もくじ
ー 2021年後半 納車開始の予定
ー FlexFoil(フレックスフォイル)とは
ー エンジン 自社開発V6ターボ
『アストン マーティン・プロジェクト003』すべての画像をみる
2021年後半 納車開始の予定
アストン マーティンは、ジュネーブモーターショーにおいて、プロジェクト003と呼ばれる第3のモデルを発表した。F1テクノロジーが惜しみなく投入されたこのモデルは、数量限定で生産される。
アストン マーティン・デザイン・ディレクターのマイルス・ナーンバーガーは、「プロジェクト003は、アストン マーティン・ヴァルキリーの影響を強く受けていますが、まったく独自のクルマです。わたし達は、プロジェクト003で、アストン マーティンの血統を正統に受け継ぐために熟考を重ね、同時にヴァルキリーのエッセンスをさらに色濃く抽出することに力を注ぎました」と説明。
また、「わたし達は、アストン マーティン・ヴァルキリーの開発でエイドリアン・ニューウェイと一緒に作業を行ったことで大きな影響を受けました。このクルマには、すべてのアプローチにその姿勢が反映されています」とコメントした。
特徴的なフロントエプロンと大型のリア・ディフューザーを備え、フロア下を流れるエアから強力なダウンフォースを生み出す。さらに、プロジェクト003は、次世代航空機のモーフィング・テクノロジー(翼全体を滑らかに変形させながら飛行する技術)を応用している。
FlexFoil・・と呼ばれるこの技術は、広範囲におよぶ性能、音響飛行試験を通じてNASAによって検証されており、アストン マーティンは、この最先端の航空宇宙技術を自動車業界で初めて採用するメーカーとなる。
FlexFoil(フレックスフォイル)とは
本システムは、エレメント全体の物理的な角度を変えずにクルマのダウンフォースを変化させ、ハイパフォーマンス、効率の向上、そして風切り音の少ないシームレスなデザインを実現。現代における “最先端” のアクティブ・ウイング・デザインに見られる乱流や、それに伴う空気抵抗の増加も事実上排除される。
生産デザインでは、従来のリアウイングよりもさらに大きな前端および後端の “たわみ” が可能になり、車両の走行条件の変化に対してリアルタイムで反応するために、作動レートも大幅に引き上げられている。
また、アストン マーティン・ヴァルキリーとプロジェクト003の最大の違いの1つは、コックピットの大きさだ。その理由は、利便性と快適性を向上させるというデザイン・コンセプトが採用されたことによるもの。プロジェクト003は前方へ開くLMP1スタイルのドアを採用。ルーフ・セクションもドアと一緒に移動するため、乗り降りが容易である。
運転席と助手席の間隔を広げるために、センターコンソールの幅が広げられ、ラゲッジスペースはシート後方のフロアからアクセスすることが可能。財布や携帯電話といった小物を収納するためのスペースも設けられている。
コクピット自体は、“アペックス・エルゴノミクス” と呼ばれるもので、ドライバーの背中、ステアリングホイールとペダル類の中心が、完全に整列。ステアリングコラムに取り付けられたディスプレイは、ステアリングホイールのリムによって遮られることのない非常に優れた視認性を提供する。
インテリアの素材は、ウッドやレザーなどを使用しなくても、軽量な構造、先進的なデザインと製造技術(最先端の3Dプリントを含む)を適用することで、高い価値を備えたインテリアを実現。3Dプリンターによって製造されたセンターコンソールは、機能スイッチを内蔵しながらも、重量を50%も削減することに成功した。
エンジン 自社開発V6ターボ
プロジェクト003の技術的な詳細は、開発プログラムが進むにつれて明らかになっていくという。既に判明していることは、完全新開発のアストン製V6ターボ・ハイブリッド・エンジンが搭載されるということ。これによってアストン マーティンは、エンジンを自社製造するメーカーへと復活を遂げた。
Nexcel(ネクセル)シーリング・オイル・システムの装着は、画期的だ。このオイルカートリッジは、わずか90秒以内に交換することが可能で、交換されたオイルはその後精製されて再利用される。
サーキット専用モデルのアストン マーティン・バルカンに初搭載され、その性能と耐久性を証明するため、数多くのニュルブルクリンク24時間キャンペーンが実施された。アストン マーティンAM-RB 003は、Nexcelシステムを搭載した、公道走行可能な世界初のクルマである。
プロジェクト003は、ヴァルキリー直系のモデルとして、軽量なカーボンファイバー構造を基盤に製作され、最高のエアロダイナミクス効果を実現するために、カーボンファイバー製のボディを纏う。アクティブ・エアロダイナミクスとモーフィング・エアロサーフェイスを特徴とするプロジェクト003は、公道走行可能な車両パッケージとしては、驚異的なレベルのダウンフォースを発生。プロジェクト003には、ヴァルキリーと共通のコンセプトを備えたアクティブ・サスペンションと電子制御システムも移植された。
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