3番目のボディバリエーション
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)先代の6シリーズ・グランクーペと置き換わるかたちで、8シリーズ・グランクーペがBMWから登場する。アウディA7やメルセデス・ベンツCLS、ポルシェ・パナメーラなどが熱戦を繰り広げる、ラグジュアリー・グランドツアラーへのBMWによる最新の回答だ。
新しい8シリーズとしてはクーペとカブリオレに続く3番目のバリエーションで、8シリーズのランナップが出揃った。今回試乗したのは後輪駆動モデルだったが、4輪駆動の840d xドライブと、M850i xドライブも用意される。大ヒットの予感もあるM8グランクーペも近日中に登場予定となっている。
エクステリアデザインは、2ドアクーペと共通する雰囲気だが、ホイールベースは201mmも延長。A7やパナメーラとは異なり、CLSのように独立したラゲッジルームが備わる。ボディ後半の剛性確保の面でも有利だ。
ダッシュボードはクーペやカブリオレと共通。運転席の着座位置は低くめられ、高いルーフラインと相まってヘッドルームには余裕がある。リアシートへは、大きなリアタイヤのホイールアーチがあり、少し乗り降りにしくい。
座ってしまえばそれぞれのシートには十分な空間が確保され、ヘッドルームも広い。大人も座れるちゃんとした4シーターだ。ラゲッジスペースは440Lの大きさがあるが、5シリーズのサルーンより90Lも小さい。
BMWらしいダイナミクス性能
ターボ過給される3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジンは、850iが搭載する4.4LのV8ターボほどパンチ力はないが、とても魅力的なユニット。低回転域から力強く柔軟で、中回転域での質感にも優れ、トップエンド目掛けて気持ちよく吹け上がる。高速道路でも洗練された質感は変わらず、堂々としながら邪魔にならない排気音が心地良い。
8速ATの振る舞いは、マニュアルモードでも素早くスムーズ。ブレーキにはエネルギーの回生機能が付き、ドライビングモードの「エコ・プロ」では、長時間アクセルペダルに力がかからない状態が続くと、エンジンがアイドリング状態に。燃費の向上が期待できる。サスペンションは、シンプルなスチールコイルだ。
ダイナミクス性能に関しては、BMWの面目躍如。BMWのインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングには後輪操舵機能も備わり、大きなクルマながら、取り回しはずっと小さく感じられる。ステアリング操作に対する重さも自然で、切り込むにつれて適切な手応えを感じられるから、狭い道でも大きなBMWを操る不安感がない。
スポーツモードとスポーツプラスモードではダイレクト感が増すが、コンフォートモードでのダイレクト感と重み付けのバランスも素晴らしい。車重は1800kgもあるが、BMWらしい機敏な身のこなしが可能。優れた姿勢制御とグリップ力を持ち、走行時のバランスも秀逸だった。
8シリーズの中でのベストバランス
リアタイヤにはアクティブ・ロック機能の付いたMスポーツ・ディファレンシャルが備わり、ドライバーの期待通り、積極的に意のままに走らせることもできる。懐の深いシャシー・セッティングで、カーブの続く区間でも満足感の高いドライビングが味わえるだろう。
ホイールベースが伸ばされ、アダプティブダンパーが備わる840iグランクーペは、2ドアクーペと比較して、路面からの入力に対しても落ち着いた滑らかな乗り心地を提供してくれる。高速走行時のスタビリティも高く、長距離クルーザーとして相応しい完成度を得ているといえるだろう。
BMW 8シリーズ・グランクーペの訴求力は高い。パフォーマンスだけを見れば、ラグジュアリー4ドアクーペの中で秀でた数字を持たないことは確かだが、プレミアムブランドとして無視できない素性を備えている。
特に魅力的なのが6気筒エンジンの味わいと、ドライバーも満足できる優れた操縦性。メルセデスAMGのようなホットロッド感はないが、新しい8シリーズの中で最もバランスに優れたモデルだといえる可能性は高い。
BMW 8シリーズ・グランクーペ840i sドライブのスペック
価格:6万9340ポンド(922万円)
全長:5082mm
全幅:1932mm
全高:1407mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:13.8km/L
CO2排出量:164g/km
乾燥重量:1800kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:341ps/5000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1600rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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マツダのETC取り付け位置に唖然……色々あってフツーの場所なったけど戻した方がよくね??
併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!
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