2駆、4駆だけでなくベーシック、レーシー……様々なラインナップを持つ911。だが、その違いは魅力の大小ではなく、それぞれに固有のキャラクターを与えているのがおもしろいところ。まもなく発表が予想される992型の登場を前に、熟成極まったリヤエンジンスポーツカーはそれぞれどのような特徴を持っているのか、カレラ、カレラGTS、カレラ4GTS、タルガ4GTS、GT3の5台の991II型を集めて比較した。今回は911カレラGTS。REPORT◎吉田拓生(YOSHIDA Takuo)PHOTO◎篠原晃一(SHINOHARA Koichi)
911 Carrera GTS ワイドボディが魅力の2駆
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かつてはポルシェの自然吸気最強を意味していたGTSの称号だが、すっかり過給エンジンマターになってしまった現在は高性能シャシーを与えられたモデルと言うべきか。
カレラ2のGTSは、何の予備知識もなくサラッと走らせた時に最もポルシェ911らしい期待を裏切らない安定感、ステアリングを通して感じる引き締まったシャシー、軽快感を味わえる1台。2駆であるにもかかわらずGTS仕様のボディは4駆系のモデルと同じワイドトレッドになっており、コーナリングも明らかに速い。
試乗車はオプションでリヤアクスルステアリングやPDCC(ポルシェダイナミックシャシーコントロールシステム、アクティブスタビライザー含む)を備えており、様々な局面で上手く効いているのだと思われるが、電制の存在を感知させず、ドライバーに「オレ上手い!」と思わせてくれるあたりに真の高性能を感じる。GTSに標準装備のアルカンターラ張りのインテリアも見た目と性能のバランスが良い。
※本記事は『GENROQ』2018年7月号の記事を転載したものです。
ポルシェ911カレラGTS
■ボディサイズ:全長4528×全幅1852×全高1284mm ホイールベース:2450mm ■車両重量(EU):1545kg ■エンジン:水平対向6気筒DOHCターボ 圧縮比:10:1 総排気量:2981cc 最高出力:331kW(450ps)/6500rpm 最大トルク:550Nm(56.1kgm)/2150~5000rpm ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:Fマクファーソン式ストラット Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F245/35ZR20(9J)R305/30ZR20(12J) ■パフォーマンス 最高速度:310km/h 0→100km/h加速:3.7秒 ■環境性能(EU複合モード) 燃料消費率8.3ℓ/100km CO2排出量:188g/km ■車両本体価格:1788万円
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