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試乗 レクサスRC(マイナーチェンジ車)の評価は? 350 Fスポーツ、ハイブリッド車300h

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試乗 レクサスRC(マイナーチェンジ車)の評価は? 350 Fスポーツ、ハイブリッド車300h

もくじ

どんなクルマ?
ー レクサスLCとRCの関係

【画像】試乗 レクサスRC マイナーチェンジ車 全46枚

どんな感じ?
ー 試乗 まずはFスポーツを試す
ー バージョンL/HV仕様と比較

「買い」か?
ー カップルズ・ツアラー
スペック
ー 改良新型レクサスRCのスペック

どんなクルマ?

レクサスLCとRCの関係

現行RCの初試乗時「レクサスの走りが変わる」と直感した。RC登場の直前にNXが発売され、そこでも同様の印象を受けたものの、NXはSUVであり、ファミリー&レジャー用途を主軸にした結果とも思えた。RCに乗ってそれが間違いだったことに気付かされた。

RCはSC(Z40型ソアラ)の後継に位置する上級クーペ。しかも、セダン系でもハイパフォーマンス&スポーティを前面に押し出すレクサス、クーペならば尚更だろうと思っていたが、予想に反してスポーツ&ラグジュアリーの均整がとれたモデル。走りにおける高性能とスポーティと快適のバランス、カップルが心地よい時間を過ごすためのインテリアとプラスαの拡張性を備えたキャビンなど、良質なツーリング性能が印象的だった。

昨年10月末のMCでは2017年に登場したフラッグシップクーペ「LC」と共通した印象を与える外観変更、タイヤやサスペンションの主要部品を改良。さらに、2ℓターボの特性やステアフィールに至るまで見直しが図られている。要するに走りやデザインをLCに近づけた訳だ。と記すとキャラを変更したように思えるかもしれないが、そこは冒頭で述べたとおり。RCの延長上にLCが存在し、LC開発で得たデザインやハードウェアの進化をRCにフィードバックしたと捉えたほうがいい。LCもRCも見ている方向は同じなのである。

どんな感じ?

試乗 まずはFスポーツを試す

試乗車は300hバージョンL(写真赤)と350 Fスポーツ(写真白)。前者は2.5ℓ4気筒を核としたハイブリッド車であり、パワートレインはトヨタでいう「THS II」。シリーズ式とパラレル式の特徴を兼ね備えたスプリット式である。ただし、エンジン型式を見ても分かるように同じ2.5ℓハイブリッドだがクラウン用より一世代古いタイプ。後者のパワートレインは最高出力318psのV6のNA3.5ℓと8速ATの組み合わせ。Fスポーツのキャラとも似合いだ。

標準グレードに対してバージョンLはセミアニリン本革シートを採用するラグジュアリー仕様。ただし、主な快適装備は全グレードに共通しているので、内外装のグレードアップがメイン。一方、Fスポーツは専用のサスやブレーキなどのシャシー周りの強化が施され、3.5ℓの同仕様では後輪操舵システムを利用してライントレース性を向上させるLDHも装備。アルミ加飾を用いた専用内装も設定されている。

と記せば、走りもバージョンLとFスポーツで相当異なるのでは?と思うだろうが、RCの主題を損ねない範囲での拡張に留まる。

3.5ℓユニットのエンジンフィールは重質さや精度感で多少直6的な印象もあり、威圧感も加速ダレもなく回し切る高回転も心地よい。踏み込み大きく踏み増した時の瞬発力にもう少しキレが欲しいが、マニュアル変速で3000rpm以上を維持すれば素直で小気味よいパワーコントロールが楽しめる。迫力で高性能を演出しないのも好印象。

専用サスも同じ。硬さでスポーツ性を演出していない。ストロークを使ってグリップバランスの急激な変化を抑え、操舵を軸にした素直な操縦性を示す。神経質な挙動や反応がなく、クルマ任せで走らせていてハイアベレージが維持できてしまう。

バージョンL/HV仕様と比較

ただ、バージョンLと比較すると車軸周りの細かな振動がちょっと気になった。試乗車はOP設定タイヤを履き、装着タイヤサイズは共通。ブッシュ類とサスチューンの相性の違いと思われる。もっとも、直接比較すればこそ分かる差異。うねり路面の挙動の収まり等々のしっとりとしたしなやさで乗り心地の質感も高く、クルマに興味ない人も心地よく過ごせる。

バージョンLになると車軸周りの動きもしなやか。肌触りとも言える領域の乗り心地も向上。だからといって目立って柔らかいサスチューンではない。操縦感覚や挙動収束が多少緩いか程度で、けっこうな加減速を伴うコーナリングでも思いのラインに載せやすい。サーキット走行のように限界域でのコントロール性や連続高負荷での性能安定まで求めると相応の差が出るのだろうが、走りの方向性も味付け(特性)も同系のため公道走行では「コンフォート寄りorスポーティ寄り」くらいの違いと思えばいいだろう。

ハイブリッドは踏み増し時の初期加速応答は3.5ℓを上回るが、急加速ではエンジン回転の上昇わりに伸びやかさに欠く。ステップ変速の3.5ℓ車に比べるとエンジン回転数と車速変化にCVT的な印象もある。ただ、パワートレイン周りの遮音性に優れていることもあり、普通に走らせている時は極端なエンジン回転数の変化も少なく、山岳路も高速域も車格相応のパワーフィールを示す。上級ツーリングクーペには似合いである。

「買い」か?

カップルズ・ツアラー

このMCを一言でまとめてしまえば「正常進化」あるいは「熟成」である。RCについてはかなり気に入ってたので安心である。ただ、正常進化や熟成は基本コンセプトをがっちり踏襲するので新味がない。MC前の考え方やバランスを保ったままなので、大まかな評価では同じようになってしまう。例えばレーダーチャートで各項目1割アップでもチャートは相似形なので単独評価では変わっていないように見えるのと同じである。

クーペでは後席の実用性が高い。ふたりのプライベートタイムにはインテリアの雰囲気もサイズもほどよい。積極的に技を楽しむタイプではなく、高性能は運転する悦びと確かな信頼感をもたらす。カップルズ・ツアラーとしてのスタンスは微動だにしてない。

600万円級のクーペで買い得を云々しても仕方ないが、RCのコンセプトや嗜好を気に入ったならば価格以上の満足度を得られるだろう。また、この試乗はバージョンLとFスポーツだったが、どのグレードや仕様を選ぶかはちょっとした好みの問題。どのモデルを選んでも大人のためのカップルズ・ツアラーに変わりはない。

改良新型レクサスRCのスペック

レクサスRC350 Fスポーツ

■価格 707万円
■全長×全幅×全高 4700×1840×1395mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(JC08モード) 10.2km/ℓ
■車両重量 1700kg
■エンジン V型6気筒3456cc
■最高出力 318ps/6600rpm
■最大トルク 38.7kg-m/4800rpm
■ギアボックス 8速オートマティック


レクサスRC300hバージョンL

■価格 647万円
■全長×全幅×全高 4700×1840×1395mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(JC08モード) 23.2km/ℓ
■車両重量 1740kg
■パワートレイン 直列4気筒2493cc+モーター
■最高出力(エンジン) 178ps/6000rpm
■最大トルク(エンジン) 22.5kg-m/4200-4800rpm
■最高出力(モーター) 143ps
■最大トルク(モーター) 30.6kg-m
■ギアボックス 電気式無段変速

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