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ニューモデル 2019.2.26

トラックのダウンサイジングエンジンの目的は燃費ではない…UDトラックス

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欧州車を中心とするダウンサイジングターボの潮流は、すでに定着してひとつの車両モデルとなっている。同じ潮流は商用車、とくにトラックにもある。長距離、大積載量が求められるトラックのダウンサイジングエンジンの意味は、乗用車のそれとは少し異なる。

◆トラックのダウンサイジング

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一般的に、乗用車のダウンサイジングエンジンは、環境性能と燃費の向上が目的とされる。同じサイズの車両に、ワンランク下の車両向けのエンジンに高域重視の過給器(ターボやスーパーチャージャー)を搭載する。こうすることで、ミドルクラス以上の中間加速や高速走行を犠牲にせず、小排気量化による市街地での燃費向上を狙っている。

トラックにおいても、2015年前後から中型トラックのエンジンを4リットルから9リットル程度のディーゼルターボに同じボディに換装する動きが活発だ。日野は『レンジャー』に5リットルエンジン、『プロフィア』には9リットルエンジンのモデルを投入している。いすゞは7.8リットルのツインターボエンジンを『ギガ』に載せた。三菱ふそうは7.7リットル『スーパーグレート』、4リットル『ファイター』を2017、18年に発表している。

トラック業界におけるダウンサイジングは、ディーゼルエンジンの部品精度の向上、制御技術の向上、新素材の投入などによる小型化という技術背景と、運送コストに直結する燃費、環境規制対策という市場・社会ニーズによって普及が広がっている。この部分では、乗用車のダウンサイジングブームと背景は同じといってよいが、商用車にはもうひとつ重要な視点が存在する。

◆商用車の本質は輸送効率

トラックやバスは、荷物や人を運んでこそ意味がある。輸送効率、生産性能向上は、燃費性能、メンテナンスフリー、サービスサポート体制などによっても努力がなされているが、効率アップにもっとも効果的なのは、積載量の増大だ。トラックの効率は、本質的に一度にたくさん運べるほうが効率がよいというシンプルな話だからだ。

トラックの積載量は車両総重量で制限されている。20トン車なら車体、定員、荷台に積載する荷物を含めた重さの制限となる。車両が軽いほどたくさん荷物を積める理屈だ。つまり、トラックにおけるダウンサイジングの効果は積載量のアップも重要なポイントといえる。

ダウンサイジングトラックの中で、この積載量アップを特にこだわりを見せているのが、UDトラックスの8リットル『クオン』だ。エンジンは可変容量式ターボを搭載したGH8TA。総排気量7.697リットル。最大出力263kW(357PS)/2200rpm。最大トルク1428Nm(145.6kgm/1200~1600rpm)。

◆軽量化=積載量アップのためのダウンサイジングエンジン

UDトラックスは、上から11リットルエンジンまではラインナップしていたが、10リットル以下のエンジンについては、8リットルエンジンが、海外モデル『クエスター』やモーターショーでの参考展示モデルに限定されていた。1月にようやく国内販売が開始された8リットルエンジン搭載クオンは、カーゴタイプで500~700kgの積載量アップを実現している。この数字は、「パーフェクトクオン」と呼ばれる、メーカーが用意した仕様の架装(荷台・荷室)でのものだ。

同様にダンプタイプの高積載仕様車は1万0400kg(標準仕様では9800kg以上)の設定がある。ミキサー車では、ドラム容量が4.5立法メートル(高積載仕様。標準仕様は4.4立方メートル)を実現している。

同クラスのダウンサイジングトラックの場合、通常の積載量アップは300~400kg程度のところ、8リットル・クオンの積載量アップは大きい部類に入る。同社によれば、エンジンの小型化だけでなく、11リットル・クオンでこれまで行ってきた軽量化の施策や技術によるものだという。8リットルクラスのエンジンとしては、国内業界で最も遅い市場投入となったUDトラックスだが、ディスクブレーキの採用やコンプレッサーの小型化など細部の工夫により、その遅れを帳消しにする積載量を確保してきた形だ。

◆GH8+ESCOT-VIによりスムースな加速を実現

ダウンサイジングエンジンの欠点のひとつに、エンジン特性の問題がある。ダウンサイジングエンジンは、通常より小型で非力なエンジンを搭載し、車重に見合わない分をターボなど過給機によって補う設計となっている。燃費や環境性能のため、ターボやエンジンの制御は、加速時などパワーが必要なとき以外はなるべく過給しないようになっている。

制御は各社の工夫と味付けに依存するが、燃費を優先させると扱いにくいエンジンとなる傾向がある。ターボを効かせればそこそこ走ってくれるのだが、街中や上り勾配でトルク不足を感じてしまう。結局、高回転を維持しがちとなり燃費が思ったほどよくならないことがある。

燃費・パワー・トルクを走行状態に応じて最適な制御が求められる。この対策は、エンジンとトランスミッションの制御の組み合わせで行うことになる。UDトラックスの場合、クラッチ操作とギアチェンジを自動で行う「ESCOT-VI」が威力を発揮する。大型トラックのオートマチックトランスミッションは、トルコンやCVTではなくAMTと呼ばれるマニュアルトランスミッションを機械が制御する方式が一般的だ。

UDトラックス(ボルボグループ)のESCOT-VIは、その制御技術に定評がある。今回の取材では、テストコースでの試乗も行われた。8リットル・クオンは、同クラスのダウンサイジングトラックと比較しても加速、ギアチェンジのスムースさが違う印象だ。坂道発進、同加速、微速後退でストレスを感じることは少なかった。

ただし、小排気量のエンジンのため、坂道発進や加速時のエンジン回転数は高めの制御を行っている。発進加速は、他社のAMTに比べて「ひっぱる」感じだ。その分、ギアチェンジでのトルク抜けは少ないが、燃費が少々気になる。11リットル・エンジンより悪くなることはなさそうだが、トラックのダウンサイジングは、燃費よりも軽量化による積載量アップが優先という事業者にはクオンはよい選択肢となるはずだ。

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(レスポンス 中尾真二)

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