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ニューモデル 2018.12.14

新型BMW 3シリーズ 320d(G20)に初試乗 フルモデルチェンジ 走りは健在

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もくじ

ー ミドルサイズになった3シリーズ
ー 優先は拡大し続ける中国市場
ー 注目の「リフト・リレーテッド」ダンパー
ー 4気筒ディーゼルはシーケンシャル・ツインターボに
ー 明確に進化したハンドリング
ー 番外編:「ヘイ! BMW。音声認識の完成度は?」
スペック
ー BMW 320dのスペック

    歴代BMW 3シリーズを振りかえる E21/E30/E36/E46/E90/F30

ミドルサイズになった3シリーズ

突然だが、現在の民主主義における基本的な理念としては、権力者は現実を見つめ、民意を聞き入れつつ、自身の意見を述べるということが前提となっている。取るに足らない当たり前のこととはいえ、今の時代においては非常に大切な理念だと思う。

さて、新しい3シリーズだ。「BMWの3シリーズは、スポーティなドライビングの楽しさに溢れた、プレミアムなミドルサイズのサルーンとして、40年以上の歴史を持っています」この文面は、今回の7代目3シリーズのプレスリリースに記載されていた文言。しかも、冒頭に。少しナンセンスに感じてしまった。1週間ほど前に受け取ったそのプレスリリースには、これに似た表現が何度も繰り返されており、そのあまりの多さに、逆に不信感を抱いてしまったほど。

一体、3シリーズはいつからミドルサイズになったのだろう。BMWは3シリーズの40年という歴史のうち、殆どをコンパクトなエグゼクティブ・サルーンとして定評を得てきたのではないだろうか。

しかし今では、この考えは誤りのようだ。BMWが主張するように、3シリーズはミドルサイズになってしまった。その考えにはしっくりこないし、いつからミドルサイズになったのかわからないけれど、1シリーズと2シリーズの人気や新市場という、BMWが聞き入れなければならない合理的な理由はある。

読者それぞれに、3シリーズへの思い入れもあるだろう。物事の受け止め方は様々だと思う。英国人のだれもが、ドイツ製のクルマの性格を、世界中で誰よりも詳しく理解しているわけではないけれど。

優先は拡大し続ける中国市場

コードネームG20を持つ最新の3シリーズは、初めて全長が4.7mを越えた。3シリーズのカテゴリーが属するエグゼクティブ・サルーンのライバルで、新3シリーズより長いのは現行のアウディA4のみ。先代よりも8cmほど全長が伸びたという事実は、全面的に再設計が行われたG20 3シリーズの中では、2番目に注目するべき項目だといえる。

7代目3シリーズの全長は、2代目5シリーズと3代目5シリーズの中間に属する数値で、代を重ねるごとに数センチづつ成長を続けてきた。BMWとしては、世界的にBMWとして最も売れている、1シリーズのボディサイズをさらに大型したいという思いがあるはず。しかし、それ以上に大きな理由は、市場の変化。中国は世界でも最大の自動車市場になりつつあり、その規模は今後3倍にまで拡大すると見込まれている。

中国市場は、大きな3シリーズを求めており、その意見に応えたのがG20なのだ。他の市場のひとがどう感じるかは、次の問題。E30からE46へと、市場の変化に合わせて大型化した時と、同じ状況だといえるだろう。そして新しい3シリーズの車内は、圧縮空気で膨らませたのかと思うほど、広くなっている。

新しい5シリーズのエクステリアデザインは、従来と比べて装飾的で、ボディラインも煩雑に見えてしまうようになった。キドニーグリルが巨大化したこともあって、審美眼的に疑問を感じてしまう。BMWの市場調査によって中国人の好みに合わせたというのは本当だろうか? わたしは専門家ではないけれど。

BMWは先週、欧州の自動車評論家に対して、3シリーズのモデルチェンジで最も注目するべきは、拡大したボディではなく、そのボディの内面にあるということを伝えてきた。G20型も、縦置きエンジンモデルに共通のクラスター・アーキテクチャー・プラットフォームを採用し、先代のF30と比較して55kgも軽量に仕上がっているという。また、アルミニウムとスチールを効果的に用いることで、ボディ剛性は25%向上したそうだ。

注目の「リフト・リレーテッド」ダンパー

このボディ構造のおかげで、シャシーエンジニアは、3シリーズのルーツ通り、スポーティなダイナミクス性能を与えることが許された。トレッドを広げ、スプリングレートを強め、サスペンションマウントも剛性の高いものを採用。すべてのグレードで、フロントタイヤのキャンバー角も従来より寝かされている。

G20型で大きなイノベーションともいうべきものが、すべての3シリーズに標準装備される「リフト・リレーテッド」と呼ばれる機能を持ったダンパー。ダンパー内部にリザーバータンクのようなものを備え、激しいコーナリング時などホイールトラベル量が大きくなった時に、減衰力を高める機能を持っている。また路面の小さな起伏に対しては、より滑らかに処理させることも可能で、サスペンション全体の処理能力を高めている。ちなみに、追加費用でアダプティブダンパーも選択は可能だ。

その「リフト・リレーテッド」ダンパーの効果は極めて良好で、期待が持てる。特に突っ張ったり減衰力が強すぎたり、という感覚はないものの、ドイツ製のサルーンの平均と比較すると、乗り心地は硬めなようだ。

新しい3シリーズは来年の3月に登場する予定で、英国の場合、エンジンのラインナップは5種類。150psのディーゼルターボ・エンジンを積む318dから、258psのガソリンターボ・エンジンを積む330iまで。トップグレードとなるM340i xドライブと、プラグイン・ハイブリッドの330eの登場は、2019年末まで待たなければならなそうだ。

4気筒ディーゼルはシーケンシャル・ツインターボに

英国では最も売れるであろう、4気筒ディーゼルエンジンには大きく変更が加えられている。これまでの1基のターボに排気導入口をふたつ備えたツインスクロールターボから、エンジンの回転数に応じて2基のターボを切り替えるシーケンシャル・ツインターボになった。それにより、燃費とスロットルレスポンスを向上させたという。BMWによれば燃費は21.0km/ℓ以上で、0-100km/h加速は8速AT車で7秒を切るとしている。

燃費を向上させながら、充分なパフォーマンスを両立させることは、なかなか難しい。今回われわれが選んだ試乗車は、その新しいエンジンを積んだ320dで、F30型320と最高出力、最大トルクは同値。189psと40.7kg-mとなる。

もしこの320dの4気筒ディーゼルエンジンで不満を探すとすれば、BMWらしいスムーズさと静かさを備えていないということ。F30時代の320dと大差ないと思う。しかし、3500rpm以上の回転数でも勢いよく吹け上がり、5000rpm手前のレッドゾーンまで気持ちよく回る。しかしATはその手前で変速してしまうけれど。

従来のB47と呼ばれていた4気筒ディーゼルエンジンよりも、低回転域でのレスポンスはわずかながら鋭い。しかし、シーケンシャル・ツインターボを積んだ新しいエンジンだとは、知らされない限りは気づかないレベルだと思う。回転数が上がり、大径側のターボの過給が始まっても、パワーデリバリーに急激な変化はなく、扱いやすい太いトルクがリニアに湧き上がってくる。

大きくなったボディと伸ばされたホイールベースに、新しいサスペンションという組み合わせによるダイナミクス性能は、良好な結果を生んでいるのか? これは、明確にYESだ。

明確に進化したハンドリング

Mスポーツ・サスペンションを装備していなくても、320dのハンドリングは素晴らしく、そのバランスと正確性の高さで並べるライバルは、少ない。コーナリングでは、アルファ・ロメオ・ジュリアほどではないにしろ、F30の時代よりも切りはじめの応答性や機敏さの面で向上している。

BMWのステアリングラックは、概して中心付近のスタビリティで優れ、路面からの感触も明確で、リニアなハンドリングを獲得しているが、このG20にも当てはまる。おかげで、ハイペースでのドライブも、より身近で楽しめるものに仕上がっている。

加えて、乗り心地の面でも上質。サスペンションとしては硬目の設定ながら、荒々しさや落ち着きのなさといった、ハーシュネスが気にかかるレベルではない。しかし、小さな起伏にはやや敏感で、大きな凹みなどでもしっかり振動を拾う印象はある。路面状況が芳しくない場合は、少し我慢も必要かもしれない。しかし、ほとんどの路面なら、心配する必要はなさそうだ。難敵だとは思うが、英国の道で乗る機会がきたら、しっかり確かめてみたい。

仮に3シリーズのシャープなハンドリングが期待通りでなかったとしても、車内空間は従来以上に上質で洗練され、心地よいデザインに仕上がっている。インフォテインメントシステムの出来も印象に残るほど良いと思うし、新しい機能も追加されている。番外編もお読みいただきたい。

とにかく、好むと好まざるとに関わらず、3シリーズは大きくなった。エクステリアデザインの完成度に関しては見ての通りだが、このボディサイズがもたらすドライビングの面での不安は、充分取り除くことができたことが、最大の成果だった。

番外編:「ヘイ! BMW。音声認識の完成度は?」

最新のBMW 3シリーズには、現在のインフォテインメント・システムの中で最も優れた音声認識システムを搭載している。「BMW Intelligent Personal Assistant:インテリジェント・パーソナル・アシスタント」と呼ばれる音声アシストシステムで、他メーカーのものでは難しい、クルマとの会話を実現している。

システムを使うには、まず自分の名前をクルマに教えるところから始まる。もっとも、「ヘイ! BMW」と話しかければ、質問に答え始めてくれるのだが、自分の名前を覚えさせておいたほうが良い。質問は「エンジンオイルの量は大丈夫ですか?」「空港までの道順を教えてください」「わたしは疲れました」「わたしは寒いです!」など何でも聞いてくれる。

BMWによれば、「ハイビーム・アシスタントはちゃんと動いてる?」といった具合に、日常的な砕けた言葉でも受け答えしてくれるらしい。システムはオーナーの癖や好みを覚え、3シリーズに搭載された無線通信機能によって、自動的ナップデートされるとのこと。たとえ暗いひとりの夜道でも、寂しく感じなくなるかもしれない。

BMW 320dのスペック

■価格 3万6700ポンド(532万円)
■全長×全幅×全高 4709×1827×1435mm
■最高速度 239km/h
■0-100km/h加速 6.8秒
■燃費 22.2km/ℓ
■CO2排出量 117g/km
■乾燥重量 1455kg
■パワートレイン 直列4気筒1995ccツインターボ
■使用燃料 軽油
■最高出力 189ps/4000rpm
■最大トルク 40.7kg-m/1750-2500rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN マット・ソーンダース)

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みんなのコメント

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  • l60*****|2019/01/11 19:58

    違反報告

    シーケンシャル・ツイン・ターボっておかしくね?
    ツインターボってのは主にV型エンジンの両バンクに同容量のターボを付けるから双子になぞらえて『ツイン』を称してるのであって、シーケンシャルターボは容量の異なる大小2つのターボを切り替えて使うから、見た目も全く違う。

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