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0-100km/h加速は2.5秒、最高速度340km/hの史上最強スペック!すべてが革新的なフェラーリ初の量産型PHEV「SF90 Stradale」

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0-100km/h加速は2.5秒、最高速度340km/hの史上最強スペック!すべてが革新的なフェラーリ初の量産型PHEV「SF90 Stradale」

フェラーリ初のPHEV「SF90 Stradale」が日本デビュー!

今年5月29日に、フェラーリ初の量産型PHEV(プラグインハイブリッド)「SF90 Stradale(SF90ストラダーレ)」が、イタリア本国で発表されたのをご存知の方も多いだろう。

総排気量3902cc、最高出力720cv!フェラーリ史上最もパワフルなV8エンジンを搭載した「F8 Tributo」

フェラーリのレーシングチーム、スクーデリア・フェラーリの創立90周年記念モデルでもあるこの「SF90 Stradale」は、F1で培われた技術を惜しみなく投入した革新的なモデル。

そんなフェラーリ史上最強のモデルともいわれている「SF90 Stradale」が、早くも日本で初披露された。

ということで、今回は、10月9日に行なわれたジャパン・プレミアの様子とともに、そのパフォーマンス、テクノロジー、デザインなどについてレポートしたい。

フェラーリの未来を占う史上最強スペックの革新的なクルマ

発表会では、フェラーリ極東・中東エリア統括CEOであるディーター・クネヒネル氏が登壇。「SF90 Stradaleは、F1技術による史上最も革新的なフェラーリ。パフォーマンス主義であり、美を愛し、何よりも最高を求める生粋のフェラリスタのために開発しました」と、開発のコンセプトを語った。

そして、いよいよ「SF90 Stradale」が姿を現した。今回披露したのは、「Assetto Fiorano(アセットフィオラーノ)」と呼ばれるスポーツタイプで、フェラーリとして初めて、標準仕様車とスポーツ仕様車のふたつのバージョンをラインナップ。

「Assetto Fiorano」は、随所にカーボンファイバーやチタンなど高性能素材を採用し、30kgの軽量化を達成。さらに、速度250km/hで390kgのダウンフォースを発生する専用カーボンリアスポイラーに加え、専用アルミ製ダンパーとチタン製スプリングなど、スポーティーな走りにさらに磨きをけているとのこと。

そのボディーサイズは、全長4710×全幅1972×全高1186mm、ホイールベース2650mm。乾燥重量は、1570kg(Assetto Fiorano)で、前後重量配分はフロント45%:リア55%。

スタイリングも斬新で、360 Modenaで確立されたミッドシップのプロポーションとは決別し、前後のオーバーハングを切り詰めた力強いフォルムとなっている上、ウイングとして機能するフロントの2分割バンパーなど、未来を予感させるものとなっている。

パワートレインには、最高出力780PS/7500rpm、最大トルク800Nm/6000rpmを発生する4リッターV8ツインターボエンジンをミドシップに搭載し、さらに最高出力220PS(162kW)を発生する3基のモーターを組み合わせて、ハイブリッドシステム全体として最高出力1000PSを実現。

駆動方式は、フェラーリのスポーツカーとして初めてのモーターを組み合わせた4WDで、2基のモーターがフロントアクスルに搭載され左右前輪を個別に駆動し、RAC-e(電子コーナリング・セットアップ・レギュレータ)によりトルクベクトリングを行なう。そして、エンジンと新開発の8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の間に搭載された1基が、F1由来のMGU-K(モーター、ジェエレーターユニット、キネティック)で、リアホイールを駆動。

そのパフォーマンスも強烈で、0-100km/h加速は2.5秒、0-200km/h加速は6.7秒、最高速度は340km/hで、100km/hからの完全停止距離は29.5mだという歴代モデルを超える史上最強のスペック。

しかし驚くべきは、そんな強烈なパフォーマンスを持ちながら、完全電動のeDriveモードでは、2基の前輪モーターのみで25kmの走行が可能で最高速度も135km/hを実現。また、後退はeDriveモードのみで行うためV8エンジンを使わないとのこと。それを可能とするリチウムイオンバッテリーの容量は、7.9kWhとなっている。

ちなみに、「Assetto Fiorano」に装着されているタイヤは、専用に開発された「ミシュラン パイロット スポーツカップ2」で、前輪が255/35ZR20、後輪が315/30ZR20サイズとなっている。さらに最近、高熱による変色にも強いと評判のイエローのキャリパーが、目を惹く。

「視線は路上、手はステアリングホイール」という思想のインテリア・レイアウト

コックピットは、空気抵抗の低減を図るべく、これまでよりも前面投影面積が小さくなり、位置が車体前方に移動しているが、乗車時の快適性は一切犠牲にしていない。

また、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)とインテリアのコンセプトを一新。ステアリングホイールに配されたタッチパッドとハプティック(触覚フィードバック)ボタンにより、親指だけで車両の様々な機能を制御できるようになった。

また、中央のインストルメントパネルは、フルデジタル化され、ステアリングホイールに設置したコントローラーで全ての設定、操作ができる16インチの世界初となる曲面HDスクリーンを採用。

センターコンソールには、8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)のシフトスイッチを中心にハザード、両サイドのパワーウィンドウのスイッチなどが備わっている。

フロントにあるトランク容量は、74Lとのことで決して大きいわけではないが、ふたり分の手荷物を収納するには充分使えそうだ。

「SF90 Stradale」の価格は5340万円となり、スポーツ仕様の「Assetto Fiorano」はオプションとして用意され、価格はプラス570万円ほどの設定が見込まれている。ただし、デリバリー開始時期など、詳細はアナウンスされていない。

まとめ

さて、ハイブリッドカーとしては、限定車であるラ フェラーリに続き2車種目となる量産型PHEVの「SF90 Stradale」。欧州では内燃機関だけで走るクルマの新車販売に対する期限が迫ってくる中、フェラーリとしても新たな方向性を模索しなければならないのは、よくわかる。

ただし、これほどまでにフェラーリが確立した世界観に於いて、音のしない「SF90 Stradale」が、走っている姿を想像できるだろうか?いや、決して官能的な音を奏でながら走るクルマがいいという意味ではない。フォーミュラEのような、静かで速いスマートな世界観もあるからだ。

これからフェラーリは、長い歴史の中で築き上げてきた強烈な世界観を一旦リセットして、新たなスタートを切る必要に迫られている。その第一歩となるクルマが「SF90 Stradale」ではないだろうか。

関連情報
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/sf90-stradale

取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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