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ニューモデル 2019.9.16

306psにパワーアップ ミニ・クラブマン・ジョンクーパー・ワークス 試乗

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BMW M135iと同じ306psエンジン

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)フェイスリフト以上の中身を獲得したといって良い、ミニ・クラブマンのジョンクーパー・ワークス(JCW)。目立つフロントスプリッターを装備し、より多くの空気を吸い込めるようになったバンパーやヘッドライトの変化は、好みの分かれるところだと思うが、見過ごせない内面の進化を得た。2016年の試乗で退屈だと酷評された231psの2.0Lエンジンが差し替わり、新エンジンを獲得したのだ。実はミニのエンジニアもそのことはわかっていたようで、JCWは名前だけだ、と漏らしていた。

    【画像】ミニJCW各モデルとEVのSE 全94枚

新エンジンも2.0Lの4気筒には変わらないが、最高出力は大幅に引き上げられ、306psに達している。この数字に見覚えのある読者もいるかもしれないが、それは正解で、プラットフォームも共有し前輪駆動となったBMW M135iと同じユニットとなる。その結果、これまで製造されてきたミニのモデル群の中で、最もパワフルなクルマが誕生した。

もちろん単なるパワーアップだけにはとどまらず、最も熱いクラブマンには、フロントキャンバー角が改められ、より剛性の高い足まわりに、サスペンションのスプリングレートやダンパーの設定も見直されている。リアブレーキには4ポッド・キャリパーが奢られ、ボディ剛性も高められたほか、エグゾーストシステムも新しいものになった。

エンスージアストの食欲を刺激するには十分なアップデートの内容だが、以前のJWCが備えていたパフォーマンスを考えると、これくらいは手を加える必要があったのだろう。フェイスリフト前のJCWは価格の割に標準のクーパーSを明確に凌駕するほどの性能は得られていなかったのだから。

メルセデス-AMG A35と直線で伍する

その仕上がりは素直に喜べるもので、同価格帯での最大のライバル、メルセデス-AMG A35と直線スピードで伍する性能を獲得することができている。2.0Lターボが発生する306psのパワーがあれば、0-100km/h加速で5秒を切ることも可能。空いたアウトバーンなら、249km/hまで引っ張ってリミッターを効かせることもできるようになった。さらにスピードが伸びる余地もあるようだった。

トランスミッションは8速ATで4輪を駆動するから、フォルクスワーゲン・ゴルフR並みに、平然と容赦ない効率でクルマを加速させる。痛快に蹴飛ばされるような鋭さと、パンチの聞いたトップエンドの伸びを味わえ、明確にクーパーSよりも速い。

エグゾーストノートも、ヒュンダイi30Nほど笑顔が溢れるものではないものの、明らかに刺激のある音響に生まれ変わった。試乗車はATだったが、MTを組み合わせれば、さらに音質の変化やシンクロするスピード感を楽しむことができるはず。

足まわりもかなり手が加えられているが、ミニのエンジニアは、クルマのハンドリング性能に関しては根本的に改めるつもりはなかったと話している。つまりマイナーチェンジ後も、安定性の高いグリップレベルと安定したボディコントロール性を保持しており、自由に振り回せるエンターテイメント性は薄い。過度にレスポンシブなステアリングフィールには、慣れるまでに少し時間がかかるだろう。

俊敏さはコンパクトなホットハッチ並み

だが、その破綻することのないグリップレベルのおかげで、JCWは鋭くコーナーへと食らいついていく。狙ったラインから外れることなく、先にミシュラン・スーパースポーツがスキール音をあげ始める。アクセルペダルを緩めても、機械式リミテッドスリップデフのおかげで、ラインが乱れることもない。

ミニのハンドリング特性は、漸進的にリミットが迫ってくるというより、突然限界に達するところがある。細かな修正を当てることなく、理想的なコーナリングラインを不安感なく縫っていくことがやや難しい。レスポンスが鋭く俊敏な身のこなしは、まるでひと回りコンパクトなハッチバックかのようにすら感じさせる。

一方でこの特性に慣れてしまえば、天候に左右されず、郊外の道をハイスピードで駆け回るのに適したドライビングスタイルが見つかるだろう。より安価な前輪駆動のホットハッチの方が、より純粋に楽しめる、という事実は常によぎってしまうが、真夏のドイツでコーナーの続く道を流れるように走らせる喜びは大きい。

ステーションワゴン・ボディのクルマという日常性の面でも、引っかかるところはある。試乗車にはオプションのアダプティブダンパーに、良心的な18インチホイールという組み合わせだったが、路面状態の良いドイツの道でさえ、低速走行時の乗り心地は緊張感が常に漂っていた。大きなくぼみなどでは、強い衝撃が伝わってくるほど。その引き換えとしての優れたボディコントロール性と、高速域でのダンピングの良さなのだが、しっかり判断するには英国に持ち込んで改めて確かめたいところだ。

JCWの名に恥じない熱々のクラブマン

クラブマンは6ドアという個性的なボディスタイルで、リアハッチは観音開きとなる。充分ファミリーカーにもなり得ると思うが、車内空間の広さで比較すると、ハッチバックボディのA35と比較しても特段広いわけではない。観音開きのリアドアは利便性で良いところもあるものの、後方視界には多少の犠牲もある。

価格は、改良前の231psモデルと比較して、英国では3000ポンド(39万円)ほどの上昇となっているが、増強したパワーを考えれば納得できる。非常に幅広いオプションリストで、好みの装備を付け加えているうちに、気がつくと4万ポンド(520万円)を超えてしまうこともあるからご注意を。

もしフォルクスワーゲン・ゴルフRやBMW M135iが選択肢として余りにもストレート過ぎると感じるなら、ミニ・クラブマン・ジョンクーパー・ワークスは検討しておきたいモデルだ。左ハンドルのみの設定ながら、今回のフェイスリフトによってぐっと魅力は高まった。

BMW製の親戚、M135iならエクステリアデザインの個性と引き換えに、洗練されたインテリアが付いてくる。ゴルフRは、JCWと同等のハンドリングの刺激を備えつつ、洗練された乗り心地を獲得している。このクラブマンJCWと同じパワーユニットを、実用性で勝るクロスオーバーでも選択できるようになった。

だがミニの他のモデルがそうであるように、クラブマンを好きになったのなら、その主観で選ぶべきなのだと思う。何しろ、JCWのエンブレムに相応しい、熱々のクラブマンが登場したのだから。

ミニ・クラブマン・ジョンクーパー・ワークスのスペック

価格:3万4250ポンド(445万円)
全長:4253mm
全幅:1800mm
全高:1441mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:13.4km/L
CO2排出量:169g/km
乾燥重量:1565kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps/5000-6250rpm
最大トルク:45.8kg-m/1750-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN ローレンス・アラン)

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