もくじ
ー 完全な新設計
ー 年間100台を生産 型式認証も取得
ー ホンダ製ターボエンジンを搭載
ー ブレーキや空力性能も改善
ー AUTOCAR英国編集部 マット・プライアーのコメント
完全な新設計
1999年の発売以来4代目となるアリエル・アトムは標準仕様として試乗最高のパフォーマンスを得て生まれ変わった。
アトム4は0-97km/hの加速を2.8秒、0-161km/hを6.8秒でこなす。価格は3万9975ポンド(593万円)からに設定されている。今週のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで正式発表され、2019年春に納車が開始される。
最新のホンダ・タイプRの325psを発揮するターボエンジンが搭載され、新設計のシャシー、サスペンション、ステアリング、ブレーキ、ボディワークが奢られている。アリエルによれば「劇的な空力性能の改善」を果たし、シート類なども刷新されている。
アリエルのサイモン・ソーンダースCEOはいう。「アトム4は1999年の初代発売以来最大の変化を与えられました」
実際、先代から引き継がれたパーツはクラッチとブレーキのペダルやフューエルキャップのわずかに3点のみで、そのほかは完全に新設計されている。
年間100台を生産 型式認証も取得
アリエルはノマドやエースと並行して年間100台のアトムを生産する計画だ。アリエルにとって重要な市場である米国でもライセンス生産される。また、アリエルとして初めて欧州やオーストラリアなどで販売するための型式認証を受けている。
アリエルのディレクターを務めるトム・シーバートは「欧州をはじめとして、世界中で非常に多くの需要があります。英国製の少量生産車というのは各方面に魅力的であり、型式認証を受けることはわれわれがそれらの市場にサービスを提供する意思を示すことになります」と語った。
アトム4の基本は新しいパイプフレームのシャシーだ。このパイプには今までよりも太いものが使用されている。ねじれ剛性も先代のアトム3.5よりも15%向上したとのことだ。
新しいシャシーにより、インテリアのスペースやレッグルームも拡大されている。それと同時に50km/hでのフルセット全面衝突や後方衝突試験にも通過しているとのことだ。
ホンダ製ターボエンジンを搭載
アリエルの15年間におよぶホンダUKとの提携により、アトムは最新タイプRに使われる325psの2.0ℓターボエンジンを搭載する。42.9kg-mのトルクは先代のスーパーチャージャー付きアトム3.5比で35%の向上だ。ソーンダースはこれを「非常に重要」と評価している。「タイプRのエンジンはアトムに心強いパワーとレースにおける信頼性をもたらします」
ECUはアリエルによって専用のチューニングが施され、オプションでローンチコントロールやトラクションコントロールの機能が搭載される。アトム4では路面状況に応じてターボのブースト圧を変更可能だ。
今までよりも大型の燃料タンクを搭載することにより、航続距離は483kmに達する。
今までと同様、プッシュロッド式のダンパーを採用しているがサスペンションのジオメトリーは完全に変更され、不要なロールや荷重移動が起きにくくなったという。
これとトレッドの拡大の組み合わせにより、幅広いドライバー層が扱いやすいクルマになったという。頻繁にサーキット走行を行うユーザー向けには、よりクイックなステアリングラックが用意されている。
ブレーキや空力性能も改善
フロントには16インチ、リアには17インチのホイールが装着される。マルチスポークのアロイ製が標準だが、オプションでカーボン製を選択することもできる。これらはアロイよりも50%ほど軽量だ。組み合わされるタイヤはエイボンZZRとなる。
アリエルはいう。「新しいサスペンションとより大型のエイボンタイヤにより、今まで以上のグリップを発揮します」さらに、コーナリングスピードは「新次元」だとのことだ。
さらに、強化されたパワーに対応するため、より大型のブレーキも装着される。
アリエルはボディに多くの変更を加え、空力性能を改善するため新設計のパネルを採用している。最も大きな変更点は、中央部のロールフープがエアインテークと一体化したことだろう。アトムの「エアロスクリーン」は車幅全体に設置され、ヘルメットが浮き上がることを防ぐとともに、エンジンの吸気を助けている。
AUTOCAR英国編集部 マット・プライアーのコメント
アリエルはそのクルマとバイクのメーカーとしての成長ぶりに驚かされる。もし、小規模でも他のひとがやらないけれど面白いことをしていたら、人生は豊かになるだろう。また、大規模なことで他のプレイヤーと争うことも、人生を豊かにしてくれる。しかしその中間で、ライバルがいながらも大規模になりきれないというのは、アリエルの望むところではないはずだ。
その点、アトム4は依然としてユニークなクルマだ。わたしはふたつの点で感銘を受けた。
ひとつめは新しいアンチ・ダイブ機能付きのサスペンションジオメトリーだ。ノマドはわたしがロードカーに想像できる以上のボディコントロールを見せつけた。これ以上を実現したのなら驚くばかりだ。もうひとつは、ホンダ製のターボエンジンだ。300ps超というのは、エントリーモデルには十分すぎる数値だろう。
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