2018年7月19日に発売されたスバルの5代目フォレスター。過去、クローズドコース(修善寺の日本サイクルスポーツセンター)、市街地と高速道路(川崎・横浜エリア)で試乗してきましたが、あらためて自動車メディアの聖地ともいえる箱根(芦ノ湖スカイライン)で乗る機会に恵まれました。
スバル・フォレスターというと、初代からパワフルなターボエンジンを登載したスポーティなSUVというキャラクターでしたが、先代モデルあたりから多くのユーザーに支持される、スタンダードなSUVという風にキャラクターをシフトしています。
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そして、新型フォレスターではついにターボエンジンの設定がなくなり、そのかわり標準的なグレードのエンジンが従来の2.0リッターから2.5リッターに格上げされました。ガソリン直噴のエンジンはレギュラーガソリン仕様の実用的なユニットですが、最高出力136kWというスペック以上に力強さを感じさせるパワートレインに仕上がっています。
そうしたキャラクターは、芦ノ湖スカイラインのきつい勾配でも実感することができました。上り坂ではブレーキを使わずに、アクセルのオン/オフだけでリズミカルに走りたいもの。そうしたシチュエーションにおいて新型フォレスターの2.5リッターエンジンとリニアトロニック(チェーン式CVT)の組み合わせは予想以上にファンなドライビングを楽しめるテイストになっていました。
アクセルオフでギア比がハイに振れることはなく、またアクセルオンでもロックアップしたままエンジンの力だけで加速していくので、いわゆるCVTの悪癖は感じません。排気量を増やしたことが、こうした余裕につながっているのでしょう。
さらに注目したいのは、ドライブモードにおける作り込みです。フォレスターにはスバル独自の「SIドライブ」と呼ばれるドライブモード切り替え機能があり、スタンダードな「I」とスポーティな「S」の2モードが用意されています。
そして、前述したリズミカルな走りは「I」モードでも十分に堪能できるのです。基本的には燃費を考慮した性格ですが、アクセルペダルを踏み込んでいけば、クルマの側がドライバーの意思を汲み取ってくれるといえば伝わるでしょうか。そのあたりの絶妙な塩梅には、フォレスターがしっかりと作り込まれてきたモデルであることが実感できます。
もちろん、スポーツドライビングを楽しむぞ、と気持ちを入れて走るときには、よりレスポンスに優れた「S」モードを積極的に選ぶ価値はありますが、名前の由来通りにインテリジェンス(知性)を感じさせる「I」モードの走りは、じっくり味わいたいと感じさせるものでした。
新型フォレスターからターボエンジンの設定がなくなったことを残念に思うファンもいるでしょう。しかし、日常域+アルファのリニアリティやクルマとの一体感という点では新型フォレスターがトルクバンドの広く、全体に余裕のある2.5リッター直噴エンジンを主力ユニットとして選んだ意味を再確認した箱根ドライブとなったのです。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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