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ニューモデル 2018.12.17

【試乗】トヨタ新型スープラは従来の国産スポーツモデルとは一線を画す走り

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 これまでの日本車に比べ1歩も2歩も先を行く足まわりの考え方

 今世間を賑わせている話題のクルマ、トヨタ新型スープラ。そのモデルに試乗してほしいという依頼を受けて、千葉県にある袖ケ浦フォレストレースウェイに向かった。そうはいっても、プロトタイプということで基本的なスペックも含めてほとんどクルマの情報が明かされない状態での試乗である。実際のクルマもカモフラージュ柄のラッピングが施され、ルックスも明確にはわからない。

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 じつは袖ケ浦フォレストレースウェイを走るのは初めてとなる。走行すると、アップダウンはほとんどなくフラットなレイアウトで、かつ路面サーフェスもキレイであることがわかった。つまり、荷重変動が少なく、ホイールへの入力が小さい状況下での評価となる。それゆえクルマの全容は分析できず、ある程度の性能評価であることを述べておきたい。

 周回を重ねると、ボクが常々現代のクルマにとって大切だと述べている、車体の動きを押さたサスペンション設計になっていることがわかった。具体的にいうと、減速時のノーズダイブ、加速時のスクォートが、反力の起こるようなサスペンション設計によって抑制され、路面と車体フロアが一定の関係を保っている。これはフロア下を流れる空気を安定させ、また4つのタイヤをシッカリと運動させる上でも有効なことだ。

 じつはこうしたサスペンション設計が日本車のスポーツモデル全般でできておらず、ボクは開発者がそれに気がついて欲しいと願い、厳しい表現で「日本車は二級品」と訴えてきた。だが今回のスープラは、サスペンション設計において、これまでの日本車から1歩も2歩も進んだものとなっている。これは素晴らしいことだ。ただし、これまで試乗した欧州車の優れたモデルに対し、フロントで20%、リヤは50%程度、動きを押さえる必要があると思う。

 実際コーナリングでは、ステアリングインフォメーションはシッカリしていてドライバビリティもいいものの、コーナーを抜けて加速する際にリヤが横に逃げてしまった。これがもっとリヤの反力が起こるようなサスペンション設計であれば、前へとクルマを押し出すトラクションがかかる。横に逃げる動きを利用したドリフトをもってクルマを評価する人もいるだろうが、ボクはそれがクルマの本質であるとは思わないので、この点は更なる進化を望みたい。

 さて、少し踏み込んで話をすると、これまでの日本車でもこうした前後の動きを抑制すべく、ダンパーを固めるという手法を採っているクルマは難題も見かけた。それでは前後の動きを押さえられても、公道のような路面サーフェスの荒れた場所では、突き上げによって上下の動きが多く出てしまい、質感の低いクルマになってしまう。だからこそスープラのように反力の発生するサスペンション設計が重要なのだ。

 エンジンは、3リッターターボであることがアナウンスされているが、詳細なパワー&トルクは明らかにされていない。その排気量と過給器のイメージを持ってのると、ハッキリいってパワー不足を感じる。数値はわからないが300馬力台の印象だ。燃費のためか、環境性能を重視したのか、それともエンジンのライフを考えたのかはわからないが、もっとパワーがほしいと思った。

 組み合わされるATのトランスミッションは、世の中にはもっと早いものも存在するが、アップシフト、ダウンシフトともに不満を感じないレベルにある。ただし2速と3速のギヤ比がやや開いており、エンジンの上の伸びが少ないことも相まって、2速にダウンシフトしたいときにギヤが落ちないことがあった。日本のタイトなワインディングなどを走行するスポーツモデルであることを考えると5速ぐらいまではもっとクロスであっていいと思う。

 ブレーキは褒められるポイントだ。コントロール性、バランスに優れ、サーキット走行でもフェードは感じられなかった。

 さらにシートは高く評価できる。実際シートに注目しての評価は行わなかったが、こうしたサーキットでの全開走行においてもホールド性に不満はなく、座面が硬いなどのネガな要素を感じなかったので、逆にいえばかなり優れたシートだということだ。

 もうひとつ、スポーツモデルとしての音の演出も見事だった。そもそも最近のトヨタは、国産メーカーのなかではこうした演出が一番上手い。それがスープラでもしっかりと発揮されていた。

 さて、冒頭に述べたとおり、このサーキットでは、コースの特性上限定的な評価となる。だが、そこから推測するに、路面からの入力が大きく、アンジュレーションのあるコーナーなど、もっと荷重変動の大きな公道走行でも、かなりいいドライバビリティやスタビリティを示すのではないかと思う。実際に走らせて見なければわからないが、良い意味で公道試乗が楽しみになったことは間違いない。

 そして、サスペンション設計などを見る限り、今回のBMWとの取り組みが良い方向へと働いたことも事実だろう。このスープラだけの話ではなく、この先、5年、10年のうちに登場する車種にノウハウが活かされ、あのスープラがあったから今の進化があると、開発陣が実感できる時が来るはずだ。そうした重要な車種であると感じた試乗だった。

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(WEB CARTOP 黒沢元治)

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