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ニューモデル 2018.9.22

【ヤマハ SCR950 試乗】“土系”の雰囲気を都会で味わえる「ネオクラ」マシン…佐川健太郎

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陰に隠れた変わり者

『SCR950』は一風変わったモデルだ。エンジンと車体はクルーザーの『BOLT』がベースで、これにダートトラッカー風のネオクラシカルな外観が与えられ、ヤマハの中ではスポーツヘリテイジに位置付けられている。

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ちなみにSCRとは「スクランブラー」の意味。ただ、ゼッケンプレート風サイドカバーや小ぶりなタンク、低い車高など見た目の雰囲気はどちらかというとダートトラッカーに近いと思う。1年前にデビューしたが、あまり派手なプロモーションをやったわけではないので、次々に出てくる最新モデルの陰に隠れてしまった感がある。

でも僕はデビュー当時から、かなり気になっていたモデルだった。何故ならこういったテイストが好きだから。

古典的レイアウトならではの味わい

ちなみにスクランブラーとは元々はオンロードバイクで荒地を走るために改造したマシンのこと。一方、ダートトラッカーとはアメリカ発祥の競技で、固くしまった平坦な土のコースを周回して速さを競うレース。進入から立ち上がりまでフルカウンターを当てながら猛スピードで抜けていく大迫力のコーナリングが最大の見せ場になっている。

そういえば、かつてヤマハはケニー・ロバーツが駆る『XS650』や『TZ750』ベースのダートトラッカーで勝ちまくっていた。SCRはそうした懐かしい時代の雰囲気を持った現代のマシンなのだ。

とはいえ、SCRはベースがクルーザーということもあり、大柄なボディは車重が250kgを超えるなど、とてもダートで振り回せるような代物ではない。トルクフルなVツインの鼓動感や“土系”の雰囲気を都会で味わうのが正しい楽しみ方だろう。

空冷V型60度2気筒SOHCエンジンは古典的とも言えるそのレイアウトならではの味わいがある。サウンドは誰もが想像するまさにVツインそのもので、セルで始動した瞬間からズドンとくる低周波が腹に響く。丸型のシンプルかつ現代的なデジタルメーターは回転計すら付いていないが、カタログ値では最大トルクは3000rpmとかなり低め。つまり、ギヤを早めにかき上げて回転数を抑えつつ、なみなみと溢れるトルクに乗せてドコドコと走るのが向いている。よく晴れた休日の湾岸線や、道が空いた都心をまったりと流すのが最高に気持ちいい。

ハンドリングは大らかでクルーザーライク。フロント19インチのスポークホイールと正立フォークによる、ほどよい重さとしなり感に心が安らぐ。ただ、ベースとなったBOLTは数あるアメリカンタイプのクルーザーの中でも、とりわけスポーティなハンドリングを持っているモデルだけに、SCRもその気になればワインディングをそこそこのペースで攻められる懐の深さも持ち合わせている。

本音でつき合える親友のよう

前後シングルディスクだがブレーキの効きは必要十分なレベルでタッチも穏やか。ABSが標準装備され、いざというときに思い切りかけられるので雨の日なども安心だ。加えてタイヤがオン&オフ用のセミブロックタイプなので、荒れたアスファルト路面でもしっかり食い付いてくれるのがいい。

高めのワイドハンドルにスリムなのフラットシート、真下にあるステップというライポジ3点の関係はオフロードバイクのそれに近く、上体が起きているので腰が楽だし、視界が広く乗っていて気分がいい。それでいてシート高は830mmに抑えられているため足着きも悪くない。ただ、マフラーの取り回しの関係なのか、ステップがやや外側に出ているため、人によっては足を着くときに干渉するのが気になるかも。

ダートラ風の威風堂々としたフォルムに、クルーザー譲りのゆったりとした乗り心地とスポーツ心を持ったハンドリング。さりとて、無理してダートを攻める必要もなく、普段着で乗ってもサマになる。本音でつき合える親友のようなバイクだ。

■5つ星評価

パワーソース:★★★★★

ハンドリング:★★★★

扱いやすさ:★★★★

快適性:★★★★

オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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