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ニューモデル 2019.1.4

スーパーカー対決 フェラーリ458イタリアとライバルたち 回顧録 後編

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もくじ

ー レクサス初のスーパーカー
ー スムーズな路面では速い
ー ステアフィールには差が
ー さすがのフェラーリ
ー ノーブルは対等に戦えるか
ー 電子制御は皆無
ー 911の独特な走り
ー ロードカー最強は458

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レクサス初のスーパーカー

スノードニアへと北上する道路に入ると、道は貯水池を避けるように周回するコースとなり、しかも交通量は減ってこの種のクルマには最適の環境になってきた。

レクサスのスーパーカーの方程式に対する最初の挑戦となったLFAは、走っていてまぎれもなく本物だと感じさせた。低速ではトルクの細さが明らかに感じられるものの、6000rpmに達するとLFAのV10は強烈な推進力を発揮するようになる。

7500rpmになるとキャビンの中を反響するエンジンの咆哮が凄まじいものになってくるので、この辺でシフトパドルに手を伸ばしたくなるところだが、しかしその先にはまだ2000rpmも余裕があり、そしてLFAの真の魅力を味わい尽くしたければ当然ながら最後まで回し切ってしまわねばならない。

オーバーレブ警告ブザーが鳴ったところでシフトすると、V10はちょうどスイートスポットの回転数に落ちるようになっている。

だが、ギアシフトをどうするかは完全に自分次第である。4種類のギアボックスモードと7段階のシフトスピードが自由に選択できるようになっているのだが、スローなモードだとトランスミッションのフィールは正直言ってぎこちなく、特に中速コーナリングの際のギアシフトで顕著にそれが感じられる。

スムーズな路面では速い

より高速なモードにすると攻撃性が露骨に現れる。数多くのモードが用意されているにもかかわらず、中間のちょうど良いポイントというのが実質上存在しないのだ。というわけで最強の攻撃的なモードにしておき、人間のほうが我慢することにした。

ひらけたスムーズな路面では、LFAは信じられないほど素晴らしい仕上がりの良さを感じさせる。今回の中では唯一のフロントエンジンのクルマだという事を考えれば、ミドエンジンの他のクルマに比べてシャープネスに欠けていても許せると思っていたのだが、高速コーナーのターンインでもLFAは驚くほど切れ込みが鋭いのである。

路面がドライだったこともあってグリップは見事であり、ビスポークの装備であるブリヂストンのタイヤは実に素晴らしいグリップ力を備えていた。ここでこうしてLFAを運転していると、どうやってこんなクルマが誕生してきたのか不思議に思うに違いない。

なにしろこのクルマはどう考えてもレクサスやトヨタのエンブレムをつけている他のクルマとは対極にあると思えてしまうからだ。エンジンは実に躁の極みであり、トランスミッションはまさに一本気で、しかもシャシーはどこから見ても真面目な造りなので、このクルマはロードカーというよりもむしろGT3のレーシングカーに乗っているようにさえ思えてしまう。

ステアフィールには差が

LFAの苦手としているところは、道幅が狭まってきて路面が荒れてくるに従って明らかになってきた。相変わらずグリップはしっかりしているが、クルマは意外にあっさりと狙ったラインから外れるようになり、特にブレーキングの際にそれが顕著になってきた。

そしてステアリングは、スーパーカーには珍しい電動アシスト式だが、もっともフィールが必要とされているところでフィールを失ってしまう。それでも高速で地上を走り抜けることは依然として可能ではあるが、そのプロセスを特別に楽しむことはできなくなってしまった。

これとは鮮やかに対照的な事実を見せつけられたのが、フェラーリに乗り換えた瞬間であった。今回458イタリアに試乗するのを最後まで取っておいたのは、以前イタリア国内で初試乗した際からずっといちばん気になっていた疑問が、英国の荒れた道路にどれだけ対応できるかというものだったからだ。

そのために、今回の取材でも舞台が英国中を探しても最高に強烈なカントリーロードにさしかかるまで待っていたのである。458イタリアにとっては完全に想定外の道であろう。

さすがのフェラーリ

最新のフェラーリがすべてそうであるように、このクルマもステアリングホイールにマネッティーノスイッチを装備しており、これによってサスペンションとトランスミッション、それにESPとスロットルのマッピングをすべて統括して制御できるようになっている。

しかし458のステアリングにはさらに方向指示器とワイパーのスイッチと、サスペンションをプリセットされたグループ制御から独立して設定できるファイナルボタンが装備されているのだ。エンジンとトランスミッションをスポーツかレースに設定し、しかもサスペンションをよりソフトな状態にセッティングするという芸当により、458では唖然とするような走りが可能となった。

荒れた路面をきれいにいなせるだけの柔軟な足まわりで、しかも然るべき速度を維持して制御できるという信じられない芸当を実現してみせたのである。

データ上ではLFAと458との差はわずか10psでしかないのだが、実際の走りではフェラーリのほうが圧倒的に速いと感じられる。これは単に低速トルクの差ではなく、トップエンドでのパンチの差のほうがさらに大きい。

さらに458はそのパワーをデュアルクラッチにより迅速かつスムーズなシフトで伝達し、加えて洗練性の高いトラクション管理システムで地面に伝えられるので、効率の高さという点でも勝っている。その結果、レクサスが路面と必死で戦っているところを、フェラーリは流れるようにすり抜けて行くことになるのである。

ノーブルは対等に戦えるか

そしてこの違いにより、乗り手は自信を持って走ることが可能になるわけだ。特にコーナーを周回する時には、フェラーリのステアリングがロックトゥロックわずか2回転ときわめてクイックなのにもかかわらず、十分なフィードバックが得られるのである。

これが現実世界で最速のクルマだろうか? おそらくそうだろう。レクサスよりも確実に優れており、そして911でこの458に迫ろうとするなら、間違いなく限界ぎりぎりか、あるいは限界を越えた走りを必要とするに違いない。

ではノーブルは? 実際のところ、道がストレートで路面が良好なら、M600は560psのトラックモードに設定すればフェラーリと対等に戦えるはずである。最後の100psを公道で使えるか? という問題が残るが、稀な機会に最大限の集中力をもってすれば不可能ではないだろう。

だが完全にドライな路面でもタイヤが冷えていたら、3速ギアのトップでもあっさりとトラクションを失う可能性があり、そしてコーナリングの遠心力が働いていたり路面にバンプがあったものなら、限界はそれよりも早くやってくるだろう。

電子制御は皆無

しかし、ストレートが十分に長ければM600の強烈無比な加速力を武器に、フェラーリでもなす術はない。ノーブルはフェラーリのライバルと言えるだけの安定性とシャシーのバランスをも備えており、さらにステアリングのセットアップは今回のどのクルマと比べても最高の出来である。

そう、確かにノーブルに乗って地上をフェラーリよりも速く走ることは間違いなくできるだろうが、ただ正常な神経の持ち主なら、安全システムがあまりにも貧弱なこのクルマでそんなことはやらないはずだ。むしろコーナリングを楽しみながら、ストレートで終わりを知らぬパワーを満喫すべきだろう。

そういう意味では、このクルマのフィールは別の、一昔前の、ちょうどこのM600と同じツインターボV8を搭載していたフェラーリに似たところがある。これは別に驚くべきことではなく、実際にノーブルが造りたかったのはF40の現代版なのである。

もっとも、これ以上今回の勝負でノーブルについて詳しく吟味してもあまり意味はないだろう。これはレクサスにも当てはまることではあるが、このクルマはおそらくひとりのオーナーにとって唯一のスーパーカーとなるよりも、数台のコレクションの中の1台となる可能性のほうがはるかに高いはずだからだ。

911の独特な走り

どちらのクルマも素晴らしくエキサイティングでスリリングなクルマであり、「乗るなら絶対にこのクルマ」という日は間違いなくあるだろうが、どちらのクルマにも妥協がある。LFAはこの価格のクルマとしては絶対的な動力性能が今ひとつ物足りない。

またブランドの知名度も今ひとつでインテリアにもそれほど特別な高級感を感じさせないクルマに20万ポンドを投じるのは、熱狂的なノーブル信者だけに限られるだろう。

最後に言っておくと、最初に脱落したのはレクサスで、理由は要するに、傑出した高品質と極めて魅力的なエンジン、それに異次元のルックスを備えてはいても、走るべき道においてノーブルほどきちんとした走りを見せてくれなかったからである。

次に2種類の非常に異なった、スーパーカーを造るのに正反対のアプローチを取ってそれぞれの頂点を極めたクルマである。今回のような道路で911 GT3 RSの走りはやはり傑出しており、フィールやサウンド、ヴァイブレーションに富み、さらに走りそのものがチャレンジであるというのも見事だが、それは逆にいうならこちらのほうが速く走らせるのが困難であるという事実の証明でもある。

すべての911に共通することだが、このクルマは独特の重量配分に従って走るべきであり、それに逆らったら絶対にまともには走れないわけで、ノーズをコーナーに向けるにはスロットルをうまく活用する必要があり、脱出時にはトラクションを最大に発揮できるよう姿勢を整えておかねばならない。

ロードカー最強は458

フェラーリの場合は全く異なった体験が待っている。ステアリングやスロットルの入力に応じた姿勢の変化ははるかに少なく、クルマは見たところ流れるようにコーナーからコーナーへと何の努力もなくすり抜けて行くように見え、その際に感じる慣性の移動もごくわずかである。

そして精緻な電子系統が背後で働いていることを自覚したとしても、それが表面に出て来て走りの体験に介入することはない。ただ458の卓越した走行性能と驚くべき速さに驚嘆するばかりだ。

どちらが優れているか? GT3 RSは911の中では最高のルックスだと思うし、最終的に完璧な環境の道路を走ったら、やはりこちらのほうが濃密なスリルを味わうことができる。しかしフェラーリの隣ではやはりワンパターンの感を免れないし、それに911 GT3 RSを本当に楽しんで味わえる場所はやはりサーキットである。

458イタリアはサーキットでも見事な走りを見せるが、やはり基本的にはロードカーであり、その立ち位置を極めた上で傑出しているのである。事実上ノーブルと同じくらい速く、ポルシェと同じくらいスリリングで、レクサスと同じくらいドラマチックで、しかもこの中ではいちばん扱いやすい。

もしランボルギーニがここにいたとしても、やはり458イタリアの勝ちとなっただろう。新たなスーパーカーのベンチマークに疑問の余地はない。次は、そう、マクラーレンの番だ。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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