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ニューモデル 2019.1.3

【豆知識】意外と知られていないタイヤの格付け

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こちらの記事は2017年6月に有料メールマガジンで配信したものを無料公開したものです。
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ブリヂストンが「ちゃんと買い」という考え方をTVコマーシャルなどで流しているのはご存知だろうか? これが一般のユーザー層にどれくらい理解されているかはわからないが、わかっている人にとっては、「まあ当然だね」と言うことができる。

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その根本には、世の中にあふれている多くの種類のタイヤにはそれぞれポジショニングがあって、どれも黒くて丸い同じようなモノではない、という事実があるが、残念ながらこのことはあまり認識されていない。

さらに市場ではタイヤのほとんどはオープン価格制になっているので、多様な種類のタイヤの位置付けが表面上はわかりにくい仕組みになっているのも困った点だ。オープン価格制の場合、じつは露骨にそのタイヤの価値、性能を示す価格になっているのだが、一般的にはそうとは受け取られていないようだ。

■タイヤ種類

クルマの走る、曲がる、止まるという性能をすべて支えているのがタイヤだが、そのタイヤも工業製品であり、当然ながら開発にあたってはどのような商品にするか、どのような特性、性格を持たせるかという商品企画が存在している。

商品企画とはまた別に納入先によってもタイヤの性格は異なる。新車に装着する自動車メーカー納入用のタイヤ(OEMタイヤ)、一般市販用のタイヤ(補修用タイヤ、リプレイス・タイヤ)という2種類がある。

OEMタイヤは低グリップで性能が低いという都市伝説があるが、それは完全な間違いだ。自動車メーカーに納入するOEMタイヤは、軽自動車でも超高級なスーパーカーでも、その自動車メーカーが求めるスペックで製造される。

つまり、そのクルマの開発初期に自動車メーカーからタイヤメーカーに、要求スペックが手渡され、タイヤメーカーはそれに合わせてタイヤを開発する。多くの場合、自動車メーカーは複数のタイヤメーカーに要求スペックを渡してそれぞれのタイヤメーカーは開発、試作する。そしてできあがったタイヤは自動車メーカーが要求スペック通りになっているかどうかをテストし、場合によってはタイヤが作り直されることもある。

もちろん、自動車メーカーは、転がり抵抗やグリップ力、ウエット性能、騒音レベルなどを細かく指定するが、さらに耐摩耗性、夏タイヤでもある程度の雪道でも走行できるか、果ては1万km程度走ったタイヤで要求スペックを保っているかといった点までチェックされるのだ。

また、ドイツの高性能車スポーツカーなら、ニュルブルクリンク・サーキットでどの程度のラップタイヤかという点や摩耗状態もチェックも行なっている。

もしタイヤメーカーがこうした要求に答えられない場合は、当然自動車メーカーへ納入はできないが、要求をクリアして納入が決まれば、かなりの数のタイヤを納入できるのでビジネスとしては重要だ。タイヤメーカーはいわばそのクルマ専用にタイヤを開発するに等しく、これがOEMタイヤの特徴だ。

一方で、街のタイヤ販売店で販売されるのは補修用タイヤ、つまりすり減ったタイヤを新品に交換するためのタイヤだ。この補修用タイヤは、特定のクルマのために開発されたタイヤではなく、そのタイヤサイズを採用している多くのクルマに適合できるように、極端な特性ではなく全方位的な性能を追求したタイヤとなる。

ちなみに2016年度で、乗用車の新車装着用のタイヤの販売総計は3600万本、補修用タイヤは、夏用で3400万本、冬用(スタッドレスタイヤ)で1600万本というデータとなっている。

しかしそれでは複数のタイヤメーカーがそれぞれの個性を出しにくい、ユーザーの関心を集めにくいという理由で、同じタイヤサイズでもさまざまな特長を持つタイヤが市販されている。つまりこうした補修用タイヤの場合は市場に向けての商品企画が必要なのだ。

ところがその商品企画に寄って生まれたそれぞれのタイヤの特長が、ユーザー層に浸透しているとは限らないという現実がある。

ユーザーによっては、新車装着時より高性能なタイヤを求める人もいれば、より価格の安いタイヤで済まそうと考える人もいる。最初に触れたブリヂストンの「ちゃんと買い」のキャンペーンは、価格に左右されるのではなく、少なくとも新車装着タイヤと同等以上の性能のタイヤを買いましょう・・・という意味だが、問題は新車装着されているタイヤがどのレベルなのか、市場にあふれている多数のタイヤのどれが新車装着タイヤと同等か、それ以上なのか、これがまたわかりにくいのである。

■さまざまなタイヤの商品ポジショニング

タイヤメーカーは違っても同じサイズであれば、外径やトレッド幅、扁平率などタイヤの寸法は同等だ。これは日本では「日本自動車タイヤ協会(JATMA)」がタイヤの諸元や規格を決めており、もちろん日本自動車タイヤ協会は世界各国のタイヤの諸元や規格と適合するように決めている。

タイヤの性能・特性で分類すると次のようになる。

1)ウルトラ・ハイパフォーマンス・タイヤ(UHP)

高性能・高出力スポーツモデル用のタイヤ。サーキット走行でのグリップの高さ、走る、曲がる、止まるという運動性能を重視した高価格タイヤ。

2)ハイパフォーマンス・タイヤ(HP)

高性能車向けのオールラウンドに性能を高めたタイヤ。ドライ・グリップだけではなく、ウエット・グリップ、排水性、静粛性、乗り心地なども含めて高いレベルを実現している。こうした高い性能を達成するため、ゴム、タイヤ材料なども性能重視の高級材料が使用されている。

3)ラグジュアリー・タイヤ

高級セダンなどに特化したタイヤで、ドライ・グリップ、ウエット・グリップ、排水性に加え、特に乗り心地や静粛性を重視したタイヤ。そのためこのタイヤならではの静粛性や乗り心地と一段と高める技術を盛り込んでいる。

4)エコ・タイヤ

近年急増しているカテゴリーのタイヤで、タイヤラベリング制度に従い、低転がり抵抗による燃費の良さ、ウェット・グリップ、耐摩耗性を重視したタイヤ。OEMタイヤもこうしたエコ・タイヤを採用する例が多くなっているが、OEMタイヤと同等の性能を確保しており、燃費性能には振ってはいるものの、総合性能も重視している。そのため、エコ・タイヤに採用されるタイヤ材料も高級化し、エコ・タイヤ=低価格タイヤではなくなっている。



5)エコ&ドライビング・タイヤ

エコ・タイヤの技術をベースに、走る、曲がる、止まるという運動性能、ドライビング・フィールの良さをアピールしたタイヤ。従来は運動性能やドライビング・フィールを重視すると燃費性能とは背反したが、現在はエコ・タイヤ用のゴム材料や構造を併せ持つことで、燃費と走りを両立させている。

6)ミニバン、SUV用タイヤ

ミニバンやSUVが市場で大きく伸びた結果、ミニバン専用、SUV専用のタイヤとして開発された。ミニバン用は、クルマの荷重の大きさや重心の高さに対応し、クルマのふらつきを抑える専用のパターンや構造を採用している。

SUV用はクルマの荷重の大きさに合わせ、さらにある程度の泥ねい地性能を持たせ、なおかつ長距離走行に合わせて静粛性や耐摩耗性を重視した特性としている。ラフロード走行を前提とした本格的なSUV用のオールテレイン・タイヤとは全く別の現代的なSUVに合わせたタイヤだ。

7)軽自動車用タイヤ

タイヤそのものはそのタイヤ・ブランド本来の商品コンセプトを採用しているが、軽自動車用は小径のためタイヤの回転数が多い、市街地での低速での駐車やUターンが多いなどを考慮し、より大きなサイズのタイヤより耐摩耗性、耐偏摩耗性能を高めている。

8)スタンダード・タイヤ

経済性を重視し、低価格、耐摩耗性を重視したタイヤ。低価格にするためにタイヤ材料コストを抑えながら、耐摩耗性を重視しているため、ドライ・グリップ、ウエット・グリップは低めの傾向。

■タイヤ選びのポイント

どのタイヤメーカーでも、ウルトラ・ハイパフォーマン・スタイヤ、ハイパフォーマンス・タイヤ、ラグジュアリー・タイヤ、エコ・タイヤはそのものずばりの表記がされることが多いのでわかりやすいが、同じハイパフォーマンス・タイヤ、エコ・タイヤでも複数の商品を保つ場合は、その違いがわかりにくい。

そうした場合は、それぞれのタイヤメーカーのWEBなどで、そのタイヤ性能のポイント表などを確認するのがベストだ。



タイヤ販売店の店頭では、タイヤメーカーやその販売店がメインで売りたいタイヤが前面に押し出され、セールス活動が行なわれているケースも少なくないが、まずは自分のクルマに最適なタイヤ・ブランドを選ぶべきである。さらにタイヤサイズを変えるインチアップなのでは、タイヤ構造の規格ロードインデックスなどにも注意したい。

また高性能車向けのハイパフォーマンス・タイヤの場合は、日本向けとヨーロッパ向けの2種類があり、通常は日本向けの商品がアピールされ、ヨーロッパ向けの高性能商品は控えめな存在になっていることがかなり多いので注意したい。

同じハイパフォーマンス・タイヤでも、ヨーロッパ向けはより高速走行時の排水性能やグリップ性能、耐摩耗性能が重視されている。そのため、各社ともヨーロッパ市場向けのハイパフォーマンス・タイヤは最高級の材料を駆使したフラッグシップ・タイヤと位置付けられ、当然価格も高い。

こうしたタイヤ事情を知った上で、自分のクルマの性格、日常での使い方を考慮し、自分だけのタイヤ選びをしたいものである。

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(Auto Prove Auto Prove 編集部)

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