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ニューモデル 2018.7.23

初試乗 アウディTT Sクーペ、マイナーチェンジ 誕生から20年、変わらぬ魅力

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もくじ

どんなクルマ?
ー 誕生から二十歳を迎えたTT
どんな感じ?
ー 卓越した走行パフォーマンス
ー ドライビング面での変化は小さい
「買い」か?
ー 発売当初から変わらぬTTの魅力
スペック
ー アウディTTSクーペ2.0 TFSIクワトロのスペック

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どんなクルマ?

誕生から二十歳を迎えたTT

誕生日おめでとう、アウディTT。2018年で20歳となっても、その若々しさは昔のままだ。アウディにとってアニバーサリーとなるはずだが、お祝いの声はあまり聞こえてこない。アウディの信念としては、過度な振る舞いは許されないのかもしれない。

欧州では999台限定の20周年スペシャルモデルは作られるものの、4年目を迎える3代目TTにアウディがプレゼントしたアップデートは、比較的控えめな内容。若干のメカニカルな部分の変更と、アピアランス周りのリフレッシュに留まった。

それでも、走り好きのエンスージァストにとっては、TT Sの変更は重要なニュースかもしれない。最大出力は、標準装備となる微粒子捕集フィルターの影響で、306psへとわずかに下げられた一方で、最大トルクは約2.0kg-m上乗せされ、40.7kg-mに増強されている。

6速マニュアルはラインナップから落ち、7速のデュアルクラッチATが新しく組み合わされるようになったが、依然2.0ℓのTT Sの加速力は凄まじい。何しろ、0-100km/h加速は4.5秒で、一昔前のアウディR8 V8モデルよりも速いのだ。

磁性流体を封入したダンパー、アウディ・マグネティックライドがTT Sには標準装備となったこともあり、4気筒モデルのフラッグシップとはいえ、価格は4万5000ポンド(657万円)にまで達すると見込まれる。

さらに、ナビゲーションシステムが新しくなり、スマートフォンなどのワイヤレス充電機能も備わったテクノロジーパックも追加。インテリアデザインも新しくなった。

その走りはどう変化したのだろうか。

どんな感じ?

卓越した走行パフォーマンス

余計な気疲れもなく、欠点も見つからないけれど、過剰なドラマ性もない。至ってアウディ流なところがとても好ましい。今回アウディTT Sを試乗した場所は、TTレースでも有名なマン島。一般車両を封鎖した山岳路も含まれており、このクルマの強みを確かめるのにはピッタリの場所だった。

今まで来たことのないチャレンジングな道を、恐怖心なく速く走るなら、4輪駆動で300ps以上を誇るアウディTTこそが適役だと思う。通常のクルマなら60km/hくらいが適切な速度域のコーナーを、倍近いスピードで走っても快適性は損なわれない。2速にまで落とすヘアピンカーブでは、強いトラクションを保ったままターンし、5速をキープして抜ける高速コーナーでも、怯える必要はない。


エンジンはパワフルだし、ブレーキにも不満は感じられない。TT Sのグリップが抜ける前に、マン島の路面がタイヤの熱で焼かれてしまいそうだ。この、極めて簡単に楽しめる高次元の走行パフォーマンスを凌駕できるのは、さらに活発なTT RSくらいだろう。

卓越した走行パフォーマンスは間違いない反面、TT Sの課題は、ニュアンスや感覚の繊細さに欠けるというところ。アウディ全般にいえる悩みだけれど。極めて感覚に優れたポルシェ・ケイマンや、ワイルドな雰囲気さえ漂うジャガーFタイプなどと比べると、指摘せざるを得ない部分だと思う。

腕利きのドライバーにとっては、鮮明とはいいにくいブレーキやステアリングのフィーリングからは、大きな喜びは得られないだろう。激しくプッシュすれば、それだけ速く走れるものの、スポーツカーに期待する走行パフォーマンスから得られる満足感は、残念ながら希薄だといえる。

ドライビング面での変化は小さい

今回のテスト車両にはオプションの20インチホイールが装備されており、TT Sの乗り心地はドライブモードに関係なく、かなり硬く感じられた。ちなみにドライブモードは、エフェシエンシー、コンフォート、オート、ダイナミック、インディビジュアルの5種類が備わる。

大きなホイールは衝撃がボディへ伝わりやすく、クルマは常に落ち着かない振る舞いとなってしまう。アウディの持つ非常に洗練された質感にも合わないから、わたしは19インチをオススメしておきたい。

新しく搭載されたトランスミッション、7速DSGは、従来の6速のものよりも大きな改善を受けている。オートマティックモードでも、マニュアルモードでも、変速は素早い。ただ、このデュアルクラッチのトランスミッションが良くなったといはえ、本当の「マニュアル」を選択できなくなったことを残念に思うドライバーもいるだろう。

今回のアップデートに伴う、ドライビング面での変化は大きくはなかった。メカニカルの部分での変更を受けているのだが、ハッキリと実感できるほどのものではなかったと感じる。

また、フォルクスワーゲン・グループという巨大帝国の中で、このアウディ製のスポーツクーペよりも、フォルクスワーゲン製のハッチバックの方が味わい深いドライビングを提供してくれるということも、不思議な事実だと思う。

「買い」か?

発売当初から変わらぬTTの魅力

クルマの完成度は高いし、おそらく沢山の数が売れるだろう。アウディはこの20年間で、決して大衆受けするとは思えないパッケージングのTTシリーズを、世界的に60万台以上販売してきた。趣味性の強いクルマとして、今後も生産を続けてほしいと思う。

新しいボディカラーとデザインのホイールも加わり、TTのスタイリングはさらに特徴的なものになっている。追加された装備類も、間違いなくショールームでは惹きつける要素になるだろうし、新たな顧客も獲得できるだろう。

クルマとして合理的なアプローチを持ち、確かな結果を生んでいるTTではあるものの、走りに拘るドライバーの満足感は高くもないことも事実。それは少し残念ではある。しかし、アウディTTが好きなら、それで充分。発売当初から変わらぬコンセプトを持ち、ここまでの支持を得ているTTを、敢えて変える必要性はないと思う。

ポルシェやBMWがそれ以上の楽しさを提供してくれるという批判は、このクルマには通用しなさそうだ。

アウディTT Sクーペ2.0 TFSIクワトロのスペック

■価格 4万5000ポンド(657万円・予想)
■全長×全幅×全高 4190×1830×1370mm
■最高速度 249km/h
■0-100km/h加速 4.5秒
■燃費 -
■CO2排出量 -
■乾燥重量 1640kg
■パワートレイン 直列4気筒1984ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 306ps/5400rpm
■最大トルク 40.7kg-m/2000-5300rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ

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(AUTOCAR JAPAN マット・バード)

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