現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ジャガー・ランドローバーが英国に大規模開発拠点を新設する理由

ここから本文です
ニューモデル 2019.10.12

ジャガー・ランドローバーが英国に大規模開発拠点を新設する理由

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

排出ガス、事故、渋滞をゼロに

敷地面積400万平方メートル。サッカー場に換算するとおよそ480面にもおよぶ広大な土地に、ジャガー・ランドローバーは最新鋭の開発拠点を開設した。

    ジャガー・ランドローバーが英国に大規模開発拠点を新設する理由

「アドバンスド・プロダクト・クリエーション・センター」と呼ばれる施設には、約1万3000人のエンジニアやデザイナーが働く。この施設が目指すのは、「エミッションゼロ」「事故ゼロ」「渋滞ゼロ」の未来。ACES(Autonomous=自動化、Connected=コネクテッド、Electric=電動化、Shared=シェアリング)を見据え、自動運転やEVなど未来の自動車を開発する拠点となる。

デザインとエンジニアリング、製造購買部門を集約した大規模開発拠点の設置は、ジャガー・ランドローバー史上初。スケッチ段階からショールームに至るまで、すべての車両開発プロセスで従業員同士がスムーズに協業できる。それが狙いという。施設内には「ジャガー・デザイン・スタジオ」も新設。ジャガーとランドローバーのデザイン部門が同拠点に併存するのも初めてのことだ。

施設自体もサステナブルに

サステナブルな自動車づくりを行なう「アドバンスド・プロダクト・クリエーション・センター」は、施設自体も持続可能性を意識した作りになっている。英国の商業用ビルの中で、最もサステナビリティ性に優れた施設の上位10%に含まれるという評価を獲得。使用エネルギーの最大20%は屋上に設置した約3000平方メートルの太陽光パネルから賄い、残りは100%再生可能な資源に頼る。英国コーンウォール州に建つ複合型環境施設・エデンプロジェクトと同様のガラス技術を採用し、建物の中へ自然光を最大限取り込むことでエネルギー効率も高めた。

従業員の健康と幸福、生産性の向上を目し、ワークスペースの中心には自然を感じられる植栽を配置。建設時の掘削で生じた8万平方メートルの天然土壌(オリンピックスケールのプール30個分に匹敵)を再利用したもので、生態学的にも豊かな自然環境が作り出されるという。

ジャガー・ランドローバーは、2020年以降の全モデルに電動化パワートレインを設定すると公言している。今回の「アドバンスド・プロダクト・クリエーション・センター」の開設に続き、英キャッスル・ブロムウィッチにある自動車製造工場を、英国初のプレミア電動モデル生産工場にする計画だ。ジャガーの次世代フラッグシップサルーン「XJ」をはじめ、様々な新型電動モデルがここからラインオフすることになる。

世界最大の「高付加価値車両」の生産地

生産ラインで働く従業員の筋骨格系障害を防ぐための人間工学に基づいた3Dプリント・グローブや、温度差で右左折などのタイミングをドライバーに知らせるセンサー付きステアリングホイール、廃棄プラスチックを高級車部品材料へリサイクルするプロジェクトなど、安全や健康、クリーンな社会を目指してジャガー・ランドローバーは様々な取り組みを実施している。ミュンヘンでは、フルEVのIペイスをタクシーとして稼働し、次世代の交通・車両のための知見を収集中だ。

EU離脱問題(ブレグジット)や、環境に優しい代替燃料車や電動化の推進にともない、現在英国では自動車産業全体に大きな変化が起こっている。2010年から2016年にかけて英国内の自動車産業は順調に成長し、2016年には過去17年間で最高の182万台という生産台数を記録した。

英国自動車製造販売者協会(SMMT)が2017年に公開した「2017年高付加価値車両製造セクター調査(Specialist Car Manufacturers Report 2017)」によれば、スポーツカーや高級リムジン、EVタクシー、車椅子で乗車できる自動車などを含めた英国の「高付加価値車両」の製造は世界最大だ。

英国にはジャガー・ランドローバーをはじめ、ロールス・ロイス、ベントレー、マクラーレン、アストンマーティンなどの生産拠点が集まる。生産数は限られているし、自動車生産台数では世界第13位だが、金額ベースではより上位に入るといわれている。そのなかでも、英国における完成車メーカーの2016年の実績をみると、2位の日産を4万台も上回る54万4401台を生産し、台数トップに立っているのがジャガー・ランドローバーだ。

さらに英国はサプライチェーンの競争力改善にも力を入れており、英国自動車協議会の調べによると、国内のティア1サプライヤーから調達した部品の比率は拡大を続けているという。国内調達部品の割合がもっとも高いのもジャガー・ランドローバーで、2016年3月に同社が英国自動車協議会サプライチェーングループに提出した資料によると、ジャガーのXE、XF、Fペイスは、国内調達率が55%にのぼる。

英国の自動車産業にとって、かくも重要な足場を築いたジャガー・ランドローバーがこれほどの開発拠点を国内に新設するという意味は、英国、欧州のみならず、自動車業界全体に大きな波紋を及ぼさずにはおかないはずだ。ここから生まれる新製品はあらゆる意味で注目を浴びるだろう。待望の新型ディフェンダーのデザイン、エンジニアリングはゲイドンで行われている。デビューは2019年末の予定だ。

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(GENROQ Web 三代やよい)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します