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試乗 フィアット500X改良新型 新エンジン1.3ℓターボ/内装/サイズを評価

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試乗 フィアット500X改良新型 新エンジン1.3ℓターボ/内装/サイズを評価

もくじ

どんなクルマ?
ー 「ファイアフライ」?

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どんな感じ?
ー 後席/トランク 広さは?
ー ターボらしいターボ

「買い」か?
ー 運転支援装備も有り 買いか?

スペック
ー 改良新型フィアット500Xのスペック

どんなクルマ?

「ファイアフライ」?

ファイアフライ(Firefly)と聞くとミリオタならM4シャーマンを想像するだろうが、フィアットの新世代エンジンのペットネームである。フィアット500XはこのMCを機に従来まで搭載していた1.4ℓターボから1.3ℓターボのファイアフライに換装。パワースペックや燃費の向上とともに静粛性の改善等の改良が加えられている。

それは歓迎されることではあるが、もうひとつ大きな変化があった。車種整理が施されて2WD(FF)のみの構成となったのだ。また、従来車は2WDが6速DCT、4WDが9速ATの組み合わせだったが、4WD車の廃止により9速AT車も消滅している。

走行テイストや悪路対応性の選択範囲が狭く、正しくは「なくなった」わけだ。だからと言って「SUVにして4WDが選択できないのは致命傷ではないか?」とは思わない。フィアット500Xを正統派SUVとして評価するほうが的外れという気さえする。これについては後項で述べるが、2WD車のみの構成に踏み切れたこともフィアット500Xのキャラやコンセプトからすればそうおかしくはない。

9速ATには後ろ髪引かれる部分もあるが、4WD廃止が同車の魅力に著しい影響を与えるとは考えていなかった。

どんな感じ?

後席/トランク 広さは?

「けっこう大きいですね」と。この取材中に同様の言葉を何度か聞いたが、500Xは全長4280mm×全幅1795mm。昨今の乗用車ではコンパクトサイズ。カローラスポーツより少し小さいくらいだ。高い全高が大きく見える理由の一つかもしれないが、フィアット500と無意識のうちに比較しているのだろう。何しろ500の全長は登録車では最小クラスである。

一回り以上拡大したボディサイズがもたらしたのは言うまでもなくキャビン実用性だ。ゆったりという訳にもいかないが、後席は男性が長時間過ごすにも十分なスペースを備え、自然体の姿勢で着座感もいい。

付け加えるならシートデザインはステッチやパイピングで小洒落たソフトレザーの旅行鞄やポーチといった造り。500ほどカジュアルではなく、大人っぽい遊び心が感じられる。500姉妹の姉様といった雰囲気だ。

荷室容量はコンパクト2BOX車の標準レベル。後席使用時でも小旅行には十分であり、ユーティリティ系車種までは不要というユーザーには十分だろう。要するに居住性も積載性も「ふつうに使える」わけだ。

500といえば、後席はプラス2と言わないまでも嵌り込むような狭さ、トランクは後席使用時は日常の買い物用途対応レベルである。比較すれば格段に実用的だ。

ターボらしいターボ

で、500に比べればもっこり大きく見えてもチンクの愛らしさは十分。誉め言葉と受け取って貰えるかどうか微妙だが、カエルの置物みたいな愛嬌が個人的には凄く気に入っている。実用性と愛嬌を両立させているのが500X最大の魅力である。

新パワートレインの特性は、けっこう「ターボ味」が濃い。無反応というわけではなく、踏み込み直後からトルクは立ち上がるのだが、そこからさらにトルク増加。扱いにくいわけでもないし、後伸び感がターボらしい加速感にも繋がるが、性能追求時代のターボ的な印象もある。

低速域での加減速の滑らかさやクラッチ制御が多少気になったが、小気味よい変速感をもたらす6速DCTはスポーティな味わいという点では新エンジンとの相性がいい。引き締まったサスストローク制御や中立から機敏に反応する操舵感によりハンドリングも軽快である。

愛嬌と小粋さの内外装を考えると走りももっと穏やかな路線でいいような気もするが、500系の上級発展モデルという位置付け、さらにはクラスアップしたことで高速長距離用途への対応力の強化も求められるので、この辺りが落とし所なのだろう。

「買い」か?

運転支援装備も有り 買いか?

輸入車も国産車もハッチもSUVもなく、純粋に愛嬌と小粋さ、実用性に惚れて500Xを選んだユーザーが、スポーティな走りはどう思うか自分なりに予想したが、たぶん無問題。

最近はちょっとスポーティくらいが普通であり、乗員を苛むようなスポーティさでもない。ヤング&カジュアルの範疇である。市街地走行では後伸び感のあるトルク特性や締まったフットワークも高速域では頼もしいと感じるはず。

加えて、ACCや補正操舵支援機能を備えたLKA、BSMといった安全&運転支援装備も備え、遠出で遊びに行くのも得意。適応用途とともに行動半径の広さも500Xのセールスバリューである。

自らをアーバンSUVと謳うとおりSUVとしては悪路対応力が低い。ただ、160mmの最低地上高は欧州車一般では高いほうだ。あくまでも「多少」の範疇だが、SUVらしいボディ下部のデザイン処理もあって、一般的なワゴンや2BOX車に比べればアウトドアレジャーにも対応できる。悪路走行性能を必須と考えるドライバーが500Xをターゲットとするとも思えないし、キャラ惚れで選ぶなら意外と使えるクルマなのだ。

ナビがスマホ対応だったり、ACCがあるのにふつうのクルコンも装備されてて紛らわしいなどの気になる部分もあるが、チンクスタイルや良質ハイセンスの内装等々に惚れてしまえば、それらは些細な事だろう。輸入SUV系では手頃感のある価格設定でもあり、主流からちょっと外れたところで自分らしさに浸るにはいいモデルである。

改良新型フィアット500Xのスペック

フィアット500Xクロス

■価格 334万円
■全長×全幅×全高 4280×1795×1610mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費(WLTCモード) 13.5km/ℓ
■車両重量 1440kg
■エンジン 直列4気筒1331ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 151ps/5500rpm
■最大トルク 27.5kg-m/1850rpm
■ギアボックス 6速DCT



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