2018年上半期、欧州における電気自動車販売のトップに立ったのが日産リーフ、その販売台数は1万8000台を超えたという。日本においても、バッテリー総電力量を40kWhまで大きくし、航続可能距離を400km(JC08モード)まで伸ばした新型リーフは注目度が高く、実際売れ行きも好調だ。日本での2018年上半期の販売台数は1万4586台、同じ時期の数字でみればマツダ・アクセラやホンダ・シビックよりも売れている。
こうした売り上げを支える要因のひとつが国から出ているCEV(Clean Energy Vehicle)補助金だろう。一定期間の保有を義務付けられるなど諸々の条件はあるが、リーフの場合40万円の補助金が交付される。さらに自治体からの補助金や自動車諸税の減税もある。もっといえば、日産のサービスプログラムを利用することで、月額2000円で急速充電器が使い放題になるプランもある。つまりエンジン車でいう燃料代が大幅に安くなるというわけだ。こうした維持費にかかわるコストメリットもリーフの魅力といえるだろう。
「日産リーフ」が2018年上半期、欧州での電気自動車の販売台数トップに
もちろん電気自動車のスムースで先進的な走りの魅力も人気につながっているのだろうし、それを活かすワンペダルドライブ「e-Pedal」機構もリーフの生み出すエクスペリエンスとなっている。そうしたリーフならではの特徴を活かしたスポーティモデルも登場している。それが「リーフNISMO」だ。パワートレインは標準車と同等となっているが、アクセルレスポンスを鋭くする制御に代わっていたり、ハイグリップな18インチタイヤを履いていたり、専用サスペンションにチューンアップされていたりする。もちろん、外観は空力性能を磨いたNISMO専用品。こうした仕様が生まれるのも、電気自動車の普及によって、環境性能一辺倒ではないニーズが生まれていることの証だ。
さて、リーフのCEV補助金は40万円と書いたが、じつはリーフNISMOについては交付額が35万円となっている。これはリーフNISMOが趣味性の強いスポーツカーだから……というわけではないが、間接的には走りを磨いたことで補助金が減っているといえる。CEV補助金の額というのは毎年のように見直されているが、2018年度の電気自動車における計算方法というのは非常に単純で「上限40万円として、一充電走行可能距離×1000円」で計算することになっている。つまり航続可能距離が400kmであれば40万円になるわけだ。そしてリーフNISMOはシャシー性能アップとのトレードオフなのか、一回の満充電での航続可能距離が350kmに減っている。前述した計算式に当てはめれば、35万円という数字に間違いはない。こうした違いをネガと感じず、NISMOの走りを手に入れるための正当なコストとして評価できる人が、あえてNISMOバージョンのリーフに食指が動くのかもしれない。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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