2019年4月17日、トヨタがニューヨークショーで新型ハイランダーを世界初公開。
ハイランダーは今でこそ海外専売車ながら、初代モデルは「クルーガー」として日本でも発売されていた歴史を持つ大型SUVだ。
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日本では生産終了から10年以上が経過し、すっかり“過去の車”となってしまったが、実はこの間にトヨタを支える人気車に急成長。ついに通算4代目となる新型が発表されたのである。
あのクルーガーは、果たしてどのように進化を遂げたのか。
文:ベストカーWeb編集部、写真:TOYOTA
日本で絶版のクルーガーが4代目の新型に!
初代クルーガー。日本では2000年に発売。2005年に写真のハイブリッドも追加されたが、2007年に生産終了となった
新型ハイランダーのルーツは2000年に発売された初代クルーガー。
同車は先行して販売されていたハリアーをベースに仕立てられたSUVとしてデビューし、当時から海外ではハイランダーの車名で発売されていた。
プリウスが初代から2代目へとモデルチェンジされた直後の2005年には、3.3L・V6エンジンにモーターを組み合わせたクルーガーハイブリッドも追加された。
そんなクルーガーが生産終了したのは2007年のこと。同年に実質的な後継車のヴァンガードが発売され、日本においてはその歴史が途絶えることとなった。
ただし、海外では2007年に2代目モデルへフルモデルチェンジを行って販売を継続。2013年には3代目が登場し、今回4代目が晴れて世界初公開されたのであった。
実は、日本では成功を収められなかったクルーガーながら、海外で見事ヒット車に成長している。
ハイランダーは、2017年1-9月期にグローバルで延べ26万2600台を販売。これはトヨタ車で6位の台数で、プリウス(=同8位、12万6200台)を大幅に上回る売れっぷり。日本から去った後、トヨタを支える大黒柱へと“出世”していたのだ。
全長5mに迫る新型は全面刷新で大幅進化!
ニューヨークショーで初公開された新型ハイランダー。ハイブリッド車の燃費は従来型比で約17%向上しているという
トヨタの屋台骨を支えるハイランダーのメイン市場は北米。それを象徴するように、新型も米国ニューヨークショーで初披露された。
公開された新型を見ると、「全長を60mm伸ばした」というだけあって、まさに“アメリカン”な、ゆったりしたサイズ感が印象的。
新型は全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mmと、長さでは5mに迫るサイズを持つ3列シートSUVとなる。
もちろん、変わったのはサイズや外観だけではない。
新型ハイランダーはトヨタの新世代プラットフォーム「TNGA」を採用。基本骨格を一新したほか、パワートレーンも刷新。
既存のV6ガソリンエンジン車に加えて、2.5Lハイブリッド車を追加し、ハイブリッドの4WD車は、最大トルクを30%向上させた後輪モーターを搭載するなど、SUVの肝となる四駆システムも進化させている。
米国でいつ発売? 日本再導入の可能性は?
新型ハイランダーのインパネ。上級グレードには写真の12.3インチ大型スクリーンが新設定。全グレードでAndroid Auto、Apple CarPlayにも対応する
このほか、安全面で夜間の歩行者にも対応する「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備するなど、新型ハイランダーは最新のトヨタ車に盛り込まれる装備を一通り揃えてきた。
となれば、気になるのは日本再導入の可能性だが、トヨタ広報部によると「日本導入の計画はありません」とのこと。そのサイズやトヨタのSUVラインナップを考えても、残念ながら日本に再導入される可能性は極めて低いと見るのが妥当であろう。
一方、米国ではまずガソリン車が2019年12月に登場。そして、ハイブリッド車は2020年2月に追加されることが明らかとなっている。
北米を中心に大ヒットしたハイランダーながら、実は未だに豪州ではクルーガーの車名で販売されている。日本では成功を収められなかった車が、こうして海の向こうで活躍しているのは、どこか誇らしくもあり、寂しくもある。
それでもやっぱり、いつの日かクルーガーが再び日本に帰ってくることを、密かに期待したい。
スッキリまとめられた印象の新型ハイランダーのリアスタイル
2~3列目シートは格納可能で、広大な荷室を持つ。2列目はスライド量を30mm拡大し、3列シートの居住性を確保
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