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ニューモデル 2018.9.4

新型メルセデス-AMG Gクラス G63 英国試乗 世界観そのまま、マナー向上

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もくじ

どんなクルマ?
ー スタイリングは先代を踏襲
どんな感じ?
ー 成り立ちはコンベンショナル
ー 見た目からは想像できないインテリア
ー 都会派SUVとも渡り合える走り
「買い」か?
ー ゲレンデヴァーゲンならではの世界観
スペック
ー メルセデス-AMG Gクラス G63のスペック

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どんなクルマ?

スタイリングは先代を踏襲

アストン マーティンやロールス・ロイスなど、高級車ブランドからニューモデルがやっと1台発表されるような期間に、5~6台のスーパーSUVが発表される、最近の自動車業界。AMGが手を加えた、新しいメルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲンが、その盛り上がりに拍車をかけることになる。

先代のスタイリグを踏襲した、大きな変化を感じ取れない四角いボディのクルマに、14万ポンド(1974万円)も払うひとがいるのか、疑問に思う読者もいるだろう。もし多用途性に優れながら、豪華で快適、走行性能にも優れたSUVが欲しいのなら、英国の場合ほとんど同額でベントレー・ベンテイガが手に入る。レンジローバー・スポーツSVRならより安価に、ランボルギーニ・ウルスも、若干の上乗せで購入できるのだから。

あるいは、新しいG63を心待ちにしていたひとは、騒がしいサイド排気と象徴的なビジュアルを持っているものの、砂場から飛び出してきた様な、少しおもちゃっぽいデザインは、どう映っているのだろう。角ばったボディに飛び出したドアヒンジ、無骨なドアハンドル。いかにも、わかりやすい形のSUVだけれど。

G63のドアを閉めると、綿密に設計されたボディだからこそ聞くことができる、パキン、という重い音を聞くことができる。内包されるドアロックの動作音はかなり大きく、400mくらい離れていてもカチッという音が聞こえそうだ。また、身長が2m近いひとでも屋根が見えず、悪路を走らないドライバーであっても、乗車するにはよじ登る必要がある。

しかし、外観ではわからない、走りの進化に興味は高まる。

どんな感じ?

成り立ちはコンベンショナル

40年にも及ぶゲレンデヴァーゲンの歴史の中で、最大のモデルチェンジを受けたにも関わらず、コンベンショナルなラダーフレーム・シャシーにリジッド・リアアスクルを備えている。悪路の走破性を裏付ける最低地上高では、トヨタ・ランドクルーザーを凌ぐ。SUVとして正攻法の設計でもある反面、いささかその文法は古いものにも感じられてしまう。

もちろん、その文法では、ガソリンエンジンは不可欠。585psと86.5kg-mを発生する、AMG製の4ℓV8ツインターボエンジンが搭載される。

新しいGクラスのボディサイズは、旧型と比較して全長が4873mm、全幅が1984mm、全高が1966mmと、3サイズともに大きくなっている。軽量で高剛性になった合金製のボディを、独立したラダーフレーム・シャシーが支えている。

フロントサスペンションは、リジッドアスクル式からダブルウィッシュボーン式に変更。油圧式だったパワーステアリングは、電動式のラックアンドピニオン式になった。サスペンションは標準でスチールのコイルサスペンション。最低地上高は241mmで、最大渡河性能は700mmを誇る。

トランスミッションは一般的なトルクコンバーター式ながら9速ATに多段化され、険しいオフロードに対応するべく、リダクションギアによるローレンジ・モードが備わる。さらに、前後、センターそれぞれロック機能付きのディファレンシャルギアも装備。これで大幅に軽量化していれば良いのだが、これだけ高機能でラグジュアリーなSUVだから、そうはいかない。

見た目からは想像できないインテリア

G63のエクステリア・デザインは旧型モデルのイメージを強く受け継いでいるから、インテリアデザインが大幅に進化していることは、車内に座ってみるまでは期待できないだろう。しかし、1対のワイドモニター式のインスツルメントとインフォテインメント・システムが広がり、タービンのようなエアコンのエアベントが並ぶ。上質な素材が組み合わされた車内は、明らかに旧モデルのGクラスのマイナーチェンジではないことがわかる。

かなりの努力がうかがえる仕上がりだと思う。誰もが、従来型よりも広く、ラグジュアリーで先進的で、上級さを感じられるだろう。インテリアはモダンで高級志向でありながら、エクステリアは目を引くほどのレトロな雰囲気を漂わせている。比較的旧式なスタイリングが好みでありながら、日常的にクルマを利用したいと思うユーザーにとっては、悪くないコンビネーションだと思う。

走りの面でも、その進化は大きい。旧型のGクラスは、特徴的でクラシックなスタイリングにたがわず、洗練性には欠け、低速域での乗り心地も荒々しく、ステアリングは重く、旧式的な扱いにくいクルマだった。わたしの経験では、外見以上に、旧態然としたドライビングを味わえたクルマだと思う。

そこでメルセデスは、クルマのダイナミクス性能を抜本的に見直した。わたしが試乗した先代モデルはディーゼルエンジンで、AMGの手も入っていなかったから、直接的な比較はできない。しかし今回、メルセデスはAMGに相応しいスペックをもたせるだけでなく、AMGのバッジがつかないモデルにおいても、Gクラスのダイナミクス性能を高めており、隔世の違いを得ている。

都会派SUVとも渡り合える走り

その違いは、ステアリングホイールの適正な重さ、直進安定性とレスポンスの向上、優れた正確性など、先代モデルでは叶うことのなかった仕上がりで現れている。スピードが乗った状態でも、乗り心地やハンドリングの安定性は高まっているものの、反面、想像通りというべきか、都会派のアウディSQ7やポルシェ・カイエン・ターボのそれとは異なることも事実。

もちろんカイエン・ターボは、独立したサブフレームや後輪のリジッドアスクル、長いコイルスプリングなどを持っていないし、2m近い高さの直線的な屋根も背負っていない。これらを備えるG63の、コーナリング時における抑制が効いたボディロールやスムーズなノーズの動きは、充分に優れているといえる。

むしろ、ヘビーデューティーではないSUVとも比較できる、ハンドリングや乗り心地を得ているという点で、賞賛に値すると思う。さらにG63が積むV8は、オンロードで優れた性能を発揮するSUVに劣らない、高速走行すら味わわせてくれる。本格的なオフローダーとして、乗り心地やレスポンスが、アウディSQ7やポルシェ・カイエン・ターボを上回る必要もないとは思うけれど。

ただし、Gクラスの乗り心地は、ツギハギされた英国の道では、常に快適というわけではない。都市部を走行する場合、アダプティブダンパーのセッティングは柔らかめを選ぶことになるが、走行スピードによっては、ノーズのピッチングやボディ全体の上下動が大きすぎるきらいがある。ひと段階硬めを選ぶと、減衰力は明確に高くなるが、落ち着かない雑な乗り心地にってしまう。ただし、適正なドライビングモードとペースで走ることで、これらは改善できる。

安定性は高く、国をまたぐような長距離ドライブにも不足のない、魅力的で活気あふれたドライビングを楽しむことができる。自然の似合う、本物のドライバーズカーだといえるだろう。9速ATを手動で変速させれば、低回転域でも高回転域でも、V8エンジンの特徴的な部分を発揮させることもたやすい。必要以上のパワーに溢れたクルマを運転するという、ドラマチックさと不合理さも、堪能できるに違いない。

「買い」か?

ゲレンデヴァーゲンならではの世界観

新しくなったGクラスは、現代のラグジュアリーSUVとして、高く評価できる完成度を得ながら、アピアランスは他のモデルとは異なる世界観を保っている。もちろん、オンロード走行に主眼を置かれたハイパフォーマンスSUVではない。しかし、多くのG63オーナーやゲレンデヴァーゲンの信者にとって、ドライビングマナーが格段に向上し、運転しやすくなったことは、間違いなく歓迎されるはず。

皮肉めいた表現かもしれないが、残り少ない化石燃料を燃やしながら、気候変動の激しい荒野を走るクルマとして、ゲレンデヴァーゲンほど優れたクルマはないだろう。

メルセデス-AMG Gクラス G63のスペック

■価格 14万3305ポンド(2063万円)
■全長×全幅×全高 4873×1984×1966mm
■最高速度 220km/h
■0-100km/h加速 4.5秒
■燃費 7.5km/ℓ
■CO2排出量 299g/km
■乾燥重量 2485kg
■パワートレイン V型8気筒3982ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 585ps/6000rpm
■最大トルク 86.5kg-m/2500-3500rpm
■ギアボックス 9速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN マット・ソーンダース)

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