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ニューモデル 2019.7.16

ジープ ラングラーの最強モデル、 アンリミテッド ルビコンが見せる新境地

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Jeep Wrangler Unlimited Rubicon

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン

    ジープ ラングラーの最強モデル、 アンリミテッド ルビコンが見せる新境地

オフローダーの代名詞「ジープ」を特設コースで試す

ジープといえば「あぁ、アメリカのゴツいヤツね」といった具合に、日本でもすっかり認知された感のあるジープ・ブランド。エントリーモデルのレネゲードからチェロキー、グランドチェロキー、そしてアイコンともいえるラングラーまでラインナップの全てが大いにヒットしているといっていい。

初代のウィリス・ジープのDNAを受け継いだラングラーは昨年10月に新型が導入されているが、今回の主役は今年5月に発売が開始された最強バージョン「ラングラー アンリミテッド ルビコン」である。

ジープ ラングラーは知っていても、ルビコングレードを知る人は限られるだろう。これはBMWで言えば3シリーズ内におけるM3であり、レクサスにおけるFのようなもの。だがおもなアップグレード箇所は最高出力やインテリアの質感などではなく、もっぱらオフロードの走破性に的が絞られている。

「ルビコン」とは、ルビコントレイルと呼ばれるカリフォルニア州にある有名な悪路のこと。とてもクルマで走破できそうにない岩々な道が続くルビコントレイルはジープのオフロード性能を高めるための開発拠点であり、ジープ・ファンにとっての聖地でもあるのだ。

本物のオフローダーのみが名乗れる「ルビコン」

そんなタフなステージで磨き抜かれたラングラー アンリミテッド ルビコン(以下、ルビコン)の具体的な装備としては、究極のオフロード走行を可能にしたAWDシステムであるロックトラックフルタイム4×4システムと、フロントとリヤのデフを任意でロックできる電制のデフロック機構が挙げられる。

また電子制御式フロントスウェイバー(スタビライザー)ディスコネクトシステムによって走破性を高めているのもルビコンだけ。ちなみにロックトラックフルタイム4×4システムの肝となるのは副変速機のローギヤード化で、他のラングラーでは2.717という減速比だが、ルビコンでは4.000まで低められ、低いエンジン回転で岩場を走行するような際に役立つ。

ローモードを選んだ際のルビコンの最終減速比(クロールレシオ)は、実に79.2:1にもなる。極端な話、走行中のルビコンからドライバーが一度降りてスマホでその雄姿を撮影してから再び乗り込めるくらい、ゆっくりと力強く走るのだ。もちろん、そんなことをしてはゼッタイにダメだけれど。

タフなステージで光る自然吸気V6のパフォーマンス

トレイルレーテッドというキーワードは過酷なオフロード試験をクリアしたジープだけに与えられる称号のこと。今回ジープのオフロード試乗会では全てのトレイルレーテッド・モデルに試乗することができた。

グランド・チェロキーやチェロキー、そしてレネゲードはトレイルホークと呼ばれるトップグレードのみがトレイルレーテッド・モデルだが、ラングラー アンリミテッドは全車がトレイルレーテッドの称号を持つ。

だが実際にオフロードコースに走り出してみれば、ルビコンはやはり別格。特にオフロードコースではルビコンが搭載している3.6リッターの自然吸気V6エンジンの優位性が際立っていた。

V6は284psの最高出力と347Nmの最大トルク、一方の直4ターボは272psの最高出力と400Nmの最大トルクを発生しており、しかも後者の方が最高出力、最大トルクとも発生回転数が低い。つまりスペック的には直4優勢がはっきりとしており、昨年一般道を中心に試乗した限りではなぜV6モデルが必要なのか今ひとつわからなかったのである。

ところが今回はV6エンジンの「ジワッ」とあふれ出すトルクがオフロードに有効であることがすぐにわかった。アイドリングのすぐ上のあたりでもスロットルワークに極めてリニアに反応してくれるので、前輪で大きな岩を乗り換えるようなシビアな状況でも自信をもってコントロールできるのである。

プロユースは自分で切り替える「通」好みの操作性

だがもちろんルビコンの並外れた悪路走破性には、パワートレインと同じくらいシャシー性能も貢献している。特に岩がゴロゴロとしているような路面では、センターコンソールにあるスイッチを押すだけでスタビライザーの締結を切り離せる機能がメカニカルグリップを高めることは容易に想像できるし、普段オンロードでは全く重要とは思えないデフロック機構も、ここぞという時にガツーンと効かせられるのがいい。

今回用意されたオフロードコースはラングラーにとっては決して難しいものではなく、例えばルビコンほどの凝った装備がなくても走破は可能だった。それでもラングラー アンリミテッド サハラ2.0リッターや他のトレイルホーク・モデルで、20度ほどの勾配の湿った泥っぽい坂道を上がっていった場合、いつも4輪のうちのどれかが微かに空転し、それをスタビリティコントロールが抑え込みながら進んでいく感じだった。

ところがルビコンは、まるで熟練のロッククライマーのようにテンポよく強力なメカニカルグリップを発揮しながら坂をよじ登り、格の違いを見せつけてくれたのだった。 昨今はオート・モードで様々な路面におまかせで対応してくれるクルマも少なくないが、そこを敢えて手動切り替えにしている点に、本当に困難な悪路に立ち向かうルビコンのプロユースの性格が伺えた。

「最上級」をアピールするパンプキンメタリック

ルビコンの特徴はこれまで述べてきた通りの圧倒的な走破性にあるのだが、しかしすべてのルビコン・オーナーがそんなハードな使い方をするとは到底思えない。何しろメルセデス・ベンツGクラスのハーフプライス以下とはいえ、込々600万円近いクルマをまるでジムニーで遊ぶかのように、いきなりドロドロ岩々のオフロードに持ち込むなんて、ねぇ。

つまり多くのファンにとってルビコンはジープの最上級グレードとしての位置づけとなるのだろうが、そうなるとボンネット脇に張られた“RUBICON”ステッカーが効いてくる。わかる人にしかわからない、という点がマニア心をくすぐるのだ。

ルビコンは他のラングラーと違ってパンプキンメタリックと呼ばれるオレンジゴールドのようなカラーリングが選べるのだが、どうせ最高峰をアピールするのであれば特別なボディカラーでもアピールするべきだろう。

実質「最強」ながらもデメリット皆無でお買い得

ちなみにラングラーの中間グレードであるアンリミテッド サハラは当初V6エンジンを搭載していたが、これからは4気筒ターボ版になるという。エンジンのダウンサイジングが当たり前という時代に、自然吸気V6の大人びたパワーデリバリーを味わえるラングラーは実質ルビコンのみ(2ドアのスポーツもV6だが受注生産)ということになる。

BMW3シリーズの場合、見た目でM3を選んだりすると、乗り心地や維持費等々、普通に使う場合にはデメリットも付いてきてしまうが、ルビコンにはそういったネガは見当たらない。ただ最強の見た目と、最強のオフロード走破性を与えられているだけなのだ。しかも弟分のアンリミテッド サハラ2.0リッターと15万円ほどしか違わないのだから、かなりお買い得なモデルという捉え方もできる。どうせならルビコン、これは興味深い話に違いない。

ジープ・ブランドもうひとつの最強の称号「トレイルホーク」

今回のオフロード試乗会ではラングラー アンリミテッド以外のトレイルホーク・モデルも実に印象的な走りを見せてくれた。

グランドチェロキー トレイルホイークはルビコンと同じくV6エンジン搭載モデルだが、岩の斜面を上るような非日常的な瞬間でもラグジュアリーで乗り心地の良さを味わえる驚きがあった。

一方のチェロキー トレイルホークはルビコン以外では唯一リヤにロッキングディファレンシャルを装備しており、このためROCKモードが追加された本格モデルで、都会的な見た目とは裏腹なタフな一面を見せてくれた。

末っ子のレネゲード トレイルホークはカワイイ見た目が一見“オフローダー風”に見えてしまうが、トレイルレーテッドの称号はダテではない。20:1のクロールレシオを持つローギヤとセレクテレインシステムによって路面コンディションを選ばない走破性を見せてくれたのだった。

REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)

PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

【SPECIFICATIONS】

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン

ボディサイズ:全長4870 全幅1895 全高1850mm
ホイールベース:3010mm
トレッド:前後1600mm

最低地上高:200mm

車両重量:2050kg

エンジン:V型6気筒DOHC
総排気量:3604cc
ボア×ストローク:96.0×83.0mm
最高出力:209kW(284ps)/6400rpm
最大トルク:347Nm/4100rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:4WD(選択式)

ステアリング形式:電動油圧式パワーステアリング
サスペンション形式:前後コイルリジッド
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤサイズ:前後LT255/75R17

車両本体価格:588万6000円(税込)

【問い合わせ】

ジープ フリーコール

TEL 0120-712-812

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(GENROQ Web 吉田拓生)

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