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ニューモデル 2018.11.25

魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 後編

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ランチア・トレビ・ビモトーレ(1984年)


ランチア・トレビ・ビモトーレは、アバルトのテストドライバーであったジョルジオ・ピアンタのモータスポーツ向けの四輪駆動モデルを創りたいという情熱が生み出したモデルだ。鈍重なサルーンモデルのトレビをベースにするという彼の考えは独特だったが、ランチア上層部のサポートを受け、2.0ℓ/152psの2基目のエンジンがリアシートの位置に搭載されていた。

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リアに積まれたエンジンの冷却が主な課題であり、初期のドライブ・バイ・ワイヤは、当時主流の技術によって駆逐されている。最高速度232km/hに達するビモターレは、ハンドリングに優れたモデルだとされていたが、当時ランチアはデルタ・インテグラーレの開発中であり、この独創のモデルはプロトタイプが1台作られたのみで終わった。

フォルクスワーゲン・シロッコ(1984年)


フォルクスワーゲンの2代目シロッコは、ゴルフGTIをベースとした手ごろで人気のクーペモデルだったが、フォルクスワーゲンにはさらなる野望があった。それぞれ183psを発揮する2基の1.8ℓエンジンを、1980年代風のブリスターフェンダーを持つより力強さを増したボディに詰め込んだのだ。こうして出来上がったのが、同時代のアウディ・クワトロスポーツを凌ぐ0-97km/h加速4.1秒、最高速180mphを誇るシロッコだった。

フォルクスワーゲンではこのクルマの宣伝活動を積極的に展開し、新聞広告まで出してツインエンジンのシロッコ購入を考えるドライバーをやきもきさせた。その価格が明かされることはなかったが、フォルクスワーゲンは「光が交錯し、ポルシェのドライバーは激しくアクセルを踏み込むが、その男の顔はバックミラーにしか映らない。そしてその顔には、おそらく驚愕の表情を浮かべていることだろう」と書いた新聞広告でポルシェを挑発していた。残念ながら、このシロッコが生産されることはなかったが、フォルクスワーゲンは同じ方法で創り出したツインエンジンのゴルフを1987年のパイクス・ピーク・ヒルクライムに出場させており、ゴールからわずか200mの地点でグリスニップルにクラックが生じなければ、勝利を収めていたことだろう。

セアト・イビーザ・ビモータ(1986年)


1980年代中盤、セアトにはラリーでトップ争いをするだけの予算がなかっただけであり、セルビア兄弟はよりコストを掛けずに四輪駆動モデルを創り出す方法を思いついた。当時デビューしたばかりのイビーザをベースに開発されたビモータでは、125bhpにまで出力を高めた2基の1.5ℓエンジンが、溶接により一体化したふたつのフロントフロアパンを利用して搭載されていた。

強固なロールケージが十分以上の強度を確保することで、ビモータの狙いはラリーフィールドへの参戦であることが強調されていた。セルビア兄弟の手によりいくつかのクラス優勝を遂げるとともに、スペインのグラベル選手権では表彰台を獲得しており、エンジンパワーは300bhpまで引き上げられていた。公道仕様が生産されることはなく、現在ではすべての車両がセアトのヘリテージモデルとして保管されている。

モスラー・ツインスター(2000年)


1990年代から2000年代にかけて、キャデラックを選ぶ大きな理由のひとつが、そのノーススターV8エンジンであり、このエンジンを2基積むということは、その魅力が2倍になることを意味していた。こうして生み出されたのがモスラー・ツインスターであり、その名が示すとおり、このクルマにはスムースに304psを紡ぎ出すV8エンジンが2基搭載されていた。

2000年のキャデラック・エルドラドクーペをベースに、フロントのエンジンベイに加え、リアのトランクにもノーススターV8が搭載されていた。ふたつのエンジンから発揮される608psのパワーにより、モスラーの0-97km/h加速は4.5秒、最高速は333km/hに達するとされたが、この豪華クーペの実力を発揮させることができるのは勇敢なドライバーだけだった。5台が生産されたとされており、コンディションの良好な個体を手に入れるには約3万ポンド/4万ドル(434万円)を支払う必要がある。

タイガー Z100(2001年)


タイガーはロータス7と同じような方法で、レトロスタイルのスポーツカーを作り出す英国メーカーとして高く評価されているが、そのクルマ作りの方法は独特だ。その独創性を表しているのが、0-97km/h加速の世界記録を目指して創り出されたZ100であり、記録を達成するため、タイガーのボス、ジム・ダドリーは2基のカワサキZX9のエンジンを同時に動かすことを決め、こうした車両製作を得意としているZ Carsからのサポートも得てこのモデルを創り出した。

目指すべき記録はフォードRS200の3.09秒であり、1台目のZ100は0.01秒差まで迫ったものの、記録更新には失敗している。これでひるむことなく、タイガーは2基のスズキGSX-R 1000のエンジンへと積み替え、2.9秒の記録を達成することに成功しているが、非公式では同じ車両で2.8秒を記録している。Z100には四輪駆動モデルも存在し、4万ポンド(当時のレートで5万2500ドル)で販売されていた。

メルセデス・ベンツ A38 AMG(2001年)


パフォーマンスモデルを創り出すにあたり、メルセデスのAクラスはその相応しいベースモデルとは思えないが、そんなことでAMGのエンジニアたちは挫けなかった。この小さなメルセデスがもつサンドイッチ式フロア構造を活かして、2代目A190 の1.9ℓ4気筒エンジンを、リアタイヤのあいだに上手く収めることに成功している。AMG流の細部に対するこだわりによって、それなりのトランクスペースまで残されていた。

どちらのエンジンもスタンダードのままであり、合計出力は254psに留まっていたものの、それでも0-100km/h加速5.7秒、最高速230km/hには十分だった。すくなくとも2台のA38が作り出されているが、公道向けは1台のみであり、F1チャンピオンのミカ・ハッキネンへとプレゼントされ、現在はメルセデスのヘリテージ・コレクションとして保管されている。

ジープ・ハリケーン(2005年)


2005年の北米国際モーターショーで、ジープはハリケーン・コンセプトを発表し、デトロイトに集まったひとびとを狂喜乱舞させた。このコンセプトモデルは、ラングラーのボディに究極の力強さを与え、合計680psを発揮する2基の5.7ℓヘミV8エンジンを組み合わせたモデルだった。20インチのモンスター級オフロードタイヤを履きながら、このクルマの0-97km/h加速はわずか4.9秒だった。

ふたつのエンジンと四輪駆動システムを持つ2シーターのハリケーンには、荒れた路面でのタイトターンを容易にすべく四輪操舵システムまで装備され、横方向への移動も可能にしていた。さらに、アルミニウム製骨格とカーボンファイバー製ボディによって、その車重は1746kgに抑えられていた。

MTM アウディTT ビモータ(2007年)


すでにアウディTTには四輪駆動モデルが存在していたにもかかわらず、なぜわざわざふたつ目のエンジンを積むことにしたのだろうか? ドイツのチューニングメーカー、MTMのローランド・マイヤーは、速度記録を達成したかったのだ。マイヤーと彼のチームはビモータを擁してパーペンブルクのテストコースで393km/hの最高速を記録するとともに、0-100km/h加速でも3.4秒を達成している。

フロントには、375psまでパワーアップされた初代TTの1.8ℓターボエンジンが搭載され、本来リアシートがあるべき場所にもまったく同じエンジンがもう1基設置されていた。各エンジンには2基のタンクから燃料が供給され、別々のイグニッションシステムを持つとともに、それぞれのエンジンに6速DSGツインクラッチギアボックスが組み合わされている。マイヤーはさらなる記録更新を目指して1014psへの出力アップを望んでいたとされ、このクルマを手に入れたければ52万4000ポンド/69万ドル(7572万円)を支払う必要がある。

BMW i8 (2014年)


ツインエンジンという意味では、ハイブリッドやレンジエクステンダーのすべてのモデルがそうだが、BMW i8はそれをより優雅で力強い方法で実現している。最良の効果を得るべく、37kmの航続距離をもつ電気モーターと1.5ℓターボエンジンを組み合わせて、47.6km/ℓとされている複合燃費に近い値を現実のものにするとともに、4.4秒の0-100km/h加速と249km/hの最高速まで達成しているのだ。

他のモデルとi8を分けているのは、4つのシートを持つミッドエンジンのスパーカーを創り出すことに成功している見事なパッケージングだろう。バッテリーはこのクルマのセンタートンネル内に設置され、3気筒エンジンはリアタイヤの間に搭載されている。フロントに積まれた電気モーターも含め、すべてのレイアウトが考え抜かれたものであり、こうした点を踏まえれば、英国で11万2735ポンド(1629万円)、米国で14万7500ドルとされる価格も納得だ。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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