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三菱アウトランダーとアウトランダーPHEVの19年モデル詳細解説

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三菱アウトランダーとアウトランダーPHEVの19年モデル詳細解説

三菱を代表するミッドサイズSUVのアウトランダーは2012年秋にモデルチェンジした。その年の12月には前後輪を独立したモーターで駆動する革新的なツインモーター4WDのプラグインハイブリッドSUV、アウトランダーPHEVを仲間に加えている。年明けから発売を開始したが、好調に販売を伸ばし、18年6月までに16万2000台の販売を記録した。今、世界でもっとも売れているプラグインハイブリッドがアウトランダーPHEVだ。日本だけでなく海外にもファンが多い。


アウトランダーは毎年のように進化(Evolution)を続けている。最新の商品改良は18年8月23日だ。アウトランダーとアウトランダーPHEVを改良し、2019年モデルとして売り出した。とくに大幅なアップデートを図ったのがアウトランダーPHEVである。エクステリアとインテリアの化粧直しだけにとどまらず、PHEVシステムなどのメカニズムまでも進化させた。
 

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デザインの変更

2015年6月のマイナーチェンジのとき、アウトランダーとアウトランダーPHEVはフェイスリフトを行ない、「ダイナミックシールド」と呼ぶ凛々しいフロントマスクになっている。これは評判がいいから、今回の変更は少しだけにとどめられた。変わったのは、ラジエターグリルやヘッドライト、バンパーまわりのデザインだ。洗練された顔立ちとなった。

ラジエターグリルはメッキの存在感を強め、上質感も高まっている。左右のヘッドライトは内部のベゼルのデザインを変えた。また、ロービームに加え、ハイビームの光源もLEDとし、照射範囲を広げている。暗い道での視認性は大きく向上し、安心感も増した。

バンパーまわりは、フロントバンパーセンターカバー、スキッドプレートと呼ばれるフロントバンパーエクステンション、フォグランプベゼルなどのデザインを変更している。リヤビューはスキッドプレートのスリットまわりが新しいデザインだ。


また、主力グレードには空力性能を向上させるリヤスポイラーを追加し、スポーティ感覚を強めている。アルミホイールもデザインを変更した。主役となる18インチのアルミホイールはラウンドリムタイプだ。トップグレードのSエディションのホイールは高輝度ダークシルバー塗装を施し、存在感を強めている。
 

より上質になったインテリア

インテリアはオーナメントやハザードスイッチパネルのデザインを変更し、上質ムードを高めることに力を注いだ。また、フロントシートはサイド形状を変更するとともに、サポート部に硬さの異なるクッションを組み合わせ、ホールド性を向上させている。



シート生地やドアトリムインサートも手触りのいいものに変更された。アウトランダーPHEVの上級グレードは、新たにフロントシートとリヤシート、ドアトリムにダイヤキルティング本革を採用した。レーザーエッチングを施したオーナメントパネルと相まって、高級感が強まっている。


アウトランダーは、シート、ドアトリム、コンソールアームレスト、メーターフード、ステアリングホイール、シフトノブにシルバーのステッチを施し、見栄えをよくした。新たにオプション設定したスムースレザーの本革シート仕様には、ロアコンソールやインパネ、ドアトリム部のオーナメントパネルに高級感のあるデザイン柄を採用している。


メーターの表示も変え、機能性と視認性を向上させた。アウトランダーPHEVは、モーターとエンジンの出力状況が分かるように、パワーメーターの表示を変更。アウトランダーもS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)の作動状況を示すメーター表示を変えている。瞬時に状況を把握しやすい。

快適性の向上にも力を入れた。パワーウインドウ開閉スイッチに、運転席からすべての窓をワンタッチ操作でオート開閉できる機能を新たに加え、利便性を向上させている。また、すべてのパワーウインドウに挟まれ防止機能を追加した。

後席に座っている人の快適性を向上させるために、後席用エアコン吹き出し口をフロアコンソール後部に追加したこともうれしい改良点だ。その背面にはUSBアダプターを追加している。今やUSBアダプターはドライブの必需品だが、前席用のUSBアダプターもフロアコンソールの前に移設し、使い勝手を向上させている。
 

排気量をアップした新エンジン

アウトランダーPHEVは普通充電、急速充電中に、オーディオなどの電子機器に加え、エアコン機能の使用を可能にしている。この改良により充電中の快適性は大きく向上した。


アウトランダーPHEVの魅力のひとつは4WDシステムを採用していることだ。PHEVを名乗っていることから分かるようにEV(電気自動車)に近い性格だが、今まではエンジンがかかるのが早かった。そこで2019モデルはパワートレーンの主要構成部品の約90%を変え、駆動用バッテリーの容量も増やしている。バッテリーとジェネレーターの出力も10%高めるなど、大幅に進化させた。

また、エンジンを2.0Lからアトキンソンサイクル(高膨張比サイクル)の2.4Lに拡大したことも大きなニュースといえるだろう。新しい心臓は4B12型と呼ばれる直列4気筒DOHCで、排気量は2359ccだ。アトキンソンサイクル化のための専用カムプロフィールとバルブタイミング制御を採用したMIVECエンジンで、低回転域での効率のよい発電を可能にしている。最高出力は94kW(128ps)/4500rpm、最大トルクは199Nm(20.3kg-m)/4500rpmに向上した。

余裕を増したエンジンに加え、モーターの後押しがあるから力強い加速を見せつける。今までの2.0Lエンジンより低回転から太いトルクを発生し、発進加速も追い越し加速も大きく向上した。0-100km/h加速は11.0秒から10.5秒と、5%アップしている。追い越し加速も俊敏にこなす。40-60km/hの追い越し加速は2.8秒から2.5秒に、80-100km/h加速は4.3秒が3.7秒に、14%もタイムアップしているのだ。エンジンの実力は大きく引き上げられた。
 

スポーツとスノーのモード追加

加速レスポンスなど、走行フィーリングの向上に大きく貢献しているのがモード設定の見直しである。さまざまな路面状況や運転状況にきめ細かく対応するため、前後輪のトルク配分や左右輪のトルクベクタリング、4輪ブレーキ制御などによって意のままの走りを実現するS-AWCの性能向上を図るとともにドライブモードを2倍に増やした。



これまでは「ノーマル」と「LOCK」という2つの4WDドライブモードだったが、新たに「スポーツ」と「スノー」、2つのドライブモードを追加している。「スポーツ」モードは乾いた舗装路などでのスポーツドライビングをより楽しめるようにアクセルレスポンスと旋回性を向上させたモードだ。

もうひとつの「スノー」モードは氷雪路のような滑りやすい路面での安定性とコントロール性を高めたモードである。「スノー」モードを加えたことにより「LOCK」モードは、より荒れた路面に特化した制御に変更した。高いトラクション性能を発揮することで、安心感のある運転の幅が広がっている。前後の駆動配分だけでなく、モーターのレスポンスを前後独立に制御して意のままの気持ちいい走りを実現しているのが最新のS-AWCだ。路面状況に関わらず、安全で楽しい走りを実現している。
 

静粛性の向上

エンジンが作動したときの静粛性も大きく向上した。静粛性の向上は、今回のマイナーチェンジでとくに力を入れた項目である。気になるエンジン音を抑え込むために音源の徹底解析を行なった。そのひとつが吸気音のチューニングだ。エアクリーナーの面剛性を高めるとともにレゾネーターを追加している。排気音を低減するためにキャタリックコンバーターカバーを二層化し、最高5dbの音量低減を達成した。

また、後部車内音の低減にも力を注いだ。メインマフラーにはエンドプレートマスを追加しているが、これは効果絶大で、最高7dbの音量低減に成功している。アイドリング、発進加速、中間加速などでエンジン回転数を低減することをめざし、エンジンの使い方も工夫した。

80km/h以下のエンジン回転を車速にリニアになるようにチューニングし、30~60km/hのエンジン音も改善している。30km/hの定常走行では回転数が600rpmも低くなり、音圧は3dbも低くなった。ステアリングを握ってみると、街中でも違いが分かるほど静かになっている。

走行質感も大きく向上した。アウトランダーPHEV、アウトランダーともにショックアブソーバーをサイズアップ(Sエディションを除く)し、これまではSエディションだけに採用していた構造用接着剤を全モデルに拡大採用している。しかも塗布する部位を増やし、車体剛性を大きく向上させた。塗布するのは接合面積を広くとれる前席と後席ドア、ラゲッジルームの開口部、リヤホイールハウスのボディパネル接合部などだ。
 
2019年モデルはS-AWCの制御をさらに緻密化しただけでなく、ステアリングギヤもクイックな味付けとし、それに合わせて電動パワーステアリング制御も適正化している。洗練されたハンドリングに加え、操舵時の質感も向上した。また、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)と誤発進抑制機能(前進および後退時)を標準装備とし、全車「サポカーSワイド」に該当したことも朗報だろう。アウトランダーの2019年モデルは、走りの実力を1ランク引き上げるとともに、安全性と快適性も大きく向上させたモデルだ。<レポート:片岡英明/Hideaki Kataoka>
 

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