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ニューモデル 2018.10.24

どうなるダイソン 2021年にEV生産? シンガポールが拠点、スポーツカーなし

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もくじ

ー 工場はシンガポールに
ー 広大な研究施設が英国に近く完成
ー スポーツカーの予定は今のところなし
ー ダイソン初のEVとは

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工場はシンガポールに

ダイソンの電気自動車(EV)市場への新規参入は目前。そのための生産施設が、2020年完成を目指してシンガポールで建設中だ。

EV事業に25億ポンド(3750億円)が投資されたが、専用の2階建て工場建設もその一環で、市販車の発売は2021年を予定している。今回の発表に先駆け、英ウィルトシャー州ハラヴィントン飛行場に建設したプルービング・グラウンドが公開されているが、ここにはテストコースや高速走行用のストレート、高速道路を模した路面やオフロードコースなどが設けられている。

ダイソンの従業員に当てた書簡で、ジム・ローワンCEOはこう述べている。「シンガポールもまた、急成長するマーケットへのアクセスや広範囲のサプライチェーン、技術力の高い労働力などを得られます。比較的コストの高い土地ですが、素晴らしいテクノロジーの専門知識を持つひとびとが集まる場でもあります。ですから、ハイクオリティで技術の水を集めたマシンを造るには最適な場所で、それはわたしたちのEV造りにも当てはまります」

ダイソンは当初、掃除機と洗濯機をウィルトシャーで製造していたが、2002年と2004年にそれぞれ生産拠点をマレーシアに移している。その工場建設にあたり、合弁相手に選んだのがマレーシアに足場を置く投資グループだった。2013年には、シンガポールのトゥアスにデジタルモーターの工場を開設したが、これは大幅な拡張を続けてきた。この地域における供給ネットワークを確立しているということは、EV生産を初めて手がける上で、有利な材料となるだろう。

広大な研究施設が英国に近く完成

ダイソンの自動車事業における長期的プランは、複数のタイプのEVが徐々に投入されることを示唆している。これまでに掴んでいる情報によれば、計画されているのは3車種。SUVの設定はほぼ確定的で、ハイエンドモデルが現在検討中。スポーツカーは用意されないが、最高速度が160km/hを超えるものが少なくとも1車種は含まれる見通しだ。

ハラヴィントンの格納庫の修繕にはすでに8500万ポンド(127.5億円)を費やし、完成には2億ポンド(300億円)を要するという試算だが、施設の立ち上げと運営に関する投資は5.5億ポンド(825億円)と見積もられている。ハンドリングコースや郊外路の再現路面、オフロードのほか、スキッドパッドや160km/h以上での走行テストが可能な直線路などが、ここには設けられている。

ローワンは語る。「成長を続けるわが社の自動車部門は今、最先端設備を得たハラヴィントン飛行場のハンガーで働いています。ここはすぐにも、世界水準の自動車テスト場となるでしょう。5.5億ポンドの投資を見込み、英国により高度な技術職の雇用を生むものです」。この施設には、数カ月以内にあと3棟のビルが開設予定だが、現在の自動車事業に従事する従業員はすでにH86ハンガーに収容済みだ。

ダイソンでは、自動車用途のデジタルモーターを最近になって商標登録している。これまで家電に用いていたそれは、永久電池によるブラシレス同期モーターの名称だが、同じタイプのメカニズムは市販される多くのEVに使われている。

真空掃除機やドライヤーなどで業界をリードするダイソンは、新規事業に400名を割り当てているが、「さらに300名、自動車事業の欠員を埋めたい」としている。そのすべてを、750エーカー(約3平方km)の、英国におけるダイソン第2のR&Dセンターであるハラヴィントンが受け入れる予定だ。

スポーツカーの予定は今のところなし

このEVプロジェクト、今後3年余りで、3車種を世に送り出す計画で、第1弾は1万台以下の少量生産モデルとなる見込み。創業者のサー・ジェームズ・ダイソンはプレミアムな価格設定と、それがスポーツカーではないことを予告している。

この少量生産される最初のモデルの開発と生産は、サプライヤーとの関係を築く段階だと、ダイソンでは位置付けている。これにより、その後の量販モデルを含めたラインナップをリリースする際には、主流メーカーの仲間入りをしていたいという目論見だ。

この英国企業は、少量生産モデルに続き、2タイプの量販モデルを導入する腹づもり。すべてが順調に進めば、将来的にさらなるEVの開発を続けようと見込んでいる。

それらのEVで実用化しようと研究中なのが、全固体電池だ。この先進技術は、エネルギー密度を高め、現行の液体電池より短い充電時間と大きな蓄電容量を実現。2020年代初頭、第2のモデルでこれを投入すると予想される。これが現実になれば、ダイソンは全固体電池の市販化レースで先頭を走る存在になる。既存メーカーでこの技術に最も言及しているのはトヨタだが、その導入時期は2020年代とされる。BMWは大きな進展を果たしているとの声明を発し、ポルシェは今後の計画にそれが含まれると述べるのみだ。

ダイソンの全固体電池開発はしかし、2017年にバッテリーのエキスパートであるアン・マリー・サストリーが退社したことで打撃を被った。当時、ダイソンはオートカーの取材に対し、人事面の問題にはお答えしかねる、としている。

彼らはまた、数々の先進的なデジタル技術の開発において、人工知能やロボット工学、学習機能の分野にも投資を行っている。自動車分野との関連について公式には触れていないものの、デビュー作から自動運転技術を投入できるであろうことがうかがえる。

ダイソン初のEVとは

ダイソンが25億ポンド(3750億円)の巨費を投じた第一号モデルの開発は、英国政府の支援も取り付けている。

性能やグレード展開といった詳細は依然シークレットだが、その第1作が日産リーフやルノー・ゾエのような量販モデルではないことだけは間違いなさそうで、より技術面のアピールが効くマーケットを狙うようだ。ダイソンの家電製品は競合他社製品より高額な傾向にあることから、EV市場においてもテスラのようなプレミアムセグメントをターゲットにすると推測できる。

生産拠点がどこになるのか、未だ明言はされていないが、ジェームズ・ダイソンは昨年、ロイターの取材にこう答えている。「バッテリーを生産するのがどこであれ、クルマもそこで造ります。それが合理的ですから。そのため、サプライヤーも近くにいることが好ましいですね。また、歓迎され、フレンドリーでいてくれる土地を希望します。それに、ロジスティクスが最も理にかなった場所を。極東には、非常に大きなマーケットがあるとも考えています」。ダイソンは、極東市場で大きな存在感を持っており、開発は英国で行うにしても、生産が中国で行われるという仮説はあながち非現実的な話ではない。

EV計画に関する声明の中で、サー・ジェームズはディーゼルに関する各国政府の促進策や、最近の排ガス偽装問題に苦言を呈した。「世界中の政府は、クリーンディーゼルなる矛盾した呼び名のエンジンの導入を、補助金などで奨励してきました。大手自動車メーカーは、排ガス浄化に関する規定の抜け穴を探し、誤魔化してきました。結果として、先進国でも発展途上国でも、大都市はスモッグを吐き出すクルマやトラック、バスであふれています。それこそ、ひとびとが目を背けている問題です」

彼は、根本的な大気汚染の軽減が大きな狙いであるという。「わたしがこの会社で手がけてきたのは、バッテリーに関する新技術の開発です。電気を動力としたクルマこそ、自動車による公害問題を解決すると確信しています。ダイソンは革新を続けていきます。そして今、ついに持てるテクノロジーの全てを、ひとつの製品へ注ぎ込むチャンスを得たのです」

「わたしたちは、この上ないティームの構築に着手しました。ダイソンのトップエンジニアと、自動車業界から招いた才能豊かなひとびとを結集したのです。そのメンバーはすでに400人を超え、さらにアグレッシブな求人を行っています。この試みに、20億ポンド(約3000億円)の拠出も決めています」

GoogleのWaymoやAppleの自動運転車が既存車両にコンポーネンツを載せるのと違い、ダイソンは自社ブランドのEVを送り出すつもりだ。他のメーカーに、自動車生産面での助力を仰ぐ予定はない。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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みんなのコメント

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  • rak*****|2018/10/24 23:10

    違反報告

    車の製造には技術力が必要であるのは当然のこと、それまで培われてきた歴史や経験がものを言うと信じられてきた。

    ところが、そんな常識を新進気鋭の『テスラ』があっさり打ち砕いた。

    ただその価格は、大衆がおいそれと買って乗れる価格ではないのも事実。

    そんな中、掃除機等で養った、どこもマネのできない高出力にして高効率なモーター技術を応用、それを最大限に生かせる電源、すなわち「全個体電池」をいち早くものにすることで、EV市場を席巻しようと目論んでいるのが『ダイソン』だ。

    今日の自動車製造に、飛び越えなくてはならないハードルがすでに無いことを『テスラ』が証明してしまった以上、EVレースのポールポジションを取った『ダイソン』が、恐ろしいほどの速さで世界を周回する・・・

    一家に1台、『ダイソン』の車が置いてある日も近い?
    それはまるで、今やまるで国産掃除機のごとく売れに売れるサイクロン掃除機のように・・・

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