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マツダCX-3とマツダ・デミオを並べて比べてみた「同門比較! もしかして今やSUVがスタンダード?」

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マツダCX-3とマツダ・デミオを並べて比べてみた「同門比較! もしかして今やSUVがスタンダード?」

ハッチバックやセダンがベースにあって、そこからSUVを仕立てるのは常套手段だ。多くの部品が共通であることはひと目見てわかるが、乗った感覚は大きく違う。背が高くなっているからか。インパネは違うように思えるがどうか。シートの取り付け位置は同じだろうか。ドア開口部の寸法はどうだろうか。ふたりの編集部員をサンプルに各部を測ってみることにした。REPORT●萬澤龍太(MANZAWA Ryuta)PHOTO●市 健治(ICHI Kenji)

 クルマ雑誌は書店の「男性向け」のコーナーに置いてあることが多い。そして一般的に、クルマ道楽とは男の趣味である。しかしいうまでもなく、自動車は老若男女問わず使われるもので、誰もが乗りやすく扱いにくさを覚えないように作られている。そんなふうにあらためて考えながら路上を走るクルマを眺めてみると、SUVと称するクルマは女性の運転が案外多いことに気がついた。Bセグメントや軽自動車のような寸法が小さいクルマを

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「大きいと怖い」という理由で積極的に女性が選ぶのは自身の周りを考えても納得できるが、SUVは概して背が高くて重く値も張る。「大きいと怖い」という彼女たちがなぜ、SUVを運転しようと思うのか。

 考えてみれば元祖SUVともいえるトヨタRAV4(1994年)も、北米のセクレタリーカー市場のクルマ選びをクーペからSUVに転換させた立役者だった。レクサスRXにお子さんを乗せて走るお母さん、スバルXVでドライブを楽しんでいる老夫婦、スズキ・ハスラーは女の子がひとりで運転しているのをよく見かけ、某人気ドラマではカッコいいアラフィフの主人公の叔母が黄色い日産ジュークで颯爽と街中を走る。SUVは、性別や年齢を超えて「欲しい」「乗ってみたい」と思わせる何かがあるのだろう。

 というわけで比較してみることにした。車高を上げて外装を小変更した──というクロスオーバーにも興味があったが、プラットフォームは共通だけどSUVモデルとして改めたというクルマと、そのベースとなるクルマ。そんな条件で、マツダのデミオとCX-3を比べてみる。自分の印象を綴るのもいいが、むしろ人に運転してもらったらより客観的なのではないか。女性の感想はぜひ聞きたい。ならば対比として大柄な男性の意見はどうだろうか。社内の人間に片端から願って回り、協力してくれるふたりが現れた。

何が同じ、何が違う?

プラットフォームが同じなのはよくいわれるとおり。マツダのPFには1.25~1.8tを想定するCセグメント以上と、1~1.5tを想定するサブコンパクト用の2種があり、デミオとCX-3には後者が適用される。さらにサブコンパクト用PFは前/中/後部分それぞれにバリエーションを持ち、デミオは(軽い前+低い中+軽い後)で仕立てられるのに対して、CX-3は(重い前+高い中+重い後)を組み合わせている。

■マツダCX- 3(左)
外寸:4275×1765×1550mm 内寸:1810×1435×1210mm 軸距/輪距:2570mm
/Ⓕ1525Ⓡ1520mm 地上最低高:160mm 重量:1340kg

■マツダ・デミオ(右)
外寸:4060×1695×1550mm 内寸:1805×1445×1210mm 軸距/輪距:2570mm/Ⓕ1495Ⓡ1480mm 地上最低高:145mm 重量:1230kg

背が高くなっている理由

ボディが違うし、そもそもSUVとしてわざわざ仕立てているクルマなのだから背が高くなっているように思えるが、意外や全高の差はなし。一方で地上最低高は15mm差、タイヤハイトでは半径25mmの差がある計算だ。天井の高さは同じで床が高くなっているなら室内が狭いのでは──と疑うも、室内高も同寸。クロスメンバー配置やフロア板構造を工夫していることが読み取れる。着座しても狭いと感じないのは、高い位置に座って眺望が開けている印象も寄与しているだろう。

フロントサスペンション

リヤサスペンション

ともにAWD仕様の比較。ダンパーの下側取付部がさらに後方にあること、左右アーム角度が下側にあることが強いてあげられる違いだが、ハブ周りの大型化にともなう変更にも捉えられる。デミオのFWDとAWDで比べると、アーム角は違いダンパー位置は同じだった。ばねの巻き数は同じだが、FWDモデルだとマウントの位置が異なる。

旋回してみると

駐車場の広場で意地悪気味にハンドルをスパっと切って挙動の違いを見たが、重心高の高いCX-3のほうがロールも旋回もやや大きい印象だった。ただ、どちらもノーズが素直に入っていき、その後もダラしなく腰砕けになるようなことはない。剛性が高く、安心感があった。

走ってみると

いつも自分が運転するときの姿勢になるようシート位置とハンドル位置を調整してください、とお願いした。ドア開口部のそれぞれの部位について、地上からの寸法は写真内に示すとおり。加えて、シートの調整幅はCX-3が前後方向に26cm、シートリフターが上下に5cm/それにともなって前後方向に4cm。同じくデミオが26cm、4cm/3cmという数値。ハンドル調整はCX-3がチルト50mmテレスコ50mm、デミオが45mm/50mmだった。

身長の違うふたりが座ると

 デミオとCX-3を比べるのにあたり、知りたかったのはドライバーからの視界である。1993年に登場し、瞬く間に軽自動車にトールワゴンというスタイルを定着させたワゴンRの勝因のひとつは、高いヒップポイントによる乗降性だったと伝え聞く。先述の「女性がSUVでも怖くないと思える理由」が高い位置に座ることによる視線の高さにあると想定するなら、では実際にどれだけ違うのか、どんなふうに見えるのかを測ってみようと思い立った。

 社内で協力を求め、快諾を得られたのはMF編集部のN氏と販売部のY女史のふたり。Nさんは181cmのスポーツマン、Yさんは「最近1cm伸びた」と申告する157cmである。身長差は24cm。Nさんは普段使いがミニバンでSUVに少々の慣れがあり、Yさんはあまり運転はしないという。そこで、Nさんに運転を任せてYさんは助手席に乗ってもらい、何の気負いもなく高速道路や市街地を走ってもらうことにした。まずはCX-3から、そしてデミオに乗り換えてもらう。「赤いクルマの色がいいと思いました。青は男性向けのアオってイメージ。乗っているときにはあまり思わなかったけど、赤に乗ると青の広さをあらためて感じました」(Yさん)

 マツダ入魂のソウルプレミアムレッドは、色彩感覚に富む女性の目をもってしてもいいと思わしめる出来か。なるほど。先述のように室内高寸法には違いがないものの、乗り比べてみるとCX-3の広さが相対的に際立ったという。助手席からの走行中の印象はいかがだったろうか。「ずっとしゃべっていたから正直覚えていないんです、スミマセン。でも赤のほうが乗り心地が良かった気がする」

 いやいや。それはつまり、いずれのクルマにも気になる欠点がなかったということだ。確かにバックミラーから見える後方のCX-3(あるいはデミオ)の車内の美男美女は、ドライブを楽しんでいるように見えた。では一方の、運転を願ったNさんの感想はどうか。「ボディ形状が違っても共通したテイストが一貫されているマツダ車の造り込みはさすがで、ハンドルまわり、アクセル&ブレーキペダルの配置も同じだから操作も違和感なく行える。高速安定性は重量が重いぶんCX-3がよかったが、大径ホイールの影響で段差を越えたときショックが少し大きかった」

 ちなみにひとり寂しく彼らの前方を走り続けた当方は、AWD仕様ということも加わってさらにしっかり感が増したデミオ、少々ゴツゴツが伝わりハンドル操作に気を遣うかなと思ったCX-3という感想を抱いた。

〈身長157cmの女性〉デミオに乗ったときにCX-3の広さを感じる

〈身長181cmの男性〉視界の良さは意外にも同じだった

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