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ニューモデル 2019.10.23

航続距離339km プジョーe-208 GT 既に仕上がりは好印象 乗り心地は要改善

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ガソリンやディーゼルと並列のEV

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

    【画像】208にルノー・ゾエ、ホンダe 全119枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


クルマのコンセプトはシンプル。ダウンサイジング・エンジンではなく、電気モーターで走る新しいプジョー208だ。

アピアランスの主張も強くはない。ルノーのゾエやフォルクスワーゲンのID.3など、自動車メーカーがEVをリリースする際、既存モデルとは異なる、まったく新しいクルマを作り上げる場合が多い。ID.3には、ポロとは異なるデザインと構造に加えて、サブブランド名も与えられている。

一方でプジョーe-208の場合は、通常の208と同じプラットフォームがベース。エクステリアやインテリアのデザインも同一で、同じ生産ラインで生み出される。違いとしては、EV化のために大きなバッテリーを搭載する都合上、リアのトレッドが広げられサブフレームが強化されていることくらい。

プジョーが構築した戦略もシンプル。目を引くデザインで多くのドライバー候補をディーラーへと引き寄せ、生活や志向にあったパワートレインを選んでもらう、というもの。多くはガソリンになるだろう。長距離を定期的に走るのなら、24.7km/Lの燃費を誇る1.5Lのディーゼルという選択肢もある。

電気モーターが良いと思えば、このe-208が控えている。紙面上の性能は充分良く見える。リチウムイオン・バッテリーの容量は50kWh。航続距離はより実環境に近いWLTP値で339km。平均的なドライバーなら、週に1回充電をすれば充分にまかなえるだろう。

100kW急速充電器にも標準対応

充電時間は、家庭用コンセントから行うと20時間ほどが必要。7kWの充電容量を持つ充電器があれば、8時間に短くなる。高性能な急速充電を用いれば、空の状態から80%の充電率まで、1.5時間で完了するという。

e-208は標準で100kWという高い受電容量に標準で対応しており、短時間化を実現しているのだ。ポルシェの場合、14万ポンド(1862万円)もするのに、100kW充電へ対応するにはオプションを選ばなければならない。

EVを選ぶ際、最も気になるのが航続距離と価格との関係性だが、ライバルのクラスメイトと比較をしてみよう。ルノー・ゾエの場合、52kWhのバッテリーで394kmが走れ、価格は2万5670ポンド(341万円)。価格はe-208よりも安く、走行可能な距離は長い。

フォルクスワーゲンのID.3は、中間グレードの58kWhバッテリーモデルの航続距離は420km。だがフランス生まれの両車より価格は高くなる。一方で日本からリリースされるホンダeは不思議なほどに距離が短い。価格は2万6000ポンド(345万円)以上といわれているが、航続距離はわずかに218km。

英国にはプジョーe-208と基本的なハードウェアを共有するボクソール(オペル)・コルサ-eもある。2020年4月の発売で、価格は2万6790ポンド(356万円)となる見込み。突然コンパクトカーのEVモデルが増えることになる。

まだプジョーe-208は調整が仕上がっていないプロトタイプということで、試乗も短時間だった。英国でしっかり試乗する機会を得るまでは、しっかりしたレポートは難しい。

快適で落ち着きのあるインテリア

インテリアは量産まで変更の可能性は低く、とても良くできている。トップグレードとなる「GT」は、価格はおよそ3万ポンド。人気となるであろう、アリュールにはない内装トリムが与えられている。だが内装トリムを問わずインテリアは魅力的で、ストロングポイントとなるはずだ。

車内は落ち着きがあり快適。デザインは個性的な部分もありつつ、プラスティック製パーツにはゴムで表面処理が施され上質感を与えている。シートなどにはコントラストが鮮やかなステッチが入り、2層構造の3次元モニター式インスツルメント・パネルも目を引く。

このe-208にも、低い位置に小径のステアリングホイールが配された、iコクピットが採用されている。プジョーによれば、オーナーの大多数はこの運転環境を気に入っているという。

人間工学的に、低速度で走らせている限りはさほど不満はない。だがスピードの上がる郊外に出ると、直径の小さなステアリングは操作感にムラを感じるし、背が高いドライバーの場合、メーターが見にくいと感じるだろう。

どうしてもiコクピットが気に入らなければ、英国ならボクソール・コルサ-eも選べる。通常のステアリングとメーターとの組み合わせで、基本的に走り味はe-208と同等のものなはずだ。

走行性能は概して良好ながら、350kgもの重量があるバッテリーが生む慣性は大きく、常にその存在を実感させられる。電気モーターは135psと30.4kg-mという力強さで、このカテゴリーとしては充分に速いと呼べる性能を持っている。

加速は鋭いが増えた車重の慣性は明確

0-100km/h加速は8.1秒でこなし、48km/hに到達する時間も約2秒。静止状態からの加速は印象的なもので、都市部での運転でストレスを感じることはないだろう。ドライブモードをスポーツにすると鋭くなり、エコにするとやや穏やかにはなる。もっとも、EVは全般的にスタートダッシュが得意分野だけれど。

ダイナミクス性能の面はほどほど。サスペンションは引き締められ、流れるような身のこなしといえる滑らかさは得られていない。1455kgの車重を持つコンパクトカーのサスペンションを仕上げることは、難しい課題のはず。乗り心地と姿勢制御とのスイートスポットを見つけるのは、至難の業だと思う。

e-208はスプリングレートを上げダンパーの減衰力を強めた設定で、姿勢制御は良好だが、乗り心地が犠牲になっている。英国や日本の地方に住んでいるドライバーにとって、納得できる乗り心地といえるだろうか。ゼロ・エミッションのホットハッチという見られ方はされるかもしれない。

今回の試乗はポルトガルで、路面はやや荒れている区間が多かった。明確にサスペンションは突っ張り、コーナリング中は舗装のうねりなどに逐一反応。一定した落ち着きは感じられなかった。

乗り心地以外のe-208は好印象だから、少しもったいない。ステアリングの操舵感はエンジンモデルより重さを感じられ、反応に落ち着きが加わり、満足感のある自然な進路変更を味わわせてくれる。アクセルペダルの操作感も良好で、得られる加速もリニアだ。

全体的な仕上りは既に好印象

ブレーキペダルの方はもう少し調整が必要そうだ。回生ブレーキの効きの強さは2段階が用意されているが、どちらの減速加減も、よく練られているように感じる。強力な回生ブレーキの設定を選べば、アクセルペダルだけでe-208を運転できるようにもなる。EVらしい機能でもあり、すぐに慣れるだろう。

バッテリーの形状もよく考えられており、エンジンモデルと比較して後部座席の足元空間や荷室が狭くなっていない点も素晴らしい。マイ・プジョーと呼ばれるスマートフォンのアプリを利用して、クルマの充電状態を確認し、遠隔で充電できる機能も備えている。

乗り心地に関しては、実際に英国の道を走らせてみないと判断はできない。また2020年の発売までに、微調整を加えていくとしている。

2020年にはe-208と同価格帯のコンパクトEVが複数台リリースされる見込み。AUTOCARではライバルモデルを揃え、グループテストを早々に行いたいと考えている。

航続距離は平均的ながら、エクステリアもインテリアもデザインは魅力的。エンジンモデルと比較して車内空間が犠牲になることもなく、100kWの急速充電器にも標準で対応する。現時点ですでにe-208の仕上がりは好印象だ。

プジョーe-208 GTのスペック

価格:2万9650ポンド(394万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.1秒
航続距離:339km(WLTP)
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:1455kg
パワートレイン:交流同期モーター
バッテリー:50kWhリチウムイオン
最高出力:139ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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