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ニューモデル 2019.4.7

消えゆく小型ハッチ ビジネスの足かせ? 絶滅の危機、救うには

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もくじ

ー シティカーを守るには
ー 複数のブランドで協力
ー すべてのシティカーをEVに
ー カーシェアリング
ー 新しいモビリティサービス
ー これからもシティカーは必要

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シティカーを守るには

状況ははっきりと苦しい。「もしヨーロッパでさらに法律が厳しくなれば、フォルクスワーゲン・アップサイズで採算がとれるクルマはなくなるでしょう」先のジュネーブ・モーターショーで本誌に語ったのはフォルクスワーゲン営業マーケティング部門トップのユルゲン・スタルクマンだ。

これは自動車業界の至る所で呟かれていることだ。CO2排出量を減らし、最低安全基準の引き上げを定めた法律がもうじき施行され、これによってただでさえ薄利で販売されていたモデルのコストも更に引き上がる恐れがある。シティカーは絶滅の危機に瀕しているのだ。

ある情報筋によると、とあるシティカーを販売してもメーカー、販売店が得る利益はわずか100ポンド(1万5000円)ずつだという。整備でも100ポンド(1万5000円)ほどの利益が得られるというが、シティカーは比較的安価でランニングコストも安いので、2年以上認定フランチャイズネットワークを使う顧客はほとんどいない。そのため利益を得る機会を失っている。

では、シティカーを守るにはどうすればいいだろうか。

複数のブランドで協力

VWグループはほとんど同一モデルのアップ、セアト・ミー、シュコダ・シティゴーを販売することでスケール化し、利益をあげる方向性だ。ピークだった2013年にはヨーロッパで、3つのモデル合わせて年間20万2000台が販売された。それでもスタックマンによると、製造で利益を確保する程度の販売台数を達成することに必死だという。

ジュネーブ・モーターショーでの新顔といえば、フィアットクライスラーオートモーティブはパンダを電気自動車として生まれ変わらせた。社長のマイク・マンリーは、必要性は発明の母になりうるかもしれないが、そのためには会社を超えた協力が必要だと考えている。

「このセグメントがなくなることはありません」と彼はいう。「クリエイティブに、さまざまな条件を満たして行くことができるはずです.協業もそのひとつかもしれません。ギャップを埋める存在がいるはずです」

退任間近のトレバー・マン三菱CEOは国際戦略車としてのミラージュの後継が話題に上がった際、このアプローチの問題点を指摘している。「もしアジアとヨーロッパのどちらにも出荷する場合、どちらにとっても満足いかないものになるのは間違いありません。スペックが片方にとっては高すぎ、もう一方には低すぎるのです」

すべてのシティカーをEVに

ジュネーブで出品されたシティカーすべてをEVとしたフィアットは、来年ローンチされる新型500も電動モデルになると明かした。強調されなかったが、ガソリンエンジンを搭載している現行500もは併売されるという。

抑えておきたいのが、500はファッショナブルでパーソナライズオプションが豊富な分、ほとんどのシティカーよりも高額だという点だ。

しかし、マンはシティカーが電動化する未来も想定している。彼が例に挙げたのは日本の軽自動車市場だ。「わたしたちは軽自動車向けの電動化技術の開発を検討しており、そのすべてを応用できるか見極める必要があります」

「軽自動車の法規制にはいくつかのアドバンテージが設定されていますが、他の地域でも同様の制度を適用することができるはずです」

カーシェアリング

他にもシティカーをあきらめないCEOはいる。欧州ルノーのジャン・クリストフ・カグラーだ。

「わたしはこのセグメントについて深く調査するようわたしのチームに指示を出しています。多くの自動車メーカーがこのセグメントを諦めていますがわれわれのカスタマーからのニーズはまだあります」

電動化やコネクティビティ、自動運転技術によって社会が劇的に変化する中に、シティカーの未来はある彼は考えている。

「主要な都市でどのような革命が起きているのか見てみましょう。例えばカーシェアリングです。このサービスにはどのような役割があるのでしょうか。正直まだわかっていません。だからこそわれわれは調査しているのです。調査の結果によってはトゥインゴがもっと成功の見込めるモデルになる可能性だってあります」

新しいモビリティサービス

もしこれまでの解決策功を奏さない場合、これら3つを組み合わせればいいと考えるのがセアトのルカ・デ・メオCEOだ。ルノー・トゥイージーに似た風変わりなセアト・ミニモのようなモデルで、小型で比較的安価な電動自動車をすぐにレンタルできるサービスがあればシティカーは生き残れると彼は考えている。

「これまで以上に安いモデルではカスタマーにとってもわたしたちのビジネスにとってもうまくありませんが、より目的に応じた乗り物を1キロ当たり20セントで借りることができたらどうでしょうか」

「このシステムによってユーザーの利用頻度が高まり、1日に240kmから360km程度稼働すれば、3年間で1万5000ユーロ(189万円)ほどの利益になります。これなら自動車を販売するよりもより利益が見込めます」

問題は、トゥイージーが8000ポンド(116万円)に加えてバッテリーレンタル料がかかる一方で、ミーは1万ポンド(145万円)以下で購入することができる点だ。この計画を成功させるには、ミニモの製造コストを十分に抑える必要がある。

これからもシティカーは必要

シティカーはSUVほど利益は見込めないかもしれないが、環境保全と増加する都市でのカーシェアリングの需要という自動車業界が抱える問題の解決策としては完璧な存在だ。

世界最大のEV市場で、排出ガスの問題を抱える中国で、販売されているEVの30%がシティカーであるのも偶然ではない。中国市場はこれからの世界の将来を示しているのだ。

時間はかかるかもしれない。だが、シティカーの生き残りにはこのほかに道がない。昨年シティカーのCO2排出量は欧州全体で105.5g/kmだった。2017年からは1.6g/km増加しているが、それでも一番低排出量のセグメントであることは間違いない。これに対して小型SUVは平均122.3g/kmだ。電動かに思った以上の時間がかかっている今、シティカーは短中期的な排出量削減に欠かせない存在だ。

実は欧州でのシティカー販売は堅調で、ここ7年は115万台から125万台をキープしている。2018年の市場シェアは8.9%から7.8%まで低下したものの、2000年から2007年よりは高いレベルだ。

シティカーの半分近くはレンタカーや社用車なため、他のセグメントに比べると利益率が低い。しかし、労働力が安い地域の工場で生産されたり、合弁企業で開発されていることを考えると、その一部は相殺されるだろう。

シティカーには確実に未来があるのだ。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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