BMW「X2」が2018年1月のデトロイトショーでワールド・プレミアされBMWの新しい新機種として注目を浴びていた。国内でのコミュニケーションでもミレニアル世代をターゲットとし、コミュニケーションツールはデジタル。そしてキーワードはTHE REBEL、反逆者という刺激的なものだった。
コンセプト
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X2はプレミアムCセグメントのSUVで、BMWではSACと呼んでいる。スポーツアクティビティクーペの略だ。BMWのXシリーズはBMW全体の販売台数の中で1/3を占めるまでに成長しており、量販セグメントのCサイズに、新機種を投入してきたわけだ。
そして、ターゲットはミレニアル世代というのだから、30後半から40歳代が中心。だが実際の購買層は50歳代が中心というコンセプトと実売層のギャップがある中でローンチされている。狙いとしては、ライバルひしめくCセグメントサイズで、魅力をアピールするにあたり、ほぼ同サイズのX1より若い活動的な40代の成功者を中心にすると、ブランドイメージにも合致するということだろう。
そのためか、ブランド・コミュニケーションには刺激的な言葉が多く、反逆者であったり、unfollowアンフォロー、従わないであったり冒険者という用語も使っている。ブランドの若返りを狙いつつ、新しいユーザーの取り込みをしたいという狙いだ。
試乗レポート
そうした刺激的なコミュニケーション用語を使ってはいるものの、乗ってみると、やはりBMWらしさをたっぷり感じるモデルだった。BMWと言えばハンドリングのベンチマークにされる3シリーズがあるように、操舵フィールには定評がある。新型X2の試乗車はxDrive20iで2.0Lガソリンターボの4WD車。20インチのランフラットタイヤを装着していた。
走り出すと、そのハンドリングが敏感なことに驚く。明らかに3シリーズよりは良く動く敏感な仕上げで、これを若々しさとしているのかもしれない。ミレニアル世代の父親に近いタカハシとしては動き過ぎると感じてしまうが。しかし、走行フィールとしては非常に滑らかで高級感がしっかりとあり、BMWらしいと感じる。コミュニケーションとしてはBMWらしいという表現は相応しくなく、あくまでも反逆者が好ましいのだろうが、BMWらしく安心した。
20インチのランフラットタイヤはオプションで、低速時のみゴツゴツした感じがあるが、なんとか履きこなしている印象がある。が、本国では21インチ仕様もあるので、狙いどおりの乗り心地なのかもしれない。国内仕様は標準車が17インチ、M SPORT Xが19インチサイズを履いているので、ちょっと無理している感じがあるようだ。
ドライビングポジションは、セダンよりアップライト気味になっているが、フォルクスワーゲン・ゴルフのようなポジションにはなっていない。そのあたりもBMWのこだわりを感じる。もちろんSUVをドライブしているフィールよりは、目線の高さ以外は乗用車に乗っている感じだ。
しかし、よく考えればFFベースなので、3シリーズとは明らかに異なるプラットフォームであり、またエンジンも横置きでミッションも同じ8速とはいえサプライヤーはZFとアイシンAWと異なっている。だが、BMWらしい走行フィールが完成しているというのは、ある意味驚きでもあるのだ。
インテリアこそ、まさにBMWで、ドライバーオリエンテッドで少し角度のついた運転席になっている。ステアリング、メーター周り、ハンドル、空調などすべて見慣れたBMWの装備だ。新規ユーザーにはドライバーズカーとして新鮮に映るBMWのインテリアだ。
諸元を確認しておこう。ボディサイズは全長4375mm、全幅1825mm、全高1535mm、ホイールベースが2670mmで立体駐車場に入る全高としているのはアーバンライフにとっては重要な要素だ。エンジンは2.0Lターボで、8ATが組み合わされ192ps/280Nmの出力。そしてこのあと導入予定の18iには、1.5L3気筒エンジンを搭載し、7速DCTが組み合わされている。出力は140ps/220Nmとなっている。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
メーカー希望小売価格(消費税込み)
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