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ニューモデル 2019.2.20

試乗 ボウラー・ブルドッグV8SC 見た目は110 575psを手懐けるシャシー

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もくじ

どんなクルマ? 
ー 公道が不釣り合いな佇まい
ー 外見はディフェンダー110でも、中身は別物
ー レンジローバー・スポーツSVRと同じV8
どんな感じ? 
ー 驚かされるステアリングの正確性
ー 劇場型ユニットを手懐けるシャシー
ー 並外れたコントロール性能
「買い」か? 
ー 富裕層に受ける可能性もなくはない
スペック
ー ボウラー・ブルドッグV8SCのスペック

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どんなクルマ?

公道が不釣り合いな佇まい

台所の窓から外を覗くと、庭先に置いてある野鳥用の水飲み皿にハゲタカがとまっていたら、目を疑うに違いない。このボウラー・ブルドッグも初めて見ると、そんな感覚に陥る。国道沿いのガソリンスタンドで給油している最中に、このクルマ入ってきたら、間違いなく二度見するだろう。ナンバープレートがついているから、公道の走行が許されているわけだが、そのクルマの佇まいからはにわかに信じがたい。

この最新のV8エンジンを搭載したラリーレイドのプロトタイプの実力を確かめなくても、少なくともクルマの形だけを残したシルエット・レーサーとしては成り立っている。ディフェンダー110とホイールベースが同値で、ボディパネルの一部と直立したフロントガラス、ダッシュボードなどを共有してはいる。しかし、クルマ全体で見ると、その割合は数%といったところ。一方で、ボウラー・ブルドッグはより高級なロードカーとしても見ることができる。

その理由は、ダービーシャーを拠点とするボウラー社は、従業員は40名にも満たず年間の生産可能台数も20台という規模ながら、ブルドッグが丁寧に作られたハンドメイドのクルマだということ。しかも同社は、製造能力を大きく超える高い技術力を備えているのだ。

外見はディフェンダー110でも、中身は別物

このブルドッグは、モロッコの砂漠で全開走行中に横転しても耐えられるように、オリジナルのグラスファイバー製のボディにはロールゲージ構造が内蔵されている。さらにそのボディの内側には、ランドローバー製のラダーフレームではなく、ボウラー社が開発したレザーカット・アルミニウムによるクロスセクション・プラットフォームが隠れている。

シャシーの限界性能を解析するために半年に及ぶテストを行った結果、視覚的にも美しい、複雑な格子状の構造を備えることになった。サスペンションのストラットはキャビンに露出し、大きなトランスミッショントンネルが車内を貫く。シャシーのねじり剛性はディフェンダーの4倍を誇り、200kg軽量なブガッティEB110が持つボディ剛性の2/3に迫る。

また、実用性の高いディフェンダーの改造車を受け入れる市場も備わっている。ブルドックはディフェンダーと瓜二つだが、そのパフォーマンスは無敵とすら思えるほど。特注のプラットフォームには、レンジローバーのサブフレームがボルトで固定されており、ガソリンかディーゼルのV6エンジンだけでなく、JLR製のスーパーチャージャーを搭載した5.0ℓV8エンジンも選択が可能となっている。競技目的の場合、1600kmを超える航続距離を得るために、225ℓの燃料タンクも選ぶひとも多いという。

とはいえ、このクルマを高級なロードカーとして日常使用するひとは、かなり変わったエンスージャストくらいだろうけれど。

レンジローバー・スポーツSVRと同じV8

レンジローバー・スポーツSVRと同じスーパーチャージャー付きのV8エンジンを、575psの最高出力を発揮する状態で、このボウラー・ブルドッグにも組み込めるのだが、500kgほど重いレンジローバー・スポーツSVRでさえ、0-100km/h加速に要する時間は4.3秒だった。このボウラー・ブルドッグが発揮するであろうパフォーマンスを想像すると、興奮と不安で混乱してしまいそうだ。

冷静になるために、少しスペックを見てみよう。リミテッド・スリップデフがフロントとリアに備わり、4種類の設定を選択ができる。ブレーキはレンジローバー・スポーツのものと同じ、ブレンボ製。車内にはレンジローバーと共通のパーツも少なくない。例えば、ステアリングコラムやシフトノブ、電子ハンドブレーキなどは、クルマの雰囲気に似つかわないほど上品だ。

それと好対照なのが、モーテック製のモニターと、燃料火災用の消化器。ドライビングポジションはアップライトで、快適ではあるものの、スパルタンさは隠せない。ブレーキペダルは左足で踏む前提のレイアウトになっている。

コブラ製のバケットシートは、ディフェンダーよりも車両中央寄りにセットされ、ステアリングを思いっきり操作しても、肘をドアにぶつけて痺れる心配はない。ブルドッグが岩がごろついた荒野を160km/h以上で駆け抜けることを前提に考えれば、人間工学的には良くできているといえる。それでは、試乗をスタートしてみよう。

どんな感じ?

驚かされるステアリングの正確性

もちろんナンバー付きだから、堂々と一般道を走れる。コーナーをいくつか抜ければ、ブルドッグがどんなコーナリング性能を持っているのか、理解できる。真っ先に驚かされるのが、舗装路でのセッティングの洗練度の高さで、ダートコースを飛ばす前提のクルマだとは信じ難いレベルだといえる。

このままレースに出場できる状態のモデルだけあって、サイレンサーの付かないサイド出しのマフラーからは咆哮が響き、左ハンドルだから左側の鼓膜と、ポリカーボネート製の窓を絶え間なく直接打ち叩いてくる。ただし、耳障りな音域はうまくトリミングされている。

エンジンやトランスミッションと同様に、ラック・アンド・ピニオンのステアリングラックもレンジローバー・スポーツのもので、入力に対する正確な反応は、ドライビング体験の中でも驚かされるポイントのひとつ。スチール製のサスペンションに負荷が掛かった状態でも、指先での僅かな操作に反応してくれる。耐久レースでは特に、操作系の重さは体力を消費する原因となるから、ステアリングの重さも、意図的に軽くクイックな設定となっている。

この幅の広いクルマを正確に操れることがわかり、ブレーキにも不安がないことが確認できれば、次はエンジンの番。FタイプSVRのような低い金属的なグワ―ッというサウンドが楽しい。アクセルペダルのストロークは長めながら、レスポンスも良い。

劇場型ユニットを手懐けるシャシー

このエンジンのピークは6000rpmだが、この領域になると、グラスファイバー製のボディから飛び出すのではないかと思うほどの劇場型ユニット。レース前提のエンジンだけあって、始動直後のアイドリングは荒々しいし、給油するだけでも特別感がある。公道を走れるラリーレイド・マシンとして、コンセプトにも合致するし、カリスマ性すら感じられる。

しかし、エンジンは一発で目を覚まし、アイドリングはすぐにスムーズな状態に落ち着く。スーパーチャージャー付きのV8は、1800kgある車体を軽々と動かす。英国郊外の小さな町を穏やかに流すことも難しくはないが、うっかり石積みの壁をなぎ倒してしまわないかと、心配し続けることにはなるけれど。

どのくらい速いかというと、恐らくコーナーではアウディRS4に置いて行かれると思うが、次の開けた直線で、間違いなくRS4に追いつけるだろう。ZF社製のATのセッティングはランドローバー社が行っていることもあり、まばたきする間にシフトチェンジが完了するということはないが、変速はスムーズ。むしろ、シフトアップ後のトルクの盛り上がりが強調されるから、ドラマチックさを楽しめる。素早くシフト操作をしようとしても、僅かなタイムラグが間に挟まってしまうのだが。

この強力なパワーを秘めながら、暴れることなくコーナーをすり抜けていくコントロール性は、素晴らしいの一言。ボディロールは生じるものの、抑制されており、その発生度合いも自然。通常のディフェンダーを運転する感覚とはまったく異なる。全方位的なダイナミクス性能という点では、多くのメカニカルコンポーネンツを共有する、レンジローバー・スポーツに似ているようには感じられた。

並外れたコントロール性能

今回のテスト車両にはアンチロールバーが備わっておらず、ブルドックでサーキット走行を楽しめるのか、疑問が残るところは確かだ。しかし、パワーに物をいわせてオフロードを走り回る体験は、愉快に尽きる。同じ「110」にまつわるクルマだとはいえ、過酷な環境においては、まるでアルピーヌA110かのような味わいを得られることは、予想もしていなかった。

迫りくるコーナーでアンダーステアを回避する最も効果的な方法は、できるだけ早い段階で、スロットルを積極的に使うこと。シャシーが持つ並外れたコントロール性と調整の効く懐の深さは、驚異的だといえる。

リアサスペンションのストローク長は300mmもあり、フロント側もわずかに少ない程度。ビルシュタイン製のツインスプリング・リモートリザーバー・ダンパーが激しい衝撃でも丁寧に吸収し、クルマの安定性とコントロール性を支えている。

ノーズヘビーな四輪駆動モデルだから、リアタイヤが滑り出しても安定志向が強いが、それに打ち勝つ充分なパワーを加えていけば、派手な4輪ドリフトを満喫することもできるだろう。ブルドッグの走行ペースを高める程に、クルマのスムーズさは増していき、シャシーのポテンシャルの高さを実感できる。モロッコでもないのにジャンプを決めてみたが、滑りやすい路面に大きくボディが沈み込んだ程度だった。

「買い」か?

富裕層に受ける可能性もなくはない

ボウラー・ブルドッグにはデジタルラジオやパワーウインドウ、通常の3点式シートベルトを付けることもできるし、ロードマナーも高い完成度を備えている。これに小さなものでいいから、サイレンサー付きのマフラーを装備すれば、日常的に利用することも不可能ではない。

世界中の、クルマにお金を自由に使える裕福な層にとって、大排気量版のブルドッグは興味をそそる存在だろうし、恐らく信じられないほどの信頼性と、多様な実用性をも備えている。

もしボウラーがダカール・ラリーの雰囲気に拘っているのなら、少し見方を変えてみてほしいと思う。V8エンジン版はまだプロトタイプだが、完成度は既に高い。せっかくだから、インテリアはより豪華に仕立てても良いのではないだろうか。

ボウラー・ブルドッグV8SCのスペック

■価格 未定
■全長×全幅×全高 -
■最高速度 209km/h
■0-100km/h加速 4.0秒
■燃費 7.4km/ℓ
■CO2排出量 -
■乾燥重量 1800kg
■パワートレイン V型8気筒5000cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 575ps/6000-6250rpm
■最大トルク 71.2kg-m/3500-4500rpm
■ギアボックス 7速オートマティック

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