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これはスーパーSUVの最右翼だ! 510psをたたき出すアルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオに試乗した

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これはスーパーSUVの最右翼だ! 510psをたたき出すアルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオに試乗した

アルファロメオの最高峰モデルだけに付与されるシンボル「クアドリフォリオ」。アルファ初のSUVとなるステルヴィオにこの名を冠した最強グレードが追加された。最高出力510psを発生する2.9ℓV6ツインターボを搭載し、ノルトシュライフェ7分51秒7という驚異のラップタイムを叩き出した最強SUVの実力を検証してみよう。REPORT◉佐藤久実(SATO Kumi) PHOTO◉篠原晃一(SHINOHARA Koichi)

 「クアドリフォリオ」はイタリア語で「四つ葉のクローバー」を意味する。そもそも、幸運のシンボルとして1923年からアルファロメオのワークスマシンに描かれたのがきっかけだ。その後、市販モデルの「最高峰」のグレード名として使われるようになった由緒あるネーミングなのだ。

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 ベースモデルに対して、オーバーフェンダーとし、フロント255/45R20、リヤ285/40R20の大径タイヤを装着する。室内に乗り込むと、インテリアにはレザーやカーボン、アルミといったマテリアルが惜しみなく使われ、上質でスポーティ、そしてイタリアンな雰囲気が満載でテンションが上がる。
 

 2.9ℓV6ツインターボエンジンを搭載し、最高出力510㎰/6500rpm、最大トルク600Nm/2500rpmを発生する。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、駆動方式はもちろん4WDとなる。SUVらしからぬハンドリングは限定車のファーストエディションで確認しているが、これほどの強大なパワー&トルクを有し、さらにグランドクリアランスのある大きなボディをどう動かすのか、乗る前から興味深かった。

 だが、セレクタレバーをDレンジに入れて走り出すと、見事なサスペンションチューニングに感心した。締まった乗り味ではあるが、常にタイヤが路面を捉えてくれる。大きな段差を乗り越える時の突き上げはあるものの、瞬時に収束するので不快さを感じない上質な乗り心地を実現しているのだ。もっとも、それは極めてスポーツカーライクであり、コンフォート志向のSUVとはまったくキャラクターは異なる。そして、スポーツカー同様、運転席が特等席であることは間違いない。

 見事な足さばきに驚くも、クアドリフォリオのキャラクターを決定づけているのは、やはり12対1というクイックなステアリングのギヤ比だろう。SUVなのにこんなにもゲインを高くし、ステアリングを切った瞬間にピキピキと反応してしまうチューニング。ステアリングの入力に対して、ボディがユサユサと遅れて動けば乗りづらいが、クイックな反応にボディがしっかりと追従しているから見事だ。そして、高速道路では直進安定性に優れ、ステア操作でナーバスになることもない。

 さて、ワインディングではドライブモードをN(ナチュラルモード)からD(ダイナミックモード)に切り替える。すると、アクセルレスポンスが高まり、パドルシフトを操作すれば小気味良く素早いギヤチェンジとなり、ゴキゲンなサウンドを奏でながらキレのある走りを披露する。車高やボディの大きさを感じさせない俊敏さだ。ブレーキは踏力でコントロールするタイプで、初期の制動力の立ち上がりにちょっとクセがあるので慣れを要するが、踏めば踏んだだけしっかり効く。

 コーナーの進入では、ステアリングを切った瞬間ノーズがインを向く。普通はここから大きくロールしていくのだが、体感的にはボディが傾くのではなく真横に引っ張られているような感覚の旋回姿勢となる。この爽快な走りは、クルマ造りへの並々ならぬこだわりがあるからこそできている。たとえば、サスペンションやエンジンにはアルミを、ドライブシャフトにはカーボンを採用して軽量化を図っている。さらに50対50の重量配分を実現するなど、スポーツカーさながらの素性の良さが光る。

 また、電子制御も秀逸だ。アクティブトルクベクタリングが左右のトルク配分を行い、アクティブサスペンションが減衰をコントロールしているが、ドライバーにとって違和感を覚えることががない。これはチューニングの妙だろう。

 また、パフォーマンスの高さと同時に、“演出”のうまさもアルファロメオらしい。操舵感やエンジンサウンドにより、日常シーンでも絶対スピードが低くてもテンションを上げてくれる。ワインディングでDモードにするだけで非日常が味わえ、スポーツマインドが満たされる。ニュルブルクリンクで走り込みながらも、一般道でのちょうど良いチューニングの落とし所を心得ている。ステルヴィオ・クアドリフォリオは、SUVのカタチをしたスポーツカーでありドライバーズカーだ。
 
※本記事は『GENROQ』2019年2月号の記事を再編集・再構成したものです。

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