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ニューモデル 2018.10.24

ホットハッチ三つ巴対決 フォーカスRSに挑むシロッコR 前編 回顧録

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もくじ

ー ホットハッチの頂点に挑む
ー 全く異なるキャラクターの3台
ー 実力を上品に主張するシロッコR
ー スペックがすべてではない
ー 本物のドライビングマシン

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ホットハッチの頂点に挑む

本格的なホットハッチは希少化が進みつつあり、このカテゴリーはじわじわと冷え込んでいるのが現状だが、一気に気温を上げる事件が起こった。当記事のひとつ前の対決である。新しいルノースポール・メガーヌの衝撃は、これまで王者の名をほしいままにしてきたフォーカスRSさえ吹き飛ばさんばかりに強烈だった。

最終的にフォーカスが辛くも勝利を収めたのはご覧のとおりだが、その差はごくわずかだった。フォーカスのほうがエキサイティングさでほんの少し上回り、そして直線で本当にわずかながら速かったにすぎない。とにかくあらゆる角度において、凄まじいまでに拮抗した対戦であった。

そんな激戦に続く第2試合は、さらに熱い戦いが期待できそうだ。新たな挑戦者の名はフォルクスワーゲン・シロッコRである。さらにスパイスとして日産フェアレディZにも参加してもらうことにしたのだが、これはフォーカスRSやシロッコRとサイズ的に非常に近く、価格も英国ではほぼ同等だからで、2台のホットハッチに興味を持っている人なら、きっとそんなFRにも関心があるはずだと踏んだからである。

フォーカスについてはほとんど説明無用だろうが、簡潔に記しておくと価格は邦貨換算で540万円ほどになり、304psの最高出力と44.8kg-mの最大トルクを発生するターボ過給の5気筒エンジンで前輪を駆動する。

全く異なるキャラクターの3台

メガーヌRSが持てる力を尽くしてこのクルマを打倒しようとしたのは先週のことだったが、フォーカスはかろうじて追撃を退け、このセグメントの王座を防衛した。

モンスター級の動力性能(0-100km/h=5.9秒/最高速度=262km/h)と驚くほど洗練された実社会でのマナーを両立させており、たとえ視覚的な魅力にいささか欠けるところがあるとしても、広範囲をカバーするその実力に否定の余地はない。

だが、今回の相手は勝手が違う。比較的方向性の似ていたメガーヌRSとは異なり、シロッコRとフェアレディZはまるで別のキャラクターを備えている。おそらく3車三様の個性をぶつけ合う対戦となるはずだ。

フェアレディZはフロントにエンジンを積んだ後輪駆動のトラディショナルなクーペで、パワフルなV6はなかなか感性に訴えるサウンドを響かせる。走りは男らしいたくましさが際立った古風な感触で、フォーカスRSに夢中になるような人なら必ずやこちらにも共鳴するだろう。

いちばん安いモデルの価格はわずか365万円ほどであり、これでも最高出力336psと最大トルク37.2kg-mのスペックを誇る。0-100km/h加速は5.7秒、そして最高速度は250km/hだ。

実力を上品に主張するシロッコR

一方、シロッコRはフェアレディZとはほとんど完全に正反対というべき個性の持ち主であり、そしてフォーカスRSともそれと同じくらい大きく異なっている。ベースとなったゴルフよりもはるかにスタイリッシュであるのは一目瞭然だが、走りも上品そのもので、フォーカスRSやフェアレディZとは一線を画す。

決して派手なクルマではないが、ノーマルより20mm下げられた最低地上高と飛び切りエレガントなタラデガ製の19インチ・アロイホイール(標準は同デザインの18インチ)、前後バンパーの上方に付けられた小さな“R”エンブレム、それに新たにクロームとなったエグゾーストパイプが、その意図するところを控え目に誇示している。

標準モデルとの差別化はほかにもある。デザインが少し変更された前後バンパーのフロント側にはエキゾティックなルックスのLEDデイタイムランプが備わり、またテールランプには薄いスモークレンズが使われている。

詳しいVWファンなら65%スモーク入りのリアウインドウだけでR仕様を見分けられるだろう。もともとルックスのいいクルマだが、シロッコRはどこを取っても大幅にアップグレードされており、いっそう堂々とした、いかにも走りそうな構えである。

スペックがすべてではない

追って登場するゴルフRのような4WDではないが、このもっともホットなシロッコの2.0ℓエンジンはお馴染みのターボ過給と新設計のシリンダーヘッドを組み合わせ(要するに5代目ゴルフGTIのユニットをさらにチューンしたものだ)、256ps/33.7kg-mを発生する。TSIエンジンよりも高められた過給圧は最大1.2barに達し、インタークーラーのキャパシティを上げて増大した熱に対応している。

また、シロッコRにはゴルフGTIで導入された電子制御ディファレンシャルが標準装備され、エンジンパワーをクレバーに路面へと伝達する。トランスミッションは6段マニュアルが標準だが、約20万円のオプションでDSGを選択することも可能だ。今回の試乗車はまさにそういう仕様だったのだが、これオンロードでの魅力に大きく貢献している。

それはつまり、VWが公表している動力性能は0-100km/h加速が6.4秒、最高速度が250km/h(リミッター)にとどまり、紙の上の数字では残念ながらライバルたちの敵ではないのだが、必ずしもそれがすべてではないと今回の試乗で判明したということだ。紙の上に書かれた数字はある一面を示しているに過ぎず、実際に路上で起こったこととは別の話だったのである。

その話に移る前に、なぜシロッコRには四輪駆動が採用されなかったのかについて、少し述べておこう。理由はふたつある。パッケージングと価格だ。リアサスを四輪駆動のメカニズムに対応させるために再設計するとしたら、価格は邦貨換算で600万円を突破してしまう。それが彼らにはどうにも受け入れられなかったわけだ。

本物のドライビングマシン

その代わりに、前輪駆動シャシーのままでもトラクションコントロールとESPのソフトウェアが全面的に書き換えられた。さらにスプリング、ダンパー、アンチロールバーに最低地上高も、エンジンの出力向上に合わせて改良が施されている。

シロッコRはいかにも標準モデルよりパワフルで速そうに見えるが、当然、そう見えるだけではない。ほとんどの部品が標準モデルとまったく同じはずなのに、ひとたび乗り込めば、標準モデルよりもシリアスなドライビングマシンであることがよくわかる。

これは実は低くなった着座位置に起因する錯覚かもしれず、あるいは単純にステアリングの奥に装備されたシフトパドルがそう思わせるだけなのかもしれない。

いずれにせよ、前後に長いドアを開け、サイドサポートが張り出した本革ライニングのバケットシートに身体を収めるとき、このクルマは本物だという確かな手応えをシロッコRから感じるのは間違いない事実である。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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