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ニューモデル 2019.4.7

新型911カレラ4S vs ロータス・エヴォーラGT410スポーツ vs アウディR8 V10 比較試乗

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もくじ

ー 重要なのは違い
ー まったく異なるライバル
ー 多くの改良点
ー 見事なキャビン
ー 10年分の変化
ー 最高のハンドリングマシン
ー 史上最高の911
ー テスト車のスペック
ー 番外編:ユーズドモデルをご紹介

    新型に試乗 8代目992型 ポルシェ911カレラ4S 季節を問わぬ誘惑

重要なのは違い

ロータス・エヴォーラは変化している。デビュー10周年を迎えたこのスポーツカーの最新バージョン(且つ、現在購入可能な唯一のエヴォーラだ)がGT410スポーツであり、スパルタンなモデルだ。

それは高速道路での乗り心地にも表れている。高速走行時の落ち着きのなさは、ストロークが短く硬いスプリングと、きつく締めあげられた高級なビルシュタイン製ダンパーの組み合わせでしか実現不可能なものであり、GT410はドライバーに対して、用事など忘れ、今すぐこのクルマに相応しいドライビングロードへと向かうよう促してくる。

スーパーチャージャー付きV6エンジンは、スムーズなシフトチェンジとペダルワークを求め、4500rpmを越えれば、おそるべき凶暴さを発揮する。重いステアリングはフィールに溢れ、レースカーのごときキックバックを返してくる。そして、ミシュラン・パイロットスポーツカップ2が十分に温まれば、強烈なグリップを発揮する。


エヴォーラGT410スポーツは驚異的なモデルであり、そのドライバーへのフィードバックやサーキット向けのパフォーマンス、さらには、ドライバーが感じることのできる喜びの大きさなど、多くの点で、ポルシェ911 GT3と比較されるべき存在だ。

つまり、最新の新型992世代となるカレラ4Sにとっては、非常に厳しいテストになると思うかも知れないが、スポーツカーの世界というのはそれほど単純ではない。

GT410スポーツは、記憶にあるエヴォーラや最新のポルシェ911カレラとは、まったくタイプの違うクルマだ。そして、992ほどの完成度を誇るモデルと比較するのであれば、その違いこそがもっとも重要であり、まったくタイプの違うクルマと比較するからこそ、この新型911が何を得て、何を諦めたかのか、そして、どんな意図を持って開発されたのかを理解することができる。

まったく異なるライバル

今回のグループテストでは、もっと911と似たタイプのクルマを参加させても良かったのであり、実際、そうしようと考えたこともあった。実のところ、ジャガーFタイプは都合がつかず、アストン マーティン・ヴァンテージは興味を見せなかったのだ。

だが、それも分からないではない。991世代のカレラGTSが、マクラーレン540Cとともに、現行ヴァンテージを完膚なきまでに叩きのめしたのは昨年のことだった。

それでも、991世代のGTSでは一部オプション扱いだったメカニカルスペック(カレラ4用ワイドボディ、450psを発揮する3.0ℓフラットシックスターボエンジン、車高を落としたPASMサスペンション、PTVアクティブリアディフェレンシャルに四輪操舵)と、992世代のカレラ4Sとの違いを見て、その差はそれほど多くはないと言うかも知れない。


つまり、この決断はわれわれのためでもあったのだが、まったく異なるタイプのモデルと比較することで、この新型ポルシェの本質を知ることができるということは、次第に明らかとなっていった。

このクルマは、数十年前、その見事なダイナミクス性能と比類なき実用性によって、スポーツカーの世界を一変させた911の最新モデルなのであり、だとすれば、単にこのクルマの完ぺきさを批判するのではなく、その能力の限界を試すべきだとはお思いにならないだろうか?

新型911が見せる落ち着きや機敏さ、グリップ、ドライバーとの繋がり、そしてこのクルマがもたらす興奮と満足度を知るには、真に妥協のない、圧倒的にシンプルなドライバーズカーとの比較こそが相応しく、さらに、新型911の持つ質感や実用性、さらにはこのクルマを所有することで得られる満足度を知るには、素晴らしいエンジニアリングのもと生み出された、真に魅力的で、ひとびとの注目を集める、ドイツ製ヘビー級モデルが格好の相手だと考えた。

だからこそ、われわれはロータス・エヴォーラGT410スポーツと、フェースリフトを受けたアウディR8 V10を今回のグループテストに参加させることにしたのだ。

多くの改良点

まずは、新型911の何が新しくなったのかを見てみよう。ボディに使用されるアルミニウムの量が増え、フロントオーバーハングが延長されている。前後フェンダーとともにトレッドも拡大され(ワイドボディが標準であり、カレラ2にもナローボディは設定されない)、異径ホイールに改良されたサスペンション、新型ダンパー、レシオを高めたステアリング、機電制御式ブレーキ、新強化エンジンマウント、大径ターボと燃料噴射システムなど、その変更点は多岐に渡る。

もし、新型911をすぐにでも手に入れたいのであれば、450psのパワーに8速ツインクラッチ・オートマティックギアボックスを組み合わせたカレラが唯一の選択肢となるが、それでもリア駆動か四輪駆動(新型クラッチを介して四輪を駆動させる)を選ぶことができ、さらに、ボディ形状もクーペかコンバーチブルが選択可能だ。

トルクベクタリング式電動リアディフェレンシャルロックとPASMアダプティブダンパーは標準となるが、車高を下げたサスペンションキットはオプション扱いだ。


56年の歴史を持ち、100万台以上の販売台数を誇るこのスポーツカーのアイコンでも、2019年の新型モデルらしく、四輪操舵とアクティブアンチロールバー、さらにはカーボンセラミックブレーキがオプション選択可能となっている(テスト車両のカレラ4Sには、この3つすべてに加え、PASMスポーツスプリングが組み込まれていた)。

さらに高価なプライスタグを掲げ、より特徴的なスペースフレーム構造と、ハンガリーのジュール工場で手作業で組み立てられる自然吸気V10エンジンを搭載しているにもかかわらず、アウディR8がスペック上で新型911を凌ぐことは難しいだろう。

乾燥重量1660kgと、R8は911に比べ100kgほど重く、パワーウェイトレシオでは大きく凌ぐものの、トルクウェイトレシオでは新型911にわずかながら及ばない。さらに、駆動するタイヤの数はポルシェと同じだが、ステアリングとサスペンションに使われている技術は最新のものではない。

見事なキャビン

一方のロータスだが、そのアルミニウム製タブとリア駆動というレイアウトによって、ポルシェよりも200kg以上軽く、全高も100mm近く低い。アクティブアンチロールバーや四輪操舵システムなどは持たないが、そんなものが不要であることは、エヴォーラを運転してみればよく分かるだろう。911とはまったくタイプの違うクルマなのだ。

歴代の911は、極めてシンプルでビジネスライクなキャビンが特徴であり、多くにとってはそれが魅力でもあったことを考えれば、新型911が、そのデザインや素材、インテリアに使用されているテクノロジーといった点で、R8と互角の勝負ができるとは思わないだろう。確かに、実際にこのクルマのキャビンへと乗り込むまでは、それは正しい考えかも知れない。

だが、992のキャビンは先代モデルよりも大幅に高級感を増しており、ドライバーの眼前には、まるで大きく翼を広げた翼のような、彫刻的で精巧な仕立てのダッシュボードが広がり、見事なルックスを持つセンターコンソールがトランスミッショントンネルを覆っている。


メタリックとグロスブラック仕上げが上手く配置され、高級でソリッドな操作感を持つスイッチ類には、滑り止めとして見事な金属加工が施されており、低くタイトなものの、快適で完ぺきなサポートを見せるドライビングポジションも素晴らしい。

さらに、アナログとデジタルをうまく融合させたインストゥルメントとインフォテインメントシステムは、最高の出来栄えと言えるだろう。ドライバー正面には依然としてアナログ式タコメーターが収まる一方で、その両側に設置されたスクリーンではさまざまな表示設定を行うことが可能だ。

PCMセントラルインフォテインメントスクリーンのサイズは横長10.9インチにまで拡大され、驚くほど自然にダッシュボードに設置されているが、ちょうど影になる位置であり、太陽光の反射も気にならない。その操作はタッチスクリーンでも、ロータリー式ダイアルからでも行うことができる。

10年分の変化

992のインテリアは、非常にモダンでハッキリと高級スポーツカーの領域へと足を踏み入れており、多くの点でアウディさえも上回っている。

R8のキャビンでは、より多くのレザーとサテンクローム仕上げを目にすることができるが、快適性という点では十分ではなく、使い勝手や、全方位の視界にも不満が残るとともに、新型911ほどのソリッドさや高級感を感じさせてはくれない。さらに、アウディのバーチャルコックピットのインストゥルメントはさまざまな設定が可能で、視認性にも優れるが、必要な情報を相応しい場所には表示してくれないのだ。

路上ではコンパクトに感じるそのボディサイズと、長距離移動の快適性によって、新型992は簡単に最初のテストをパスしてみせた。R8を上回る居心地の良さを感じさせ、取り廻しもはるかに容易だ。

では、ドライバーアピールに関する次のテストはどうだろう? これは厳しい戦いになるだろう。ヘーゼルからエヴォーラを呼び寄せた瞬間から、この10年選手のロータスが、真のハンドリング性能を新型911に見せつけることで、もしかしたら、ポルシェは失望を味わうことになるかも知れないと考えていた。


だが、GT410スポーツは、10年前に深く心酔したエヴォーラとはもはやまったく違うクルマだ。この最新のエヴォーラは、2009年のハンドリングデーに突如として登場し、アストン マーティンV12ヴァンテージや997世代のポルシェ911 GT3、ランボルギーニ・ムルシエラゴといったライバルたちを完膚なきまでに叩きのめした時ほどの、熟成やしなやかさ、本能的な落ち着きを感じさせてはくれない。

その後の10年で、エヴォーラはより過激で、断固たるモデルへと変貌を遂げているが、それでも、このクルマと一体になりさえすれば、ドライバーはその素晴らしさを味わうことはできるのだ。この10年でエヴォーラが得たものと失ったものとを受け入れる準備ができていれば、このクルマはアウディR8よりも、さらには、わずかながらもポルシェ911カレラ4Sをも凌ぐ、ドライバーアピールを感じさせてくれる。

もちろん911に比べれば、最初はエヴォーラのほうがより多くの緊張を感じさせ、ドライバーの忍耐力を試そうする。エヴォーラは乗り込むのにも苦労し、さらに、キャビンからの視界は限定されており、クルマとの一体感を感じるにも多くの努力が必要となる。

最高のハンドリングマシン

エヴォーラではすべてのギアシフトで、タイミングの良いダブルクラッチと、2段階のシフト操作が必須であり、シフトダウンではブリッピングが求められる。そして、このV6エンジンではトルクが不足しているため、ドライバーは常により多くのシフトダウンを行う必要があるのだ。

911の8速PDKギアボックスにこれ以上の進化など望めないだろう。そのシフトチェンジはほとんどシームレスで、3.0ℓフラットシックスが発揮する豊かなトルクは、時に変速そのものを不要にしている。

それでも、ロータスで完ぺきなダウンシフトを決め、V6エンジンを7000rpmまで回して、その咆哮を響かせることができれば、思わず自分のことをエマーソン・フィッティパルディだと思うかもしれない。

確かに、911のパワートレインはフレキシブルで、滑らかな回転上昇と優れたレスポンスを併せ持ち、多くの魅力に溢れてはいるものの、エヴォーラほどの刺激は味わわせてくれない。


素晴らしく機敏なハンドリングと、コーナーでの落ち着きという点では、911とエヴォーラの間に差など無く、911の重量や重心位置の高さがもたらす不利も、その見事なサスペンションと四輪操舵技術がカバーしている。

ポルシェが履くグッドイヤー製タイヤは、ウェット路面で非常に安定した挙動を見せる一方で、ロータスのミシュラン・カップ2は、十分に温めた状態であれば、ドライではさらに優れたグリップを発揮し、それだけで、エヴォーラのステアリングを握るドライバーに、このクルマとのさらなる繋がりを感じさせる。

だが、エヴォーラの見事な走りを味わうためにもっとも重要なのが、車両の状態や路面状況、さらには道の混雑度合やドライバーの自信といったものであり、こうしたものが揃って初めて、このクルマは最高のパフォーマンスを見せてくれるのだ。

シャシーとステアリングからは多くのフィードバックがもたらされ、サイド方向のグリップとハンドリングのレスポンス、さらにはそのコントロール性が、路面の滑らかなタイトな高速コーナーを、このクルマにとって最高の舞台にしている。

史上最高の911

その結果、その差はわずかながら、見過ごすことのできないものであり、992はエヴォーラほど純粋なドライビングの喜びを味わわせてはくれない。だが、実際に所有するとなれば、エヴォーラよりも、911の抑制の効いたダイナミクス性能を選ぶドライバーのほうが多いだろう。

さらに、992シリーズでもさらに走りを極めたモデルが登場することは明らかであり、カレラ4Sに究極のスリルを求める必要などないのだ。

さまざまな条件で、この新型992は非常に優れた能力を発揮し、路面不整に遭遇しても見事な乗り心地を見せるとともに、シャシーと深く結びついたそのダイナミクス性能は、ライバルたちのはるか先を行っている。

992が持つハンドリングの切れ味の鋭さは、991世代のはるか以前から受け継がれてきたものであり、この誰もが知る伝統のリアエンジンモデルは、そのハンドリングのカリスマとしての地位を保ち続けている。


初めて911のステアリングを握ったのは22歳(ラッキーだと思わないだろうか?)のとき、素晴らしく素のままの996世代のカレラ2のマニュアルモデルだった。シャシーが反応すると同時にノーズが沈み込み、コーナーリングラインをトレースしたまま、そのリズムに合わせてステアリングの重みが滑らかに変化していく様子に感激したのを覚えている。

コーナー途中で路面不整に遭遇した時の996と同じ挙動を味わうには、さらに大きめの路面不整とさらなるスピードが必要とは言え、新型992もまったく同じような挙動を見せるのだから、古の技はいまだ健在であり、その輝きを失っていないということだろう。

では、今回のグループテストで何が分かったと言うのだろう? それは、新型ポルシェ911は先代よりも優れたドライバーズカーであり、ひとびとの歓声に値するモデルであると同時に、これまで以上にクラストップの座に相応しい存在だということだ。確かに、今度の911は大きな進化を遂げている。

世界最高の実用性と全方位の魅力に優れた熟成のスポーツカーは、さらにその実力を磨き上げ、911史上最高のモデルとして登場した。

テスト車のスペック

ポルシェ911カレラ4S

■価格 9万8418ポンド(1433万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 306km/h
0-100km/h加速 3.6秒
■燃費 9.1~9.6km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 未発表
■乾燥重量 1565kg
■パワートレイン 2981cc水平対向6気筒ツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 450ps/6500rpm
■最大トルク 51.1kg-m/2300-5000rpm
■ギアボックス 8速ツインクラッチオートマティック


ロータス・エヴォーラGT410スポーツ

■価格 8万5900ポンド(1251万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 299km/h
0-97km/h加速 4.2秒
■燃費 9.5km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 239g/km
■乾燥重量 1361kg
■パワートレイン 3456cc V6スーパーチャージャー
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 416ps/7000rpm
■最大トルク 41.8kg-m/3000-7000rpm
■ギアボックス 6速マニュアル


アウディR8 V10クーペ

■価格 12万8200ポンド(1867万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 323km/h
0-97km/h加速 3.4秒
■燃費 7.5~7.6km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 未発表
■乾燥重量 1660kg
■パワートレイン 5204cc V10自然吸気
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 570ps/8100rpm
■最大トルク 57.1kg-m/6300rpm
■ギアボックス 7速ツインクラッチオートマティック


番外編:ユーズドモデルをご紹介

ポルシェ911(997)


比較的新しく、依然として高い人気を誇る997は、歴代911なかでも狙い目のモデルだ。見事なパフォーマンスでドライバーを楽しませてくれる2009年登場のフェースリフト版がお勧めであり、それまでのモデルに比べ、数々の改良が施されていた。Sよりは安価なものの、スタンダードなカレラはいまだその輝きを失っておらず、2万ポンド(291万円)からコンディション良好な1台を選ぶことができる。

初代アウディR8


初代R8の登場は衝撃であり、その驚異的なパフォーマンスと機動性は、421psを発揮するミッドマウントされたV8エンジンと、リア優先のクワトロ四輪駆動システム、さらには、軽量低重心なアルミニウムボディがもたらしていた。後には、パワーが向上するとともに、見事なサウンドを奏でるV10モデルも登場している。マニュアルギアボックス搭載の初期型V8モデルがお勧めであり、3万4000ポンド(495万円)以下から見つけ出すことができる。

ロータス・エヴォーラ(2009年~現行)


最高のハンドリングとともに、最悪の路面すら寄せ付けない驚くべき能力を誇るロータス・エヴォーラは、まさに通好みのモデルだ。初期モデルでも、フェースリフト後の400でも、軽量なスポーツ410でも、GT430でも、どのモデルを選んでも、B級路でこのクルマに敵うものなどいない。初期モデルであれば2万8000ポンド(408万円)から存在しているが、改良されたギアボックスを搭載するフェースリフト版を手に入れるには6万ポンド(874万円)近くを支払う必要がある。

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