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ニューモデル 2019.6.24

水素満タンは3分以下 メルセデス・ベンツGLC Fセル プラグイン燃料電池に試乗

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もくじ

どんなクルマ?
ー 既存のエンジンルームに燃料電池を搭載
ー インフラ不足をレンジエクステンダーでカバー
どんな感じ?
ー 運転感覚はほぼ普通のEV
ー 通常のGLCと変わらない車内の広さ
「買い」か?
ー 日本や英国への導入に期待が高まる
スペック
ー メルセデス・ベンツGLC Fセルのスペック

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どんなクルマ?

既存のエンジンルームに燃料電池を搭載

フェイスリフトに合わせて、エクステリアデザインに若干の変更を受けたメルセデス・ベンツGLC。最新のMBUXと呼ばれる対話型インフォテインメント・システムやデジタルインスツルメント、新デザインとなったステアリングホイールなど、インテリアのアップデートも抜かりはない。

このラグジュアリーなSUVに、とても魅力的で環境にも優しい、プラグイン燃料電池モデルが存在するのをご存知だろうか。先進的なパワートレインは、ポスト・ガソリン時代が迫るいま、現実的な可能性を見せてくれる存在だ。

GLC Fセルの大きなボンネットの内側に収まるのは、水素をエネルギー源とする燃料電池。メルセデス・ベンツの腕利きのエンジニアによって、エンジンルームに大きな変更を加えることなく、綺麗にインストールしてある。何しろ、標準のガソリンエンジンのマウントポイントを利用して、搭載させているほど。

このGLCの燃料電池は、メルセデス・ベンツが製造した中でも最もコンパクトなユニットだという。また、10年前に発表したBクラスの燃料電池モデルよりも、使用しているプラチナの量を90%も少なくすることに成功している。

インフラ不足をレンジエクステンダーでカバー

水素を燃料とするわけだが、カーボンファイバー製の水素タンクはキャビンの床下にレイアウトされる。タンクには4.4kgの質量の水素を貯めることが可能とのこと。燃料電池内部で空気中の酸素と水素とを結合させて、水を生成すると同時に電気を生み出し、その電気で210psのモーターを回転。後輪を駆動するという仕組み。

4.4kgの水素の補充に要する時間は、3分を切るという点もポイント。ちなみにトヨタ・ミライの補充時間も3分程度となっている。EVのバッテリー充電時間より遥かに短く、新しい燃料電池システムの売りのひとつだ。しかし水素を補充できる施設は欧州においてもまだまだ少なく、インフラとしては改善の余地がある。

そこでメルセデス・ベンツは、任意に充電が可能な13.5kWhのレンジ・エクステンション用のバッテリーを搭載した。燃料電池として走行可能な400kmの前後の航続距離に、バッテリーによる電力で50kmほどの航続距離を付加している。つまり、日常的な短距離の移動やお出かけは、ほぼバッテリーの電力だけでまかなえるということ。

さらに長距離の旅行となると、燃料電池の水素補充が可能な施設を経由するというプランニングが必要になる。手間に感じるかどうかは、受け止め方次第だろう。

すでにAUTOCARではフェイスリフト前のFセルを、極めて短距離ながら昨年試乗している。しかし今回は比較的長距離の試乗が許された。昨年の印象に変化は生まれるのか、確かめてみたい。

どんな感じ?

運転感覚はほぼ普通のEV

恐らくメルセデス・ベンツGLC Fセルに乗っている限り、シャシーの内部で未来小説のような電気化学反応が起きていることは実感でないだろう。運転感覚は、一般的なバッテリーを搭載するEVとほぼ同じ。アクセルを踏み込むと静かに発進し、そのまま静かに走行する。

ダッシュボードの12.3インチのモニターを見ない限り、モーターを動かしている電気がバッテリーと燃料電池のどちらから供給されているのか、想像もできない。ふたつの動力源の滑らかな推移を表現する際に「シームレス」という言葉を用いるが、GLC Fセルほどピッタリと当てはまる例はないだろう。

走行パフォーマンスは、ジャガーIペースほどしびれるものではないが、フォルクスワーゲンeゴルフなみに活発。クルマの性格や存在を考えると、違和感ないほどに走る。ドライビングモードを「ダイナミック」にすると、アクセルペダル操作のレスポンスはシャープになるが、37.1kg-mの最大トルクは常時手中にある。最高速度は160km/hと控えめながら、シングルギアのため、静止状態からスムーズに波に乗るように加速をし続けていく。

一般的なメルセデス・ベンツからイメージする最高速度としては低いが、加速は充分鋭く短時間で160km/hへ到達し、そのままの巡航もいとわない。アウトバーンでも150km/hほど出ていれば、遅くは感じないだろう。また他のGLCとは異なり、Fセルはフロントがコイルスプリング、リアがエアスプリングを採用し、4輪ともにアダプティブダンパーが減衰力を調整する。

通常のGLCと変わらない車内の広さ

重量物は低い位置に搭載され、ドライビングモードはコンフォートのままでも、コーナリング時のボディロールは穏やか。しかし、ステアリング操作の精度の面では、期待するほどのものではない。運転する楽しさを味わえるクルマではないものの、極めて静かで、潤沢なパワーが支える安楽な走りから得られる満足感は高い。

大径な20インチのアルミホイールを履いていることもあり、舗装の剥がれたような大きなくぼみでは、サスペンションからの振動が車内に伝わってくる場面もある。しかし、全般に乗り心地は滑らかで洗練性も高い。コンパクトな燃料電池システムのおかげで、ラゲッジスペースをわずかに削る程度で搭載できており、標準のGLCと同等の広々とした車内空間を確保している。ゆったりとリラックスできる雰囲気は、まるで住み慣れた自宅にいるかのようだ。

荒れた路面ではタイヤからのロードノイズが遠くで響き、高速域では風切り音がささやくとしても、ほとんどの時間は平穏にふわりと風に乗ったように走る。GLC Fセルの特徴のひとつは、ゼロエミッションでありながら、大きな気遣いなく一緒に暮らせるということ。水素ステーションの数が少ないという点は、いかんともし難いが。

ガソリンエンジンを搭載したGLCと同様に、燃料電池モデルもマイナーチェンジで受けたエクステリアの変更はわずかながら、インテリアの刷新は著しい。ハイライトは何といっても対話型インフォテインメント・システム「MBUX」の導入。滑らかな解像度を持つ、扱いやすい12.3インチのモニターを介して操作する。音声認識機能「ヘイ・メルセデス」が、時折聞き間違えて動作してしまう部分も、そのまま搭載されている。

「買い」か?

日本や英国への導入に期待が高まる

いまのところ、メルセデス・ベンツGLC Fセルが英国に導入される予定はない。日本への導入の話もまだ聞こえていない。メルセデス・ベンツのお膝元、ドイツでさえ、Fセルを運転できるのはリース契約を許された、ごく少数のひとのみ。メーカーがしっかりとクルマを管理することができるためだろう。

しかし先日、石油大手のシェル社は、英国で水素ステーションの数を増やしていく計画を発表したばかり。欧州での新しい環境規制などの背景も考えれば、今後の可能性は充分にあるといえる。なにしろGLC Fセルは、既に燃料電池への関心が高い日本仕向けを前提に、右ハンドル車も開発しているのだ。

メルセデス・ベンツの販売戦略にもよるが、英国でも販売がされるのなら、充分良い選択肢になってくる。Fセルの場合、水素の補充に要する時間は3分未満。水素とバッテリーという組合せは、内燃機関を搭載したクルマに乗り慣れたわれわれにとって、電化移行するストレスを軽減してくれるだろう。

さらに、電気モーターによる洗練され安楽な、日常利用に不満のないパフォーマンスは、GLCという都会派SUVモデルという性格としてもピッタリだと思う。

メルセデス・ベンツGLC Fセルのスペック

■価格 未定
■全長×全幅×全高 4655✕1890✕1644mm(標準モデル)
■最高速度 160km/h
0-100km/h加速 -
■燃費 294km/kg(水素)
■CO2排出量 0g/km(WLTP)
■乾燥重量 2055kg
■パワートレイン 燃料電池+電気モーター
■使用燃料 水素+電気
■バッテリー 13.5kWhリチウムイオン
■最高出力 210ps
■最大トルク 37.1kg-m
■ギアボックス シングルスピード

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(AUTOCAR JAPAN ジェームス・ディスデイル)

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