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ニューモデル 2018.11.20

フランスはどう報道? カルロス・ゴーン会長、内部告発で逮捕

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もくじ

ー 仏の経済誌「残酷で不名誉な処刑」
ー フランスはどのように報じているか
ー 経済的な「宣戦布告」か、否か?

    三菱自動車/仏ルノー ゴーン逮捕への対応


仏の経済誌「残酷で不名誉な処刑」

フランスの経済紙レ・ゼコーには「Stupeurs et tremblements(スチュプール・エ・トランブルマン、畏れと慄き)」という見出しが躍った。

日本の商社に勤めた経験を風刺的に描いたアメリー・ノートンの小説、それにしても20年近くも前のベストセラーに引っかけているのだ。

いささか古いな、と嗤ってはいけない。当該記事はさらに遡って古代ローマ、カピトリーノの丘にある「タルペイアの崖」すら引用している。

件の崖は、「残酷で不名誉な処刑」の喩えで用いられるが、日本では飛行機のタラップほどの長さがあれば十分、と。

要は、オリンパスから東芝まで隠蔽による不祥事の多かった日本の企業文化にしては、今回の司法取引による逮捕劇の迅速さと手並みの鮮やかさを、少し讃えつつも斜に見ているのだ。

カルロス・ゴーン日産会長の逮捕から20時間近く経った現段階で、フランスで報じられている事実関係としては、フランスのメディアには日本の報道を後追いする情報しかほとんど挙がっていない。

次項で詳しくみていこう。

フランスはどのように報じているか

1 カルロス・ゴーン会長が羽田空港に日産の社用機で到着したところを逮捕されたこと

2 逮捕の理由は有価証券報告書の虚位記載であること

3 日産から内部告発によって為されたこと

4 日産は司法取引によって東京地検特捜部に協力し続ける意向を示していること

よって、日産内部からのクーデターであるとの受け止め方が大勢で、日産の記者会見における西川廣人社長の「権力の集中」「長期統治」「負の側面」といった言葉も報じられている。

日産のグローパル・ニュースルームのサイトは11月19日付の横浜発で、数か月前から内部調査を行ってきたところ、カルロス・ゴーン代表取締役会長とグレッグ・ケリー代表取締役の不正行為が判明したというリリースを発表した。

一方のルノーのグループ・サイトは同日のブローニュ・ビランクール発で、

1 取締役員会が日産が発表したリリース内容を知ったこと

2 カルロス・ゴーン代表取締役の現況に関する詳細な情報を待っていること

3 アライアンス内におけるルノー・グループの権益を守る意思を表明し、取締役会議を早急に開く

と応じた。

およそ日産からはリリースで初めて事が起きてから知らされた体で、「アライアンス内におけるルノー・グループの権益」という表現にアルピーヌ、ダチア、ラーダ、サムスン・モータズは含まれるものの、日産のそれを含んでいないことは明白だ。

今後の興味は当然、収益と統治(もしくは主導権)の在り方がアンバランスだったルノー日産連合の今後の在り方で、ルノーは日産にアライアンス統治の改変を迫られる、という見立てがリベラル系のメディアでは多い。

要はアライアンス内における、日仏間の主導権争いが起きるか、資本のリバランスに向かうかという見方だ。

経済的な「宣戦布告」か、否か?

周知の通り、日産の筆頭株主は43.4%を保有するルノーで、そのルノー株の15%はフランス政府が保有している。

ルノーにおける仏政府の議決権増大と、日産の垂直統合は、エマニュエル・マクロン仏大統領が経済産業デジタル大臣だった頃から前のめりだった案件だが、フランスの雇用確保と収益還流に前向き過ぎて、日産の疑念は増すばかりだった。

ブレグジット後の英国に対し厳しい姿勢を崩さないマクロンの姿勢も、英国に工場を持つ日産には懸念材料だったはずだ。

ブリュッセル訪問中のエマニュエル・マクロン大統領は「事実に関する補足的な情報を持ち合わせていないので、その真相や具体的状況について意見を述べるのは時期尚早です。株主である国(フランス政府)は、連合の安定、グループ、グループの全従業員のために必要な安定を極めて注意深く見守っていきます。株主である国はグループ従業員に対し、まさに全面的な支援を保証すると申し上げたいと思います」と、声明を発した。

他国の司法機関が捜査している間に内政干渉じみた発言をしないのは、三権分立の確立された国の元首の立場では当然のことだ。

だが今回の日産の一連の動きは、日本側の官民一体の動きとも見られている。

じつは11月19日、20日の両日、フランスから公式に経済/財務省のアニエス・パニエ=リュナシェ副大臣が来日していて、あろうことかそのミッションは「フランスの経済的魅力をアピールするため」だったりする。

麻生財務大臣と会っている様子もツイッターで公開されているし、パリ・ユーロプラス東京フォーラムでは「フランス経済を深部から改善」「外国投資に対する優遇措置」「欧州大陸でNo.1の金融センターとなるためのパリの資質」といった、明確なメッセージを発したのだ。

しかも就任早々の新米副大臣の来日に先立つ17日、安倍首相とマクロン大統領はパリで首脳会談を行っていた。

国交成立160年、在日フランス商工会議所の設置100年の節目に、来年はG7とG20の議長国をそれぞれ務める両国が連携強化を確認している最中に、何の手打ちもないまま今回の逮捕劇があったのなら、それはほとんど経済的な宣戦布告のようなものだ。

もし手打ちが済んでいるのなら、先のメッセージに沿えば、日産からルノーへの資本注入&外資誘致によるアライアンス内の均衡改善も、十分に考えられるシナリオとなる。いずれだったのか、今のところは「注視する」他、ないようだ。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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