現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【試乗】新型日産デイズは文句なしのコーナリング性能! だが気になる「音」もある

ここから本文です

【試乗】新型日産デイズは文句なしのコーナリング性能! だが気になる「音」もある

掲載 更新
【試乗】新型日産デイズは文句なしのコーナリング性能! だが気になる「音」もある

 日産初開発の軽自動車は上級車並の上質空間をもつ

 日産の軽自動車「デイズ」がフルモデルチェンジを果たして進化した。ご存じのとおりデイズは三菱自動車との共同資本による合弁会社である「NMKV」が企画し開発と設計を行っている。旧モデルは三菱自動車が基本的に設計から開発を担って来たが、新型デイズでは日産自動車が主体となって商品企画、設計、開発のほぼ全分野を主導。生産を三菱自動車の水島工場が受け持つという形式に改められたのだ。

えっ、軽かよ……とならない女子ウケ抜群のデートで使える軽自動車5選

 これで日産が思うとおりの軽自動車として商品化することが可能となったわけだが、初めて手がける軽自動車の難しさにも直面したことだろう。しかし、新型デイズの完成度の高さについて開発陣は絶対的な自信を見せる。そこで早速試乗テストを行なったのでリポートしよう。

 試乗コースは日産自動車本社のある横浜・みなとみらい発で周辺の湾岸地帯のルートを走る。一部高速道路も走行できた。

 ますはターボ付きエンジンを搭載した「ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション」からだ。デイズもまたスマートシンプルハイブリッド(いわゆるマイルドハイブリッドシステム)を備え「S-Hybrid」のエンブレムが装着されている。リチウムイオンバッテリーを運転席座席下に備えオルタネーターモーターからベルト駆動でパワーアシストと回生を行う仕組みだ。したがってEV走行が可能ではなく発進には常にエンジン始動が必要だ。

 そのエンジンは型式名BR06DE型で直列3気筒のレイアウトを取る。ルノー・日産アライアンスを機能させルノー製のエンジンをモジュール的に採用していると聞く。

 エンジン始動はセルモーターにより行ない、アイドルストップからの復帰はハイブリッドモーターで行うという仕組み。組み合わされるトランスミッションは「エクストロニックCVT」で、軽自動車としては初めてDステップ比を採用し、加速時にエンジン回転が常に先行して上昇するのを防止し4段階にステップさせて静粛性にも貢献させることを狙っている。

 車体外観は日産のアイデンティティを活かしたフロントマスクが特徴的。ルーフと車体色を分けるツートーンカラーのカラーバリエーションも選択でき個性的な仕上がりを楽しめる。

 運転席の印象は、もはや普通乗用車クラス並みの上質さで、9インチモニターやツートーンのダッシュボード、タッチ操作の空調スイッチまわりなどが見栄え良くレイアウトされている。日産開発陣のこだわりとして、ステアリングホイールに完全な円形を採用した。小径小型で操作性がよく、クイックなステアリングギヤ比との相性もよい。電動パワーステアリングは直進をしっかり補舵し、プロパイロット作動時のレーンキープも力強くアシストしている。

 エンジンを始動しても室内は極めて静かで、外界の音もシャットアウトされ静寂さが感じられる。その感覚も従来の軽自動車の水準を超えているといえるだろう。アイドリング時の静かさはとくに特筆できる。

 走行時のCVTとエンジン音はライバルより大きめに感じる

 しかし、走り初めてエンジンの回転が高まると、ややノイジーな印象を受けてしまう。今回の試乗モデルはすべてFF(前輪駆動)モデルが用意され、車体後部のロードノイズなどはよく封じ込まれているが、とくにCVTからのノイズが気になった。説明ではCVTの油圧回路の特性で音が発生しやすいようだが、今後改善が望まれる。

 走行性能自体はターボの過給ピックアップと電動アシストトルクがタイミングよく繋がり力強い。アクセルペダルの踏み込み量に対して大きめのトルクが引き出せるのは兄弟車となる三菱の新型「eKクロス」より優れている印象だが、FFと4WDでの違いがあるのかもしれない(eKクロスの試乗会はすべて4WDだった)。

 高速道路の合流で全開加速を試みたが、そこではエンジン音も大きめになり静かさが打ち消された。開発陣は静粛性には自信があると言っていたが、筆者の印象としてはホンダN-BOXのほうが静かに思える。停止時や低速走行時が静かなので音量の差が大きくなることがマイナスに作用しているのかもしれない。

 ハンドリングを試すほどのコーナーはコース内になかったが、ライントレース性の正確さとロール感の少ない走行姿勢は感心できる。

 デイズには三菱eKクロスがオプション設定していたデジタルルームミラーは設定されず、自動防眩ミラー仕様となっているのも興味深いところ。またルーフ前方に緊急エマージェンシーコールボタンが備わる。これは先進事故自動通報システムSOSコールと呼ばれるもので、エアバッグが展開するなど事故を感知すると自働的に通報される機能と、煽り運転に遭遇した時などは手動で緊急通報できるものだ。これは三菱eKシリーズには搭載されず、デイズだけに採用される機能としている。

 新型デイズは旧型との対比でホイールベースが65ミリも拡大されており、これで後席の足もと空間は圧倒的に広くなった。数値的には日産の高級車「フーガ」を凌ぐとも言われていて競合車にも負けない広さだ。 また後席フロアを平らにするため床板が上昇している。これで身長120cm前後の子供の足付き性が向上し、また荷物などの積み込みもしやすくなったとのこと。ただ後席にも乗車したが、身長170cmの筆者だと体育座り的姿勢になり、大腿が持ち上がって落ち着かない。「大人は座らないだろう」と割り切りがあったようだが、そこはどうかと思う。

 ターボの次はノンターボの「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」にも試乗した。ノンターボモデルでもスマートシンプルハイブリッドを搭載しており、市街地でのドライバビリティは文句ない。静粛性も高く快適だが、高速域でのノイズレベルはターボ以上になり、80km/h以上で走り続けるのは気が引けた。

 今年はホンダが同クラスのN-WGN(エヌワゴン)をフルモデルチェンジすると言われており、ベストセラーで完成度の高いN-BOXの美点をどこまで引継いでいるのかも注目されている。その時期がきたら各社各モデルを一斉に集め比較評価することを楽しみにしている。

こんな記事も読まれています

「フェラーリは戦略以外のすべてで強い」と逆転勝利のトヨタ技術首脳。改善傾向のタイヤ摩耗も警戒
「フェラーリは戦略以外のすべてで強い」と逆転勝利のトヨタ技術首脳。改善傾向のタイヤ摩耗も警戒
AUTOSPORT web
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
新しくもどこか懐かしい? 「愉しむためのBEV、時代が変わる予感」 ヒョンデ・アイオニック5N
AUTOCAR JAPAN
斬新“レッド内装”採用! ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 異形ハンドル&特殊モニターに「カッコイイ」の声も!「GT」登場
斬新“レッド内装”採用! ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 異形ハンドル&特殊モニターに「カッコイイ」の声も!「GT」登場
くるまのニュース
もてぎに「働くクルマ」が大集合、ゴールデンウィークにイベント開催へ
もてぎに「働くクルマ」が大集合、ゴールデンウィークにイベント開催へ
レスポンス
白熱する来季F1ドライバー市場、“主役”はレッドブル離脱噂のフェルスタッペン&新規参戦アウディ?
白熱する来季F1ドライバー市場、“主役”はレッドブル離脱噂のフェルスタッペン&新規参戦アウディ?
motorsport.com 日本版
もはや「スーパーカー」!? めちゃ“黒い”トヨタ「ハイエース」登場!“クセ強”1BOXバンが「カッコ良すぎ」と反響集まる
もはや「スーパーカー」!? めちゃ“黒い”トヨタ「ハイエース」登場!“クセ強”1BOXバンが「カッコ良すぎ」と反響集まる
くるまのニュース
『ホールデン・コモドア』国際交流戦に現れ、快走したオーストラリアンV8【忘れがたき銘車たち】
『ホールデン・コモドア』国際交流戦に現れ、快走したオーストラリアンV8【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツ Gクラスの電気自動車がまもなくやってくる?──GQ新着カー
メルセデス・ベンツ Gクラスの電気自動車がまもなくやってくる?──GQ新着カー
GQ JAPAN
入賞枠拡大の新F1ポイントシステム案、ドライバーからは賛否両論「大きな切り傷に絆創膏貼るみたいなもん」との声も
入賞枠拡大の新F1ポイントシステム案、ドライバーからは賛否両論「大きな切り傷に絆創膏貼るみたいなもん」との声も
motorsport.com 日本版
スバル レガシィが生産終了へ──GQ新着カー
スバル レガシィが生産終了へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
レスポンス
WECスパ、テストで負傷のハプスブルクが復帰へ。LMGT3クラスのエントリーリストには宮田莉朋の名前も
WECスパ、テストで負傷のハプスブルクが復帰へ。LMGT3クラスのエントリーリストには宮田莉朋の名前も
motorsport.com 日本版
ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
レスポンス
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
くるまのニュース
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
motorsport.com 日本版
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
Auto Messe Web
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
Webモーターマガジン
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

143.8215.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0200.0万円

中古車を検索
デイズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

143.8215.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0200.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村