SR搭載ハチロクで国内最大クラスのビッグタービンを回し切る!
ハイパワーのジャジャ馬マシンをゴールラインまでねじ伏せて走る
「400メートルを10秒で駆け抜ける俊足ハチロク(AE86)は真っ直ぐ走ることも許さない850psの超じゃじゃ馬!?
北海道の実力派ショップ「ガレージライズアップ」で製作されたゼロヨン仕様のハチロクだ。オーナーはもともとドリフト派だったのだが、パワーを上げていくうちの徐々にゼロヨン派へと転向していったそうな。
注目の心臓部はシルビア用のSR20DETを換装したフルチューンスペック。腰下を2.0Lのまま強化した上でヘッドには280度のハイカムを投入。そこに国内最大クラスのタービンであるT88-38GTをセットすることで、最大ブースト2.3キロ時に850psを絞り出しているのだ。
とにかくそのパワーは強烈の一言で、スタートからゴールまで加速が途切れることはなく、終速は約230キロまで達するほど。
なお、出力を安定させるためにインジェクターは1気筒に対して740ccと720ccをツインで噴射するシステムを採用。大容量インジェクター1本で噴射するのに対して、このツインインジェクションは1本あたりの噴射量を少なくして燃料の霧化を促進、 燃料と空気をより均一に混合させることが狙いだ。
コクピットもやる気満点。大きなタコメーターを中心に作られたメーターパネル、ロールケージ、シーケンシャルミッションにF-CON Vプロと、ドラッグ仕様らしい作り込みだ。このマシンで地元のストリートゼロヨンにも参戦することもあるんだとか。
また、エンジンルームのスペースがなくなって移設されたバッテリーは、左右の重量を調節しトラクションを稼ぐためにトランク内に移設。コレクタータンクを取り付け、燃料供給もバッチリだ。
大パワーを受け止める足回りや駆動系もキッチリと手が入る。リヤサスにはクラウンのホーシングを移植して、デフやドライブシャフトの強度を確保。車高調はフロントがカヤバ、リヤがエナペタル製で、スプリングはノーマルを使用している。ミッションはシルビア用のシーケンシャルドグを組んでいる。
パワーを路面に伝えるリヤタイヤはニットーNT555Rの315/35-17という極太サイズをチョイス。これを履くためにフェアレディZ用のオーバーフェンダーを加工して取り付け、150mmのワイド化も施されている。
ただし、パワーが足まわりの性能を上まわっているのはもちろん、ホイールベースが短いこともあり、マシンの挙動はジャジャ馬もいいところ。常にステアリングを修正しながら走行しているそうだ。ゴールまで一直線で導くのは「毎回無事に帰ってこれるか分からない」という言葉からも分かるほど難しいそうだ。
取材したドラッグ大会では10秒253という好タイムをマーク。オーナーの感触からするとまだまだ伸び代があるようだから、さらなるタイムアップに期待したい。
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