである。

ハードウェア面の新味はなくなってしまったが、ハイブリッドの定番にしてトップレベルの性能を有する。

もう1つハイブリッド車のメリットを付記すれば、車重や重量バランスが変わっているが操安性は変わらず、多少のレベルだが乗り心地に重質な味わいが加わる。つまり、動力性能面だけでなく、フットワークでも上級設定車らしさを感じられるわけだ。

ユーティリティ面では5ドアHBより荷室奥行きが増加しているが、一昔前のショートワゴン的な荷室容量。

もっとも、リアオーバーハングが短いのは昨今のワゴンでは標準的。内装の質感やシートの座り心地は向上しているが広さで進歩していないのはセダン同様である。

「買い」か?

ロードノイズが目立つとか価格設定が従来車よりも1クラス以上上がったとか、気になる部分もある。しかし、国産車ではトップレベルの安全&運転支援機能や、安心感が高く扱いやすい走りなど、総じて良識的かつ良質なモデルである。

流行りのスポーティ&プレミアム志向に傾倒していないのも好印象。「小さくても立派に見える」から脱皮したのは新生カローラの見所であり、個人的には今の国内市場の動向にも合致していると感じられた。

それはいいのだが、カローラの中から何を選ぶかが甚だ悩ましい。

ボディタイプに応じてコンフォートとスポーティのバランスが異なり、パワートレインによる先進感も含めたドライブフィールの差もある。

トヨタ・セーフティセンスを筆頭に標準装備が充実しているので標準系かW×B(Z)か等々のグレードやOP選択も悩ましい。

OPの考え方

DA(ディスプレイオーディオ)とDCMは標準装着され、ナビへの展開は3通り。これも悩み所。初期投資で一番経済的なのはDAに実装されているSDL対応機能でスマホとリンクしてLineカーナビなどのSDLアプリを用いる方法。

次いで、ディーラーOP設定のエントリーナビキット(税込6万6000円)で、これはスタンドアローンのナビ。同じくディーラーOPのTコネクトナビキット(税込11万円)は単独で使えるナビにTコネクト機能を付加。このシステムではアップルカープレイやアンドロイドオートとの連携も可能となる。

ディーラーOPナビキットの価格設定も手頃であり、車両価格を考えると機能的にカバーレンジの広いTコネクトナビキットを選ぶのが無難な気もする。

この悩ましさは、個々の趣味志向や経済状況に応じた最適な選択のしやすさ。国内市場向けにローカライズされたのが新型カローラの特徴だが、シリーズ構成はパーソナライズを狙った設定でもある。マイベストカローラ探しも新型の魅力である。

新型カローラ/ツーリングのスペック

トヨタ・カローラS(セダン/FF)

価格:213万9500円
全長×全幅×全高:4495×1745×1435mm
ホイールベース:2640mm
燃費(WLTCモード):14.6km/L
車両重量:1300kg
エンジン:1797cc直4
使用燃料:ガソリン
最高出力:140ps/6200rpm
最大トルク:17.3kg-m/3900rpm
ギアボックス:CVT

トヨタ・カローラツーリング・ハイブリッドWxB(ワゴン/FF)

価格:279万9500円
全長×全幅×全高:4495×1745×1460mm
ホイールベース:2640mm
燃費(WLTCモード):25.6km/L
車両重量:1390kg
ドライブトレイン:1797cc直4+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):98ps/5200rpm
最大トルク(エンジン):14.5kg-m/3600rpm
最高出力(モーター):72ps
最大トルク(モーター):16.6kg-m
ギアボックス:電気式無段変速機

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